渇望の戯曲『魔弾の射手』(レガシー・フレイシュッツ)
- 知能
- 人間並み
- 知覚
- 五感(暗視)
- 反応
- 不明
- 言語
- 交易共通語、地方語<ウルシラ>、魔動機文明語、魔神語
- 生息地
- さまざま
- 知名度/弱点値
- 16/19
- 弱点
- 命中力+1
- 先制値
- 16
- 移動速度
- 35
- 生命抵抗力
- 14 (21)
- 精神抵抗力
- 14 (21)
攻撃方法(部位) | 命中力 | 打撃点 | 回避力 | 防護点 | HP | MP |
---|---|---|---|---|---|---|
魔銃 | 13 (20) | 2d+12 | 11 (18) | 8 | 124+45 | 68+9 |
特殊能力
○剣の欠片=9個
適用済み。
○魔弾の射手
魔銃は「射程:∞」「装弾数:∞」のカテゴリ<ガン>の武器として扱います。
また、戦闘特技《◯ターゲッティング》《◯鷹の目》を習得し、あらゆる障害物や遮蔽、「○攻撃障害」やそれに類似する能力などを無視して、この魔物が指定する対象に遠隔攻撃を行えます。
○睥睨する悪魔の瞳
この魔物が行う遠隔攻撃は、命中力判定を行わずに「必中」として扱います。また、この魔物が発生させるあらゆるダメージは、いかなる効果による無効化や軽減を無視して合算ダメージの算出を行います。
▶魔動機術Lv9/魔力12(19)
○☑魔法適正
《ターゲッティング》《鷹の目》《魔法収束》《魔法制御》を習得しています。
○契約の代償
この魔物の主動作による攻撃が6度目の場合、この魔物の打撃点が「+66」され、攻撃対象が全てのルールを無視して「フィオレンツァ」になります。
その後、この魔物は戦闘から離脱します。
≫クイックドロウ/命中力/回避力/消滅
短銃で高速射撃を行います。「射程:10m」で対象「1体」に「2d+6」点の魔法ダメージを与えます。
この能力で行う攻撃の装弾数は「3」で、装弾数が「0」の時にこの能力を使用した時はリロードを行い、その手番中はこの能力を使用できません。
また、この能力で攻撃を行う対象は、主動作で攻撃を行う対象と可能な限り異なっていなければなりません。
○戯曲の魔域
この魔物に対する知識を得ている数だけ、この魔物ステータスや特殊能力が変化します。
「記録A~G」「紙切れA・B」の取得した数に応じて、以下の通りです。
記録数1:すべての打撃点-4、魔力-4
記録数2:防護点-4
記録数3:命中力・回避力-4
記録数4:知名度/弱点値・先制値-4
記録数5:「~バレット」系の魔法の使用比率が2ターンに1回になります。
記録数6:「≫クイックドロウ」の最大対象指定数が2体までになります。
記録数7:「~バレット」系の魔法の使用比率が3ターンに1回になります。
紙切れ1:「○睥睨する悪魔の瞳」の「軽減効果を無視する」効果が消失します。
紙切れ2:「○睥睨する悪魔の瞳」の効果が全て消失します。
しかして、魔神となった者は、滅びを見ない。悪魔はまた、どこかで嘲笑う。
戦利品
- 自動
- 大悪魔の血晶(1600G/赤S)
解説
【全ての記録と紙切れ】
『記録A』
始まりは10年前だった。子供時分の私の網膜に焼き付いた光景は、凄惨で、それでいて美しい色だった。
私の生活は充分なものだったと思う。しかし私の生活は、色がなかった。渇いていた。
だからこそ、眼前に広がったその色は、私には鮮烈だった。私を満たした。
だが、それは長く続かなかった。私を満たしていたその色は消え失せた。何よりまた渇いたのだ。私を満たしたその色だけでは、私には足りなかった。
だから、私は私がどう生きるべきなのかを知った。
叶えてはならない憧憬だとしても、手を伸ばさずにはいられなかった。
『記録B』
私の求めるものには、比較的早く手が届いた。街の在り方と家の裕福であったことが、私の背を押していた。
私の求めに、両親は喜んで後援してくれた。周囲もまた称賛していた。だから私は何不自由なく、目的へ向かって進み続けた。
同じ方向へと進む友人。私を支えてくれる仲間。彼らと共に、私は騎士となった。
これで良い。まずここに立たなければ。
剣を握る友。槍を振る仲間。私が手にしたのは、一挺の銃だった。
『記録C』
この街は良い街だ。前へと進む人々は、絶望に屈さず希望を求めて抗い続けている。
だからこそ、その色は何度も私の前に映し出された。今度は眺めるばかりではない。私もまた、その色を生み出している。
なんとも言えない高揚感だった。生きていると実感した。この頃の私は漸く、その色の果てで笑い合う仲間たちと同じ様な笑みを浮かべられていた。
そうだ、これで良い。これが良い。私の求めたものは此処にある。私の前には鮮明に色が広がっている。
なのにどうして、この渇きだけは満たされないのだろう。
『紙切れA』
その魔神が欲するものは、とどのつまり絶望である。
絶望は心を蝕み、前へ進もうとする意志を失わせる。
何も感情を抱かなくなり、魂は汚れ、魔神の嗤う地獄へと堕落する。
それこそ、その魔神が人殺しのようなわかりやすい悪業に専念せず、絶望している人々を眺めて楽しんでいる所以である。
それは俗に「魂を悪魔に売った」と言われている。
魔神は、悪魔と称された。
『記録D』
騎士となってから数年が経過した。私の眼の前に広がる色は、次第に鮮やかさを失い、滲んでいく。渇きは増すばかりだ。
望みは叶っている。両親は私を誇らしげにしているし、友人は私を頼もしく思い、仲間は私を称賛し、愛し合う者も傍に居る。
順風満帆以外の何でもない。それだというのに。
皆と共に進んでいた私の歩みは、いつの間にか止まってしまっていた。
『記録E』
そんな渇いた日々で、私はある魔神に出会った。
魔神は何の気まぐれか、私に一挺の銃を押し付けた。その銃は素晴らしい性能ではあったが、魔神はそれを契約だと言った。
「6度弾丸を放つ度、その銃はお前の最愛の者を撃ち殺す。」
私は、街を去る決意をし、契約の履行のため付き纏う魔神と共に、自ら去った。
『記録F』
私は各地を巡り歩き、魔神や蛮族、犯罪者などを中心に撃ち殺し続けた。
人は私を正義の狩人と称える。人は私を血腥い戦闘狂と恐れる。
しかしそれでも良い。私は別に、善意でそうしているのではないのだから。
あれから幾度も弾丸を放ったが、それは決して違えることなく対象を撃ち貫いた。
銃から放たれる弾丸が、私の狙った者以外を貫くことはなかった。
いつの間にか、魔神は私の傍から消え去っていた。
『紙切れB』
悪魔はある男に武器を授けた。狙ったものを必ず撃ち貫く代わりに、幾度か放てば使う者の最愛の者へと弾丸が放たれる武器だった。
その武器を、男は迷うこともなく受け取った。そして、呪いとも言える契約を聞いた男はすぐに、自らの愛する者全てを撃ち殺した。
それから男は、悪魔にこう言い放つ。
「この銃はお前の言った通り、本当に何にでも当たるな」と。
悪魔は満たされた。
『記録G』
私がもはや人でなくなったことに気付いたのは、すぐのことだった。
あの魔神はもう居ない。当然だ。魔神は人を陥れる。人でなくなった私に付き纏う理由はもうない。
私の放つ弾丸は、変わらず何者をも撃ち貫く。いつまでも、何度でも。
ああ、やっと。
───悪魔は、満たされた。