親のことは覚えていない。
気がついた時には誰かの下に飼われていた。お前は売られたのだ、そう言われてそんなものかと信じた。

なにかあるたびに主は変わる。呼び名を貰うこともあった。

何度目かに変わった主の娘と仲良くなった、と思った。名前と、ほんの少し、幸せを貰った。
そのせいですぐに捨てられることになるとは思いもしなかったが。

半死半生で捨てられた森でドルイドに拾われた。
その時名乗った名前は今までに貰った名前で、それがそのまま自分の名前になった。
ドルイドは主にはならず、色々教えてくれた。文字や計算も教えてもらっている。
口調は拾ってくれたドルイドをまねているうちに自然に出るようになっている。
ドルイドは3年ほどで死んでしまった。
死に行く彼の手をずっと握っていることしかできなかった。
ベッドで死んだ彼をどうにか土に埋めて、自分もそのままドルイドとして生きることにした。
だがある日、森の中にあった小屋は壊れた。経年劣化と言うやつだ。外にいたのは不幸中の幸いだったかもしれない。
途方に暮れたまま町まで行った。しかし金もなく、知り合いもいない。そんな中で魔導列車を見た。
《星空の赤龍亭》。ギルド員を募集しているらしい。金も住処もない。人と関わりたくないし冒険者もギルドもよくわからなかったが、乗るしかなかった。
それまでの彼は武器を握る機会もなかったが、何かできることはないかと教えてもらい、必死に覚えて今のカイになった。

最後に主が変わった時、その娘に気まぐれに貰った指輪が幸せの記憶で、今でも宝物だ。
カイは気まぐれだ、と思っている。愛されていたと信じるには短い時間しかいられなかった。

ドルイドの教えと5年以上経っている幸せの記憶が、今の生きる原動力になっている。
最初は、娘に再会できた時に渡せたらいいと思って始めた木彫りだが、いまでは一緒に組んだ仲間に渡せたらいいと思って丁寧に受益者のシンボルを作るようにしている。子供向けのおもちゃやチェスの駒も作っているようだ。
シンボルを入れる袋にも刺繍したりと、凝りだすと止まらない性格なのかもしれない。

カイには姓はない。3つある名前は全て飼い主につけられた。3つ目だけは好きになったあの娘がつけただから大事な名前だ。

「ああ……俺かな。俺はカイとかヴィンセントとかアールグレーンとか呼ばれるよ。どれでもいいんだ。どれも名前だからね」
「ドルイドです。よろしくね」
にこっと笑う。
「前にも出られるし、がんばるよ」

イメージソング
カンザキイオリ「自由に捕らわれる。」

下記の魔法行使時消費MP/5(端数切り上げ)分減少。
《MP軽減/ドルイド》は【プランツヘヴン】適用後。最低1。
《MP軽減/ドルイド》適用で下記に変更。
【バッドスチーム】：1
【ソーンバッシュ】：3
【スタップボーンサバイバー】：3
【リプロデューサー5/10】：3/6
【ランインターフェア】：5
【カウンターソーン】：3
【テンタクルカバレッジ】：3
【ライトトラッパー】：6
【プラントリグロウ】：19
【サイケデリックスポア】：12
【ツリーホロウゲート】：7
【マインドプロテクター】：4
【ギフテッドプラント】：5
【サプレッシングゲイザー】：5(追加消費分にも有効)
【オールダウン】：11

2～3エリア(半径10m) 術者中心 必中
回避力判定-1。接地していなければ無効。

1エリア(半径10m) 1体X 必中
接触したものに確定ダメージ。
1R毎に1点。6Rまで加算し続け、最終的には6点ダメージになる。

1体 1エリア(半径10m)/起点指定 任意
戦闘特技≪カウンター≫を与える。
≪カウンター≫を習得済みのものには影響を与えない。
≪カウンター≫は使用されたらこの魔法は解除される。

術者　術者　永続　任意
術者の知識の中にあるもの限定だが、任意の樹木になる。
装備品、所持品はその場に落ちる。
一切の移動ができない。動作も【ジョインネイチャー】を解く以外はできない。
「知覚:魔法」となる。周囲は認識できるが言葉を発することはできない。
思索は可能。
精神感応(ティエンスの通じ合う意識、グラスランナーの虫や植物との意思疎通など)
を利用すれば外部との意思疎通が可能。寿命は半永久的だが伐採、火災、干ばつ、病虫害は受ける。
HP、生命力判定、精神力判定は術者のものを使用する。樹皮による10点の防護点がある。
回避は不可。
術者が自らの意思で魔法を解除する場合は精神力判定する。
目標値は最初「20」で6:00を迎える度「1」ずつ増加する。判定は1日に1度だけ可能。
樹木でいる間は元の種族としての年を取らない。魔法が解除された場合、行使時と同じ肉体年齢を引き継ぐ。