由来・逸話

　ガンと槍を組み合わせられた高機能魔動機＿＿＿と言うにはあまりにも重たい。ガンの銃身はガンというよりもザーレィが持つ大砲を人がなんとか持てるようにスケールダウンさせたものであり、剣のような持ち手を付けた大砲といった方が正しいのかもしれません。その手持ち大砲に重厚な刃をつけたのが、この試作壱○号戦術歩兵武装です。
　コンセプトは「遠近問わない対応力」。近距離では強靭な武器と成り、盾となり、遠距離では苛烈な銃砲として運用できるように設計されました。重厚な刃を振れば、魔神の強固な装甲を切り裂き、銃としては通常の銃と比べれば小回りが効きづらいですが、銃として問題なく扱えることでしょう。持つことさえできれば。

　試作品どまりだった最大の欠点は、一般的な兵士では持つことができないことに限ります。機能を持たせ過ぎた故に、一般的な兵士では持つことがやっとな状態で、これを振り回し、あまつさえ銃として扱い標的を狙うにしては困難を極めます。
　これを持つことができたものとしても、この武器の本領を発揮するには銃の扱いにも長けていなければなりません。これを振り回すのであれば、もっと良い武器が存在しているという言うまでもありません。

　もしも、これを振り回すことができるモノがいれば、それは英傑であり怪物の類であると設計者は語っていたことでしょう。