《ファストアクション》成功時は、追加の主動作にて《インファイトⅡ》を宣言し、【投げ】→《踏みつけ》【キック】。その後の通常の手番にて練技や【ヴォーパルウェポン】を盛り、【投げ】→《踏みつけ》【キック】、または【キック】→《追加攻撃》【キック】。
ダメージの期待値は、①《インファイトⅡ》【投げ】(K30[12]+13+4／出目5「21」点)、②《インファイトⅡ》【キック】(K28[11]+14+4／出目5「22」点)、③自バフ赤A《インファイトⅡ》【蹴り】(K28[11]+14+8／出目5「26」点)×2、計「95」点。

生まれた時から、力が必要だった。
幼い頃の記憶なんぞ疾うに消え失せたが、強き者は生き残り弱き者は淘汰される、ある意味では分かりやすい都市でアタシは育った。幸いにも生存する為の戦略立てに関して才能があったアタシは、自らが淘汰されないよう何処までも腕を磨き続けた。数多の血肉を啜り、皮を剥ぎ、それを纏いすべてを奪った。……そんなアタシに戦いの才能が無かったと気付いたのは、成人した少し後のことだった。
弱音を吐き、生を諦め戦いから逃げる事こそが本当の敗北だとアタシは思う。だからアタシは、才能が無いなりのクソみてぇな努力を重ねた。アタシの種族……獣人族は頭部を獣の姿へと変え、全身の筋力を増幅させることができる。しかしこれまで潰してきた同族どもは戦いが始まるまで、滅多にその力を使わねぇ。まあ、力の行使による弱点が無いのかと聞かれれば……そうじゃない。言語野及び思考能力の低下が主な弱点だろう。
だが、アタシは思ったんだよ。頭部が獣となっている状態で日常を過ごせば、自然と発声能力を身に付けることが可能なんじゃないか、って。結論から言えば、この試みは成功した。アタシは獣変貌の慧眼と剛力をそのままに、言語能力を会得した。加えて副産物として初対面の圧も向上するときた。
これが才能が無いアタシなりの生存戦略だ。自分の居場所は自分で守る。力のねぇ弱者どもが我が物顔でアタシを助けようなんざ言語道断だ。協力するのは互いに利用する為で、それ以上でもそれ以下でもねぇ。だからな。くだらねぇ感情なんて捨てて、己を高めようとする気すら無いゴミ同士で傷を舐めあう暇があるんなら……他者を蹴落とす為の腕を磨けばいいんだよ。

生き残るために戦うのは当然のことだ。
今もまた皆が戦う。自然と時間が経って死ぬ者は誕生する生命の数よりも遥かに少なく、人間たちは今日もそれぞれの場所で生き残るために戦う。守るための、淘汰されないための戦い。これらは全て、人間の数は増えるのに、それに伴って場所を誂えることができないから起こるのではないのか？いつか場所を増やすことは出来るが、それはいつかの話というだけだ。今、生きることが大事だから。それなら、無理なく間引ける方法を。それが力だ。
お前らがこれを悪いことだというわけが分からない。直接的でないだけであって、皆同じことをしているのではないか？生きるためにその場から他の者を押し出し、押し出された者はそのまま墜落する。こんなことは正当だといいながら、生命の尊重のために武力で戦うことは止めなければならない？じゃあ聞く。
お前らは命を尊重していると思ってるのか？