容姿・経歴・その他メモ

プロフィール

義に猛り、悪を憎み、弱者に代わってその身命を賭す熱い男。
知識はあるが智慧に欠け、思慮はあるが熟慮に欠ける。それでも猪突猛進に正義のために拳を掲げる男。
元来無頼で、拳以外の方法で生きる術を知らないため、アウトローの用心棒まがいのことで糊口を凌いでいる。鉄道警備隊に転がり込んだのも、そのような縁である。




――「師父よ！　なぜ俺を連れて行ってくださらなんだ！？」




メルツェル・アールマータは生前のアールマータによって製造された戦闘型ルーンフォーク群『アールマータ・チャイルド』の｜打ち止め個体《ラストナンバー》です。

のちに機甲神として大神に昇るアールマータは、蛮族との戦いのために多くの武器を製造しました。そのうち、特別にチューニングされた戦闘型ルーンフォーク群は『アールマータ・チャイルド』として後世に名を残しています。
しかしそのチャイルドのなかには、魔動機文明時代の末期の大破局を迎えてもカプセルの中で眠り続けていた個体がいました。打ち止め個体として最後に製造された彼、メルツェル・アールマータがそうです。

大破局から300年以上が過ぎ、カプセルの摩耗によってついに目覚めたメルツェルは悲嘆にくれました。戦いのために生み出されたはずの自分はしかし、創造主たるアールマータの戦いに同道できなかったことを知ったからです。
主はすでに天に昇り、時代は移ろっています。メルツェルのプログラムにインプットされた多くのコードはすでに時間の奔流に飲み込まれ、ですがただ彼の構造の中核にある戦闘技術、魔動機文明時代に興った最強の武『ネオカラテ』だけがなおも――方尖柱が過去を現代に投射するように――燦然とその存在感を残していました。

彼は歩み始めました。なぜ自分は主に置いていかれたのか。なぜ自分は今になって目覚めたのか。その理由を探すために。
彼は興味を持っています。時がどれだけ流れようと、ラクシアの歴史にうねり続ける唯一不変のもの……つまり争いについて。強い者について。
彼に残っているものは、己の拳と武技だけです。滾る闘志がその手を握りしめさせ、父にして母にして大いなる師父たるアールマータが遺した正義のコードが彼を今日も戦いに駆り立てるのです。

ですが、気が付いているのでしょうか？　師父アールマータはパラベラムの体現者であり、平和主義者でした。その信念は戦いを強く諫めるものだったのです。にもかかわらず、メルツェルはいまや戦いの中に己の居場所と、あまつさえ安息すらをも見出そうとしているのですから。

――「燃えろ、俺の命よ！　弱き者を守るため！　この一撃が悪を討ち、この一撃が民を守る！　師父よ、ご照覧あれ！　今、星屑とならん！」

ばとるろぼっと「めるつぇる」　せいのうかいせつ

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