容姿・経歴・その他メモ

【経歴表】
■魔物を倒したことがある
■魔剣の迷宮で迷子になったことがある
■規律の厳しい環境で育った
【冒険に出た理由】
■友達に勧めれて


テツヤの故郷は、スフバールだった。
騎士の家系に長男として生まれ、厳格な父と躾の厳しい母と、2人の弟。一般的な家で、しかしテツヤはその家に生まれたことを幸せだと思ったことは1度もなかった。
ナイトメアだった。ただそれだけの理由で、テツヤは忌避され劣等種として扱われ、食事も満足に与えられない。それなのに、家に居続けるために作法や振舞いを誤ることは許されない。褒められることなど一度たりともない、ただ叱られるだけの生活。
そんな生活から、当たり前のように逃げ出そうと家を飛び出した。何もかも要らねえんだよと、唾棄して捨て去った。

そして反抗を続けるように、テツヤは堕落した生活を送り続けた。男も女も見境なく抱き抱かれ、やがてそれを生業に日々の糧を得る。商売道具の身体はなるべく需要があるよう鍛えて身綺麗にし、やがて客を選べるほどの立場になった。
いつまでも老いないナイトメアであることを、最大限武器にして、何度も何度も身体を売り出す。やがて客の方からテツヤを求めるようになり、テツヤが客を選べるようになった頃。
客の1人からとある話を耳にした。

ウルシラの中でもザムザスカに近い森の中に、金銀財宝が眠る遺跡があるらしい。腕っぷりに自信があるなら寄ってみたらどうだ？と。
別に一般的に冒険者と比べられるほどの身体能力はない。だが金銀財宝の話は魅力的だ。盗賊ギルドで裏付けをとったら信用出来る話のようで、テツヤは剣を取って遺跡に向かった。

後から知ったのだが、その遺跡は俗に言う「魔剣の迷宮」だったらしく。その魔剣の性質からか、たしかに迷宮内部に価値のあるお宝が大量に転がっていた。
どうやら次から次へと財宝が湧くらしい。その割に、そこまで人が来ていない。殺到しない理由があるんだろうなと、そう上手い話はないとテツヤは考える。
案の定、他の者が突っ込んで行った先で番人のような魔物に襲われていた。どうやらアレは財宝に触れたものを襲うらしい。
手が出せそうにないなと思っていたところで、傍らに女がやってきた。

一笑千金。
もしも夜の街にいたのならば、その見目麗しさに客が殺到しそうなほどの美しい、神官の出で立ちをした金髪の女だった。彼女は長い睫毛を伏せ、しなやかな人差し指を立てて息を飲むほど鮮やかな紅の唇に触れる。
声を立てるな、という意味らしい。

テツヤは、その眩いほどの美しさと淑やかな所作に心を惹かれ、同時に畏怖を覚えた。外見という才に恵まれた、潔癖な神官の女。彼女を見ているだけで、自分が如何に汚らしい存在かと思い知らされるようだった。
ただ指示に逆らって声を出す理由もない。テツヤは彼女に従うと、ほどなくして別の一行が別ルートから番人に挑み、散っていった。それを確認するが否や、彼女はこくりと小さく頷き、行きましょう、と力無く可憐な声で呟き飛び出して行った。
まだ番人は動ける。テツヤはぎょっとして、思わず後を追った。

その後は、テツヤの予想を遥かに超える展開が待っていた。
その神官の女、なんとその細腕から信じられないほどの膂力を以て弱った番人へ立ち向かった。ハルーラ神の導きを阻害する愚者とかなんとか宣いながら。
だが流石に1人ではどうにもなっていないようだと、テツヤは加勢する。結果、番人を打ち倒し財宝を手にすることが出来た。

その女…クリミア・エバーライフと言った人間の女と財宝を等分した。そして何故か、そのまま付き纏われることになった。
この女、ハッキリ言ってヤベェやつだった。ほんとに神の声が聞こえているのか電波なのか判別できないが、その声に付き従うためならば障害など全て吹き飛ばし進む。なまじ外見がいいだけに、哀れにも引き寄せられ轢き潰される輩が後を絶たない。

危険察知は優れている方だという自負はある。早々に見切りをつけ離れようとしたが、クリミア曰くハルーラ神の導きにより、この俺を導き救いなさいという啓示があったと言い離れない。撒こうにも、本当に神の導きなのか行く先々で遭遇する。
トラブルを手土産に。

結局、手に入れた財宝もお互いほとんど底をつきかけたところでテツヤは折れた。両手を挙げて、好きにしろと吐き捨てた。
クリミアはいずれこうなると分かってましたと、美しく笑う。どついてやろうかと思ったが、損しかしそうにないので諦め、その導きとやらで何処へ連れていくのかと問うた。

クリミアはにっこりと微笑む。
彼女がテツヤを連れていったのは、激戦地区であるザムザスカにほど近い、鉄の剣という古い冒険者ギルドだった。

履歴

成長P 1点
プロスティチュートレベルアップ -5点

セッション履歴

収支履歴