容姿・経歴・その他メモ

　幼い頃、大病を患った一人の少年。小さな村に神聖魔法を使えるような神官は居ず、日が経つにつれ少年は痩せこけていった。
　そんな少年を救ったのは、偶然村へ立ち寄った一人の医者だった。
　適切な治療、調合された薬、そして彼の少年へ向けた励ましの言葉。医者の力によって少年の容体はみるみるうちに良好になり、外を駆け回れるほどまでに回復した。
　少年が彼に憧れを抱くのは当然のことだろう。暫く村に滞在し、小さな診療所を構えた医者は日々病や体調不良に悩む村人の力となり、また少年は助手として彼を手伝った。
　医者が村を去り数年後、成人した少年は先の診療所で医者をしていた。すべてとはいかないものの、恩人が残した書記や手伝いの経験で身につけた知識・技術を彼は惜しみなく村人たちのために使った。村に貢献していることでの人気と性格の良さ。そんな彼に恋をした女性が現れ、彼に恋人ができるのも当然のことだろう。
　しかしある日村の周辺で発生した魔域内で不幸にも迷い込んでしまった恋人が、魔神の持つ未知の病毒に侵された。
　魔神は依頼を受けた冒険者たちによって討伐されたが、長く病毒に侵されていた彼女の回復は冒険者たちでもなんとかすることができなかった。それでも彼は必死に彼女を看病し、持てる知識・技術全てを使って病と闘った。だが健闘虚しく、大雨の中彼女はこの世を去った。
　それから彼は荒れに荒れ、部屋に籠もるようになった。何をするにも気が入らないのだ。
　しばらく時が経ったある大雨の降る日、偶然恩人が残した書記が机から落ちた。久しぶりに手に取ったそれを彼は読み始める。思い浮かべるのは恩人が村人たちを治療する姿。病や体調不良が治り喜ぶ村人の姿。そして真摯な顔で自分を励ましていた恩人の姿────
　気がつけば彼は外に出ていた。あの日と同じ大雨の中、もう二度と患者を死なせないと。そのために必要なまだ見ぬ知識・技術を身につけようと。彼は決心した。

　あの日から数年後、神聖魔法も囓った彼は自分が知り得る中でもっとも大きいギルドの扉を叩いていた。ここならば自分の欲するものがあると信じて。

履歴

割り振り作成

大病を患ったことがある
誰かを救ったことがある
大きな挫折をしたことがある
冒険に出た理由：見聞を広げるため

セッション履歴

収支履歴