対応特技：《全力攻撃Ⅰ》
　前提：なし
　装備限定：アックス
　概要：ダメージ＋4　回避力に－3　刃クリティカル防護を無効化

　対応特技：《マルチアクション》
　前提：なし
　装備限定：〈光のシンボル〉
　概要：生命or精神抵抗に+2。命中or行使判定に-2。

x3 (2d+2d+2d)+(2d+2d+2d+2d+2d+2d) 人間の冒険者
DiceBot#1
((2D6+2D6+2D6)+(2D6+2D6+2D6+2D6+2D6+2D6)) ＞ (8[6,2]+5[4,1]+5[1,4])+(10[5,5]+6[2,4]+10[4,6]+8[6,2]+8[6,2]+8[4,4]) ＞ 68

#2
((2D6+2D6+2D6)+(2D6+2D6+2D6+2D6+2D6+2D6)) ＞ (8[6,2]+6[2,4]+9[4,5])+(10[4,6]+6[3,3]+8[4,4]+9[5,4]+4[1,3]+8[2,6]) ＞ 68

#3
((2D6+2D6+2D6)+(2D6+2D6+2D6+2D6+2D6+2D6)) ＞ (10[4,6]+5[1,4]+5[3,2])+(7[6,1]+5[2,3]+5[4,1]+4[2,2]+2[1,1]+6[3,3]) ＞ 49

　メリアのラグメスティ(先輩)、リカントのカルミーン、エルフのクロノと共に初めての迷宮探索に挑む。
　同行者である元冒険者の神官戦士ナバールの回復魔法による支援もあって、見事迷宮探索を成功させる。その際、報酬の分け前についてやけに低姿勢のクロノを気にする。便利屋だと自分を名乗る彼女であったが、あまりにも自分の売り込み方が下向きなのが、せっかくいい能力があるのにもったいないと思えた。自分が傷つくのを知った上で占瞳を行う彼女にハンカチを渡す。自分だって無理しているくせに。と言われた。恥ずかしながら間違っていなかった。……だから、彼女のような人がもっとのびのびと冒険できるよう、強くなりたいと願うのだった。

　今度は自分が迷宮探索の先輩として、クク(多分人間)、アリア(レプラカーン)の冒険に同行する。やはり今回もナバールの力を借りて迷宮探索に。女性陣二人の元気っぷりに圧倒されつつも楽しく迷宮探索をしていると、そこで「冒険者のツルギ」であると名乗る女性・ジーナと出会う。アルヴである彼女は、迷宮の中で暮らしているようだ。アルヴの特徴を思い出して自分のマナを吸精して構わないと申し出ると、手の甲に口づけをされ、吸われる（なおこの時まで触れればいいと思っていたので吸われるのを想定していなかった）。
「私はお前たちのツルギだ、愛して欲しい」
「ジーナの初めてはお前だ、パーシヴァル」
　ジーナの言葉が頭の中でぐるぐると繰り返される。求められたのは初めてだったので、どうしたらいいか分からなかった。
　探索終了後、ジーナは身の上のこともあり、まだこれからも迷宮で暮らすのだという。後ろ髪を引かれる思いで迷宮を後にした。

　今回は街で知り合ったリュカと、同時期にギルドに登録していたらしいアスタリクと共に迷宮に赴く。ジーナのことが気になったので、戦士の当てとして彼女を頼ることに。三日ぶりだったが、元気にしていたようで何よりだった。
　今回の戦闘ではジーナのように……しかし、冒険者を守ろうとするジーナとは正反対に、冒険者をつけ狙うごろつきに遭遇する。アスタリクの支援とリュカの回復魔法で事なきを得たが、ジーナに嫌なものを見せてしまった気がした。
　……どうやら、ジーナにとって人は「愛する」「愛さない」で区分けされるようだ。感情を多く知らないのだろう。1人浮足立っていたらしい自分に気づいて恥ずかしくなった。胸がどうしてかもやもやする。一体どうしてなのだろうか。

　実家と縁のある貴族が結婚するということで、その式に参列するため一時帰宅することに。そこで親戚たちから「君はいつ結婚を考えるのだ」と話を振られる。破局したばかりだというのにそんな話を振らないでほしい。話を聞かされ、それを断り続けている間、ずっとこれまでの冒険で出会った仲間たちのことが脳裏を過ぎった。頼れるメリアの先輩、のんびり屋の少女、海を愛する元気いっぱいの少女、空回りが多いものの常に明るかった少女、便利屋を名乗るエルフの女性。そして、迷宮で1人暮らす、アルヴの女性。
　親戚の推しの強い見合い話と両親からのお小言からようやく逃げ切った翌日、足は自然と迷宮に向かっていた。いくつかの仮面を買っていく。これでどうにかできるかは分からないが、やれることはやりたかった。
　5日ぶりに会うアルヴの女性――ジーナは、どこか不機嫌そうだった。会いに来なかったことが原因だろうか。待ちわびてくれていた。それがとても嬉しかった。「会えて嬉しい」「お前のためならなんでもやる」と言う彼女の言葉に調子が狂いそうになる。そこからもいろいろとあったが、彼女の本当の名前――ネムを教えてもらい、外に出るための準備などを済ませる。彼女にはもっといろんなものを見てほしい、経験してほしい。そう思った。
　結果としては大失敗に終わった。ジーナと初めて出会ったときの仲間であるアリア、そしてククの双子の兄であるケケと合流し、いざ街を。と言うときに、ジーナの顔が露わになってしまったのだ。迂闊だった。守ると言ったのに、守れなかった。逃げた先の下町でそのまま喧嘩の仲裁の仕事に参加したが、そこでもジーナは化け物呼ばわりされていた。辛そうな彼女に、なにもしてやれない自分が憎かった。
　ジーナを迷宮の前まで送る。最後に彼女に抱きしめられた。愛するものにはこうするのだと教わったと彼女は言っていた。自分の気持ちが、そこでようやく分かった。
　次こそは失敗しないと心に決める。そんな彼女たちとまた出かけることになるのだが、それは次のお話である。

　……しかし、本当に失敗した。いくら幼いアリアに下衆な視線が飛ばされたからと言って、自分を見失いかけるほど激昂するようでは今後が心配だ。守りたかった人たちに悲しい顔をさせてしまった。
　もっと強くなりたい。

　この二日間は目まぐるしかった。
　たまたまぶつかったエルフの女性に、やたらと気に入られてしまった。別に何もしていないのに、なぜなのだろう。それを見ていたククはやたらと誤解をしてくるし……。少し疲れた。
　エルフの女性――テレサは不思議な人ではあった。明るくひょうきんなのかと思いきや、突然冷静になるし、それでいてこちらを振り回そうとしてくるし……少し調子が狂う。
　宿屋で眠る前に、不動産屋でもらったチラシを眺める。医院を作るなら、戸建てがいいなと思ったが、かなり高い。これを貯めるまでに、一体あとどのくらいかかるのだろう。
　迷宮でいつも一人過ごしているだろうジーナのことを思い出す。できることなら早く外に連れ出したい。彼女の意思も待ちたかったが、それでいつまで経ってもではお互いに前に進めないだろう。
　……彼女がこれを受け入れてくれるといいのだけれど。

　迷宮探索を1人ではできない。かと言って、ただ金が欲しいと言うだけでギルドの人を誘うのも憚られる。
　何度か迷宮探索に引率してくれた傭兵のナバールを頼り、傭兵の募集に参加したのだが……なんというか、やらかした。ククがいたのだ。まぁ言われる言われる。というか何故自分が二股をしているようなことを言われなければならないのだ。テレサとはそう言う関係ではないと説明した（ジーナともまだそういう関係ではないと言ったが、果たして伝わっているのだろうか）が、どれだけ理解してもらえたのだろうか。
　同行したケイ、ノワールとも上手くコミュニケーションを取れたとは言い難い。少なくとも、あの二人とは二度と冒険をしない方がいい可能性もある。というか、2人も自分を避けるに決まっている。特にノワールは……彼は、苦手だ。言われたくないことを全部言われた気持ちになった。きっと図星だし、当てはまっていることも多々あるだろう。けれど、ジーナを、ネムを愚弄されたのは、許せなかった。事情を話していない自分が悪いのは重々承知しているが、それでも、あんな言い方をする必要がどこにあったのだろうか。ククともう一人の同行者――ベアトリスには、本当に悪いことをした。
　……どうにか欲しい金額は貯まった。ギルドに少し顔を出しづらいが、ケケやクク、アリアと一緒に行くという話になった旅行のこともある。ネムを誘おうとも言われている。行った方がいいだろう。それでどんな視線を受けようとも、それは自分の招いた結果だ。いくらでも甘んじて受けようと思うべきだろう。
　迷宮を出る前に、ネムに会いに行った。彼女はまだ外に出るのを怖がっていたので、ほんの少しの時間を共に過ごした。いろいろな話を聞いた。どんな感情が乗っているのかもまだ分からないが、自分と過ごすことで彼女の心が解れるのなら、それでいいと思った。
　ちゃんとしなければ。彼女を守れるように、自分も守れるように。自己満足じゃなくなるように、自己陶酔などと言われなくなるように。