エスデス・ヒスゾマットは由緒正しい傭兵稼業の一人息子だった。
とても厳格な家庭で育った彼の幼いころの日課は父親と師からの徹底的なシゴきであり、
どんな傷を負ってもプリーストである母親に治療されていたため、彼には逃げ場がなかった。

日に日に増える心の傷から己を守る方法、それは一つ。”傷”を”快楽”に返ることだったのだ。

エスデスがマゾヒストに目覚めたのは15歳の時。父も母もエスデスの恥ずかしい癖（性癖）を知らない。
だが、エスデスはマゾヒストであると同時に屈強で素晴らしい傭兵であった。

仲間のピンチは必ずかけつけ守り、巨大な剣で敵を切り裂く、その実力は傭兵部隊の中でも頭一つ抜けており、エスデスは誰もが認める最高のファイターだったのだ。

そんな彼の細やかな愉しみは、相手の攻撃を受けることだった。
雇われ傭兵の彼の相手はいつだって人間やドワーフ、リカントの戦士だったが、
いつしか彼はこう思うようになった。
（蛮族とか、大きな魔物に殴られたら……オレ…どうなっちゃうの～～～～♡）

これが幼いころから娯楽はなく、鍛錬にいそしみ続けた彼の性癖であり、趣味であり、すべてだった。

だがそんな変態性癖を他人にしられるわけにはいかない。
彼は”最高のファイター”だ。

今日も彼は誰よりも前に立ち続ける。
その恍惚に塗れた表情をだれにも見られないために、より高い快楽をえるために。前衛を続ける

”もっど気持ち良い攻撃でしばかれｯたぁあああ♡♡あ♡あ♡あ♡あ♡あ♡イ”ィｯ”