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最後の星皇アスタリオンの手記 - ゆとシートⅡ for SW2.5 - ゆと工公式鯖

最後の星皇アスタリオンの手記

基本取引価格:
知名度
形状
カテゴリ
冒険道具類
製作時期
不明
概要
色々な出来事が書いてある手記。日記みたいな部分もある。
効果
幼少期

*月*日
私は星皇の一族に生まれた。
名は「アスタリオン」。
どこかにある世界「ラクシア」の古代言語では「繁栄の星」という意味らしい。
多くの者たちに迎い入れられ、私が誕生し、青年期までの話を日記形式で話していこう。

生まれて7ヵ月が経った。他の星の生命体で言うならまだ赤ん坊だが、星皇の一族にとってはもう5歳くらいだ。
我々の種族は成長が早く、尚且つ知能が付きやすい。そして超長寿だ。だからこうやって異世界の文字も書けるものだ。確か「ラクシア」で言うなら、この文字は「交易共通語」というものらしい。ちょっと書きづらいな。

🌙月🌙日
私は初めて他の星に降り立った。最初は翼を動かすところから始めたが、大して苦にならなかった。
竜であるが故なのだろう。だが、ブレスの練習は本当に疲れた。練習の際、あちこちの森を燃やしてしまったので謝りに行ったのだが、何故か親に怒られた。謝らなくていいというのはどういう事だ?

🌕月🌕日
生まれてから2年が経った。こうなってくると時の流れは割と早いのかもしれない。今日は叔父であるクリムゾンから戦闘を教わった。しかし、私は接近戦が思った以上に下手で、ブレスを吐いて距離を置いた所から槍で攻撃する事が精いっぱいだった。クリムゾンは「前衛向きではないのか…」とため息をついた。……私は何か悪い事をしたのだろうか?あれから様々な鍛錬を受けたが、一部の世界で「魔法」と呼ばれる不思議な力を扱う事に長けていることが発覚した。

姉上である「アマリア」からは何故か褒められた。ならば私は、この術を学んでいこうと思う。

月🌕日

鍛錬と勉学を繰り返し、気が付いた頃には私は人間でいう10歳を迎えていた。
魔法というものは興味深い。星に蓄積された「マナ」というエネルギーを様々な元素に変えて撃ち出すものもあれば、それを使って生活に役立てるというものもある。どうやら世界によっては術の名や動作、仕様が違う。私は「ラクシア」という世界の未来では普及されている魔法「真語」「操霊」「深智」「神聖」「妖精」「魔動」について研究していこうと思う。全て習得は不可能に近いが、知っておいて損というものはないだろう。

月🌙日

神聖魔法というものは実に不思議だ。その術は「神が作りし奇跡」らしい。では治療の術は全て奇跡という事になる。
死した者達の浄化も含めてだ。時に神の力を借りて戦うものもあるらしい。神の名を掲げた戦争もあったことから、思った以上にラクシアの神は物騒なのかもしれないな。いや、あの世界の文明は大規模な信仰と戦いがあったからこそ繁栄したのかもしれない。それぞれの神格は敵対し尚且つ信条が違う事から、その神達の仲は一枚岩ではないという事も見て取れる。

🌕月☆日
今日で私の幼少期は終わりを迎え、少年期に入るだろう。
だからなのか、勉学が一層難しくなった。何やら私の一族はあちこちの星々を壊しては支配しての繰り返す蛮勇に等しい一族らしい。私の代で変わってくれればいいのだが。
それはそうと、現に私は一つの星を支配している。自然あふれる緑の星なのだが、僅か3㎝だけ星の軌道ずらしただけで半分崩壊するほど脆いところだ。だがそこで取れる木の実が美味でな。否応でも離れたくないものだ。

少年期
月🌞日

今日は二つ目の星を支配しに姉上と共に異次元を越えて探索した。その際、私は「月光道」という移動手段を習得した。ホントに使いやすいな、これは。多くの生物が姉上に怯え、襲ってこなかった。流石叔父の妹だ。力は相当強いと見える。羨ましいが、その裏に恐怖があり、拭えなかった。
一応、次の星の探索は時間がかかってしまい、軽く10日も時間を潰してしまった。誰も怒りはしないが、自分でも遅いと思ったのはこれが最初なのかもしれない。

別の世界「ラクシア」の神が私に訪ねて来た。名は「ダルクレム」というらしい。
「オレ様の配下になれ」だの「貴様を王にできる」などと言ってきたがすべて断った。今の私は王になる資格は無いからだ。
それに叔父や姉上からは「変な神の言う事は聞くな」と言われている。最終的には武力で来たが、私が使う魔法で追い払った。できればああいう神とは関わりたくないものだ。

×月*日
二つ目の星の探索以外、支配は順調だった。今日で支配した星は軽く100を超えていたからだ。支配してるとはいえ、私一人ですべてを賄うのは難しい。そこで私は眷属という者を生み出し、その星の神々として運営させたのである。それなりにうまく文明が発展し、いい具合で繫栄していっている。そしていつの間にか私は神に近い存在として支配している星々の住人から信仰されていた。
……一応私は竜なのだが…。

青年期

🌕月🌞日
あれからさらに100年くらいは立っただろうか?私は人間でいう「成人」を迎え、青年期へと入った。
星々を1000近く支配し、尚且つ大規模に信仰の対象へとなっていた。私は神ではないのだが……。
青年期になってからはやる事も楽しい事も増えた。何と魂だけ異世界へ行き、その生命体の人生を体験できるとのことだった。
私にとってはこの上の無い好機であり、星皇としての役目から外れることができるからだ。早速、私の魂をラクシアに移したのであった。

私はラクシアの「魔法文明」の時代に魂を移し、一人の少女の人生を体験した。
多くの人々に出会い、災いに巻き込まれても忍耐強く生き、戦ったその少女の人生はまさに波乱万丈と言わざる得ない。
だが、彼女は魔法が扱えても二つしか使えなかった。使えたのは「真語魔法」と「神聖魔法」の二つだ。
彼女は「グレンダール」という武神を信仰してるらしい。

彼女の仲間には「シーン」という月の女神や「ティダン」という太陽の神と呼ばれた神格を信仰している者も多数いた。
どうやら、魔法文明は信仰に対する影響が大きく出ていた時代なのだろう。
……にしてはこの世界の神は私の存在に気付いているんだろうか?ここまで干渉してるのに何一つ干渉してこないのだ。罠でもあるんじゃないかと心配していたが、何もしてこない。このままで大丈夫なのだろうか?

🌞月*日
緊急事態が発生した。平穏な日常の最中に異次元の裂け目のようなものがラクシアに現れた。
何とか生き延びたが、多くのものはこれを「奈落の魔域(シャロウアビス)」と呼び、警戒してるようだった。
興味深いが、危ないと彼女の仲間に止められるため、諦めることにした。

*月*日
彼女の生涯を体験してる最中、突然倒れた。どうやら彼女は病気に罹り、動けなくなってしまった。
奈落病と呼ばれ、どうやら「奈落の魔域」の近くにいると罹る病らしい。私は即座に知恵を振り絞り、治療できるか、彼女の体を無理やり動かした。特殊な薬草の調合でマシにはなったが、その情報を誰かが漏らしたのか、彼女は1週間後には魔法王の下で治療士として生を全うする羽目になった。
少女よ、申し訳ない。

緊急事態

ここからは日記ではない。何せ鮮明に覚えている事だからだ。
星皇の皇位継承の話が舞い込んできた。つまり、私は継承の戦いに巻き込まれる可能性があるという事だ。
正直、私は皇には興味がない。なぜならそんなことをしてるより、生命の一生を体験し、多くの知識を得たいからだ。
今は叔父であるクリムゾンが担ってるがいつまで担っていられるかは正直心配だ。

怒り

何という事か……私が支配してる星が他の竜によってことごとく破壊されたのだ。
多くのものが私を信頼し、繁栄し、長年眷属を務めていた者たちの子孫が一気に虚無へと帰ったという報告を受けた。
その際、私の感情の中には悲しみと怒りしかなかった。
気が付いた時には1000の星々を破壊尽くしていた。
アレ以降、私は罪悪感に飲まれ、一つの小惑星にそれなりの墓碑を建てて、謝ったのだった。

姉上の危機

一難去ってまた一難とはこの事なのか、皇位継承の争いから逃げ延び、月光界で身を潜めていた私の姉上である「アマリア」の方面に赤い凶星「マーズフェイス」が月光界を襲い、姉上が生涯をかけて建てた文明が全て燃やされた。姉上と残った住人達はラクシアに逃げ延び、そこで永住する事にしたらしい。無事なのは良かったが、悪い報告はそれだけではない。
叔父や私と敵対していた龍である「ヴァルギース」がラクシアに向かったという報告も受けた。恐らく姉上に対する追撃のつもりなのだろう。阻止したいが、何故か干渉できなかった。ラクシアの神が気付いたのだろうか?姉上が無事であることを祈るばかりだ。

残った者

何とか星皇の皇位継承は私の勝利になった。少なくとも反対の意思を持つ者はいなかったが、病で倒れた叔父と生きてるか分からぬ姉上、参加しなかった星皇候補の竜を除く全ての前星皇の竜たちは虚無へと帰った。一部は一つの星を支配するだけに留まったのは良い事だが、この代償はあまりにもでかい。
私は一つの小惑星に墓碑を建て、歴代の星皇達の名を刻み、残した。文明を築いたどの生命体でも黒歴史はあるのだと。
叔父は皇位を退位した後、知らないうちにどこかへ行ってしまわれた。探したいが、止められてしまった。
仕方なく、私は叔父のクリムゾンの最期を遠くから見送る事となった。

託すべき人物

あれから数億年の月日が経過した。私の身体は老い始め、ロクに動くことができない。この筆を握るのもこれで最後になるだろう。
私の全盛期の力が封じ込められた「力の卵」を王座の後ろに置き、王座に座り、最期を待つ。今、過去を振り返ればとても楽しい生活であった。しかし、全ての生命体には寿命が存在し、不老不死は生命の輪廻から外れた存在らしい。羨ましいものだ。

死にはしないが眠ろうとした際、私にある夢が映った。
人間としてラクシアに住んでいる姉上が妊娠した。しかし、何かの力が邪魔をし、生まれてくる子供を殺そうとしている。
そこで私は最期の抵抗として生まれるべき子供の運命を変えさせ、その魂に私の魂を混ぜるように仕込んだ。
ただ、これはとてもリスクが高く、私自身の記憶を失うという大きなリスクが伴った。だが、後先永くない私にできるのはその星で生まれる子供を死の運命から遠ざける事だけだった。後はその子供の魂として同化するだけだろう。

その先の夢を見た時、私はふと安心した。子供は生まれ、名が付けられていた。
その名は「アリス=セプテラ」という存在らしい。姉上の血を受け継いだ女の子でとても可愛い。私がまだ若く、尚且つ無事に出産し大きくなった際に会いに行きたかったものだ。その時は私は彼女の兄……いや、叔父だろうな。
だが、仕込みを使った以上。私の魂は彼女の魂と混ざり、記憶と同時に消えるだろう。ただ、彼女は知らぬうちに私の能力を受け継いでるはず。「月光道」も私の能力だ。
しかし、その行いに何故か後悔がない。むしろ安心したというべきか。コレが姉弟という概念なのだろう。
少し、意識が遠のいてきた。最期の時がもうじきらしい。

なら、この夢を見ている姉上の子供にはこの手記を残さなくてはならない。
姉上の子(アリス=セプテラ)よ、力の卵の孵化の方法はたった一つ。己の血と魔力を卵に流せばいいだけだ。
そしてお前は私であり、私はお前であるが……それはあくまで個人的な概念だ。お前はお前でいい。
だから、星皇の名に縛られずに、人としての生を全うして欲しい。

さらに先の未来の夢を見られないのは残念だが、アリスはシーンを信仰する神官少女として暮らしている事だけは分かった。
嗚呼、もう少し…夢を見ていたか…っ…た(此処から先は文字になっておらず、読めない。ここで力尽きたと考えてもいいだろう)

由来・逸話

唯一残ったアスタリアの血の記憶の一部。
所々文字になっていないところがあって読めないが、残りは読めなくはない。

製作者:ヒラーズフリート