容姿・経歴・その他メモ

大きな挫折をしたことがある
かつて信頼できる友がいた
大切な約束をしたことがある

他に生き方が無くて

物心ついた頃から、彼はギャングの下っ端だった
子供であるからまだ許された軽い盗みや詐欺行為
こう言ったものを積み重ねて稼ぎを上納する
そんな毎日は恐怖と暴力に塗れた悲惨なものだった
彼にとって唯一救いだったのは同じ境遇の友がいたことだ
二人はいつもこの生活から抜け出すことを夢見て、その先の未来を語り合った

ある時彼らは、組織が公に摘発され得るような悪事の証拠を掴むことになる
二人に迷いはなかった
この秘密をミルタバル神殿に持ち込めば組織は致命的な打撃を受けることだろう
そうなれば自分たちも解放され、自由に生きることができるはずだ
二人はすぐに行動に移した、しかし、組織の対応もまた迅速だった
組織はすぐに二人に追っ手を差し向け、二人はみるみる追い詰められていく
そんな中、友は告げる

「このままでは共倒れだ、二手に分かれて追っ手を撹乱しよう、追っ手を撒いたらミルタバル神殿で合流する、必ず生きて辿り着けよ？約束だ」

二手に分かれた後も組織の追跡は苛烈だった
それでも彼は友との約束を守るため必死で逃れ、見事ミルタバル神殿に辿り着くことができた

ことの仔細を受けたミルタバル神殿はペインの保護と組織の解体を約束してくれた
しかし、いつまで経っても友は神殿には現れなかった

その後、身寄りのないペインはそのままミルタバル神殿で生活することになった
ミルタバル神殿での勤めは友を喪った傷を忘れるにはちょうどよかったが、日々を死んだように過ごす彼を見かねた神官長が、彼に冒険者の仕事を斡旋する
もう少し外の世界というものを知ってこい、とペインは追い出されるように神殿を送り出された

「気乗りはしねぇが、仕事と言うからには手を抜くわけにもいかねぇか、ミルタバルの名にかけて、てな」

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