【マリーシー九字印法】
(ウルシラ地方)- 入門条件
- 50名誉点
アルフレイム大陸北東部に位置するウルシラ地方に、ハールーン魔術研究王国(『Ⅲ』295頁)という古代魔法文明時代より魔術の研究が続いているとされる国があります。この国では古代魔法文明時代より、発声と中空に魔法文字を描く動作とは別の手段で、真語魔法や操霊魔法を行使する手法を研究するマリーシーと呼ばれる一派が存在しました。それは、ナイトメアが[異貌]により、発声と中空に魔法文字を描く動作が不要で魔法を行使できることにマリーシーの創設者が着目したことが切っ掛けと言われており、その研究のために数多のナイトメアが犠牲になったとの説もあります。結局、ナイトメアの[異貌]の能力を流用する手法は完成しませんでした。しかし、研究の過程で手と指の動きで発声と魔法文字を描く動作の代わりとする手法を発見しました。そこから、マリーシーはその手法を研究し洗練していき、生み出した九字切りという手法を持って、発声不要の魔法行使を可能にしました。この手法を知った当時の国王は、発声が不要ということから諜報活動に活かせると考え、密偵部隊にその手法を教えるよう命じ、同時に諜報活動に利用できる魔法の研究も指示しました。そうして、九字切りで行使する独自の魔法がいくつか編み出されました。これが【マリーシー九字印法】で、独自魔法を九字印法と呼びます。この技は、〈大破局〉の混乱の際に国外に流出し、対蛮族の諜報活動にも活用されました。〈大破局〉以降は、一部の魔術師ギルドや遺跡ギルド(盗賊ギルド)で受け継がれてきました。これにより、今ではこれらのギルドに所属していれば50名誉点で入門可能です。
流派装備
このアイテムは、「部位:その他」に装備することはできず、装備するときには「部位:右手」「部位:左手」のどちらかに装備されます(基本的に利き手側に装備)。
この手袋を装備したキャラクターは、両手とも武器、盾の非装備、アイテムの非保持で、【マリーシー九字印法】流派秘伝の使用条件を満たします。このアイテムは、〈魔法の発動体〉です。
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
印用手套 | 15 | 装飾品:手 | 400 +20名誉点 | 【マリーシー九字印法】流派秘伝を使用可能にする |
秘伝
《九字切り》
- 必要名誉点
- 20
- タイプ
- 常時型
- 前提
- なし
- 限定条件
- 〈印用手套〉 武器、盾、アイテム非保持
- 使用
- ソーサラーorコンジャラー技能
- 適用
- -
- リスク
- -
- 概要
- 10秒(1ラウンド)以内で行使できる魔法文明語による魔法を印を結ぶことで発声不要にする
- 効果
この秘伝は、魔法文明語による魔法(真語魔法、操霊魔法、深智魔法)で、10秒(1ラウンド)以内で行使できる魔法に限り、〈印用手套〉を装備した手で「九字印」という九種類の印を組み合わせて結ぶこと(「九字切り」と言う)で、発声(呪文詠唱)を不要とします。この印を結ぶ行為は、中空に魔法文字を描く動作の代わりにもなっています。そのため、両手を合わせて指を自由に動かすことができれば、それ以上の腕の動作(自由)は必要ありません。両手で印を結ぶ必要があるため、両手とも武器、盾を装備していてはなりませんし、アイテムを保持していてはなりません。但し、「用法:1H拳」の武器は例外的に、この秘伝の使用条件を阻害しません。
《早手切り》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 《ダブルキャスト》変化型
- 前提
- なし
- 限定条件
- 《九字切り》
- 使用
- ソーサラーorコンジャラー技能
- 適用
- 1回の魔法行使
- リスク
- なし
- 概要
- 本来行使できるレベルの2/3で2つの魔法行使、2つ目の魔法は魔力-10
- 効果
この秘伝は、主動作として魔法を行使するときに宣言します。《九字切り》での魔法行使が条件です。素早く印を結ぶことで、1回の主動作で2つの魔法を行使します。行使できる魔法は、2つとも「本来行使できるレベル、ランクの2/3(端数切り上げ)」のものに限られます。また、2つ目に行使した魔法は、魔力を-10(最低0)した値で処理されます。
本来行使可レベル3 →《早手切り》行使可レベル2
本来行使可レベル4 →《早手切り》行使可レベル3
本来行使可レベル5 →《早手切り》行使可レベル4
本来行使可レベル6 →《早手切り》行使可レベル4
本来行使可レベル7 →《早手切り》行使可レベル5
本来行使可レベル8 →《早手切り》行使可レベル6
本来行使可レベル9 →《早手切り》行使可レベル6
本来行使可レベル10 →《早手切り》行使可レベル7
本来行使可レベル11 →《早手切り》行使可レベル8
本来行使可レベル12 →《早手切り》行使可レベル8
本来行使可レベル13 →《早手切り》行使可レベル9
本来行使可レベル14 →《早手切り》行使可レベル10
本来行使可レベル15 →《早手切り》行使可レベル10
《素手切り》
- 必要名誉点
- 50
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 《九字切り》
- 限定条件
- なし
- 使用
- ソーサラーorコンジャラー技能
- 適用
- -
- リスク
- -
- 概要
- 〈印用手套〉なしで《九字切り》を可能とする、魔法行使判定-1
- 効果
この秘伝は、素手に〈印用手套〉に用いられている魔法円を特殊な手法で刺青として彫り儀式を行うことで、〈印用手套〉なしでも《九字切り》を可能とします。この秘伝の習得者は、〈印用手套〉と同等の効果を得るものとして扱い、その素手が〈魔法の発動体〉となります。《九字切り》を行う際は、両手とも武器、盾の非装備、アイテムの非保持が必要なのは同じです。この秘伝による素手で魔法を行使した場合、魔法行使判定に-1のペナルティ修正を受けます。別途、〈魔法の発動体〉を装備している場合は、このペナルティ修正は受けません。
《破魔切り》
- 必要名誉点
- 50
- タイプ
- 《ワードブレイク》変化型
- 前提
- 《魔法拡大/距離》or 《魔法拡大すべて》
- 限定条件
- 《九字切り》
- 使用
- ソーサラーorコンジャラー技能
- 適用
- -
- リスク
- なし
- 概要
- 《ワードブレイク》を「射程:10m」で使用可
- 効果
この秘伝は、《九字切り》を用いることで、《ワードブレイク》を「射程:10m」で使用できます。
秘伝魔法
下記の魔法は、九字印法と呼ばれます。九字印法は、ソーサラー技能またはコンジャラー技能で行使できる魔法で、使用できる九字印法のレベルはその技能レベルで判断します(どちらか高い方)。習得には対応する名誉点が必要です。魔力は、真語魔法または操霊魔法のものを使用します。真語魔法、操霊魔法どちらも使用できるなら、高い方の魔力となります。魔法の分類が必要なときは、「真語魔法かつ操霊魔法」として扱います。
九字印法の行使には、《九字切り》の習得と使用が必要です。
- 1
- 【衣嚢殺の印(いのうさつのいん/ピックポケット)】
- 必要名誉点
- 20
- 消費
- MP3
- 対象
- 1体全
- 射程/
形状 - 3m/
射撃
- 時間
- 10秒(1ラウンド)
- 抵抗
- 危険感知/消滅
- 概要
- 相手に気付かれずに物品や所持金をスリ取る
- 効果
この魔法は、《九字切り》でのみ行使可能です。魔法による見えない手を伸ばし、スリ判定と同様に、相手に気付かれずに物品や所持金をスリ取ります。対象は危険感知判定を行います。魔物データ形式のキャラクターを対象にした場合、対象は「魔物レベル」を基準値として危険感知判定を行います。対象の危険感知判定の達成値が術者の魔法行使判定の達成値より4以上高いときは、スリ行為が露見します。この魔法の「射程/形状:3m/射撃」は、基本戦闘では「射程/形状:接触/―」とします。
- 3
- 【跫音殺の印(きょうおんさつのいん/ハイダー)】
- 必要名誉点
- 20
- 消費
- MP4
- 対象
- 術者
- 射程/
形状 - 術者/
―
- 時間
- 10分(60ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 概要
- 隠密判定を魔力を基準値に行う
- 効果
この魔法は、《九字切り》でのみ行使可能です。術者は、効果時間中に行われる隠密判定を自身の魔力を基準値に行えます。
- 5
- 【縄結殺の印(じょうけつさつのいん/アンタイ・ロープ)】
- 必要名誉点
- 30
- 消費
- MP2
- 対象
- 物体1つ
- 射程/
形状 - 接触/
―
- 時間
- 一瞬
- 抵抗
- なし
- 概要
- 結ばれている紐やロープを解く
- 効果
この魔法は、《九字切り》でのみ行使可能です。結ばれている紐やロープを一瞬で解きます。どんなに固く結ばれていても解くことができますが、魔法で結ばれているものは達成値の比べあいが必要です。また、鎖など金属製のものは対象外です。術者自身が、紐やロープで縛られている場合でも、両手を合わせて指を自由に動かせるなら(それが後ろ手でも)《九字切り》で魔法を行使することで、解くことが可能です。
- 7
- 【尾行殺の印(びこうさつのいん/テイル・ノーティス)】
- 必要名誉点
- 30
- 消費
- MP7
- 対象
- 術者
- 射程/
形状 - 術者/
―
- 時間
- 3時間
- 抵抗
- 任意
- 概要
- 尾行に気付く
- 効果
この魔法は、《九字切り》でのみ行使可能です。術者は、自身が尾行されていれば、それに気付きます。また、尾行者が術者を中心に半径100m以内にいるならば、その位置が分かります。但し、魔法(【コンシール・セルフ】含む)または魔法のアイテムによる尾行や追跡は、この魔法では気付けません。術者のことを意識せずに近付いてくる者や単に後ろを歩いている者など尾行以外のものは、この魔法の対象外です。
- 9
- ≫△【呪文殺の印(じゅもんさつのいん/スペル・オフセット)】
- 必要名誉点
- 50
- 消費
- MP4+特殊
- 対象
- 術者
- 射程/
形状 - 術者/
―
- 時間
- 3分(18ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 概要
- 「対象:1体」の魔法が行使されたとき、同じだけのMPを消費することで魔法を打ち消す
- 効果
この魔法は、《九字切り》でのみ行使可能です。この魔法の行使に必要な消費MPは「4」ですが、術者は、自身に対して「対象:1体(1体全、1体X含む)」の魔法が行使されたとき、その行使された魔法の消費MPと同じだけのMPを消費することで、その魔法を打ち消すことができます。消費するMPは、その魔法本来の消費MPであり、魔法を行使したキャラクターが実際に消費したMPではありません。《魔法拡大/**》(《魔法拡大/数》を除く)で消費MPが倍化されているなら、同じだけの倍率でMPを消費しなければなりません。MPの他にHPなどを消費する魔法は、同様に消費する必要があります。行使にアイテムの使用や消費を必要とするなら、術者もそのアイテムを所有していてる(消費する)必要があります。魔法を打ち消す際のMP消費は、使い魔や魔晶石などで代替することはできません。行使された魔法を打ち消すかどうかは、術者がその都度決定することができます。この効果は、魔法を1回打ち消したら、その時点で消滅します。
- 11
- 【身捻殺の印(しんねんさつのいん/レンチ・ボディ)】
- 必要名誉点
- 50
- 消費
- MP11
- 対象
- 1体X
- 射程/
形状 - 2(30m)/
起点指定
- 時間
- 一瞬/
10秒(1ラウンド)
- 抵抗
- 半減
- 属性
- 呪い
- 概要
- 威力40ダメージ、宣言特技と補助動作をできなくする
- 効果
この魔法は、《九字切り》でのみ行使可能です。対象を見えない力で雑巾やタオルを絞るように強く捻り、「威力40+魔力」点の呪い属性の魔法ダメージを与えます。その上、対象は10秒(1ラウンド)の間、宣言特技の宣言といっさいの補助動作が行えなくなります。
- 13
- 【騒者殺の印(そうしゃさつのいん/ノイジー・パニッシュ)】
- 必要名誉点
- 70
- 消費
- MP20
- 対象
- 1エリア(半径6m)/
20
- 射程/
形状 - 2(30m)/
起点指定
- 時間
- 1分(6ラウンド)
- 抵抗
- 短縮
- 属性
- 呪い+精神効果
- 概要
- 発声したり大きな音を出したら威力20ダメージ
- 効果
この魔法は、《九字切り》でのみ行使可能です。対象は、魔法の行使、鼓咆の使用、ゴーレム、アンデッド、妖精への指示、“異界の門”形成および魔神の呼び出し、鳴き声などで発声したり(騎芸【遠隔指示】は発声不要)、呪歌や〈ガン〉の発砲などで大きな音を出した場合、自身の手番の終了時に「威力20+魔力」点の呪い+精神効果属性の魔法ダメージを負わねばなりません。この威力決定ではクリティカルは起こりません。通常の戦闘(命中力判定、ダメージ決定、回避力判定)によって音が出るのはダメージ発生の要因になりません。精神抵抗力判定は、この魔法の行使時に1回行われるだけで、ダメージ決定時には行えません。