20歳の旅立ちを決めるまでベアキャットという男は親の言うことを忠実に聞いて生きる素直な男であった。
親の言うことは正しい。そう思い生きてきた。
しかし、17歳の頃突如両親は失踪してしまった。原因は未だにつかめていない。
生きる指標であった両親が突然いなくなってしまった。
当時、ベアキャットはパニック状態に陥って、住処を飛び出した。もう自分には何もない。
絶望で心を侵されていた時、とあるリルドラケンに救われてともに生活することとなった。
不器用で粗暴なリルドラケンだったが、適当な性格でもあったため、保護だけして当人は基本的に妻のリルドラケンに生活面は任せていた。
ベアキャットは保護されてからしばらく一人で何もすることができなかった。
素直だったがゆえに一人で何も考えられないままここまで育ってしまった。
リルドラケン妻は基本的な生活の術。リルドラケン夫は基本的に戦闘訓練をベアキャットに教えた。
このリルドラケン夫妻は2人とも大雑把な性格で物事を事細かく説明するのは苦手であった。
それが逆に良かったのかベアキャットは次第に自分で物事を考えるようになった。
そして少しの年月が経ち、ほとんどのことを一人でこなせるようになったベアキャットは次第に力を求めるようになった。
過去はもう振り返らない。これから前を向いて生きていくために力がもっと欲しいと。
そしていつか家族と出会い、強くなった自分を見てもらおうと思い立った。
20歳になった時にベアキャットは力を求める旅に出ようと思い立った。