容姿・経歴・その他メモ

経歴1-3:子供の頃に家出したことがある
経歴4-4:両親に愛されて育った
経歴6-5:飛空船に乗ったことがある
理由5-6:他に生き方がなくて

「レプラカーンになんて生まれるべきじゃなかったのかもね」
メイが自身の半生を述懐するとしたら、その始まりはそんな言葉から紡がれることだろう。
他者に触れあおうとせず、隠れ潜むように生きる。
好奇に溢れ、知らないものや人との交流を好むメイにとって、そのような生き方は籠の中で一生を終える鳥にも等しいものだった。

幼少の折に家出をしたのは、そのような生き方に準ずることをどうしても認められなかった反骨心からだ。
人里に下り飛空船に目を輝かせ、ひょんなことからその船に乗ることになり、そこで自分の住む世界を眺望した時、メイは自身の生き方を冒険者に定めた。
同族への、両親への愛はある。
しかしながらこの世界に対する好奇と、その憧れを止めることは出来ない、と。

成人となる誕生日の夜、祝福してくれた皆が寝静まったころ、メイは村を出る決意を固めた。
家族や友人に別れを告げることはしなかった。反対されることが億劫だったのか、情によって決意が鈍ることを嫌ったのか、奇異の目に晒される勇気がなかったのかは、未だに分からない。

蒼い月明かりを頼りに寝床を抜け出し、自身の部屋の扉を開けたとき、何か妙な引っ掛かりを覚えてメイはその目を見開いた。
部屋の前に贈り物が置かれていたからだ。

それは冒険者として身を立てるに足る金子と衣服、一揃いの道具。
人知れず旅に出ようとするメイを激励するみんなからの手紙と、一葉の写真。
憧れを隠し通せていると思っていたのはメイだけだった。
懇意にするものは皆、メイの背中を押してくれていたのだ。

「いってきます」装いを新たに、一言だけ告げてメイは家を出る。
その足取りは自分が描いていたものよりもずっと軽かった。

メイが自身の半生を述懐するとしたら、その始まりはきっとはこんな言葉から紡がれる。
「レプラカーンになんて生まれるべきじゃなかったのかもね。だけど、それでも、生まれて良かったと思ってるんだ」

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