容姿・経歴・その他メモ

【経歴】
A: 魔物を倒したことがある
B: 父親が旅に出ている（いた）
C: 大怪我をしたことがある

【冒険に出た理由】
破産した

【ヒストリー】
　私には母の記憶がありません。頼りない伝聞によれば、母は度重なる迫害を受けた結果、心労によって亡くなったそうです。そして迫害の理由は私。生まれ持った二本の（触）角と魂の穢れを、よほど気に食わない人たちが巷には多くいたのです。
　傷心の父は旅に出ることを選び、私もその道連れとなりました。もちろん、当時５歳の子供に過ぎなかった私からすれば当然の選択でした。
　その旅程は辛酸を極めました。つまるところ父が一介の頼りない人間に過ぎず、路銀を稼ぐため仕事にありつくのも苦労する有様だったからです。それでも、父がめげることはありませんでした。どこかに必ず、ナイトメアと呼ばれる私のような者にとっても、住みやすい場所があると信じて疑わなかったのです。
　父は旅人でありながら冒険者と呼ばれるような存在ではありませんでした。誰かとパーティを組んだり依頼をこなしたりといった、冒険者ならではの営みの外側にいたからです。もちろん、冒険者ギルドにも所属していませんでした。一方で、旅を続けるのに必要な知識などを私に教えることに余念がありませんでした。他人を信じられず、己の全てを私に捧げるという形でしか生きられない、今になって思えば哀れな人だったのです。
　別れは突然やってきました。私たちはその道すがら、強力な魔物に襲われたのです。私たちに太刀打ちできるような相手ではありませんでした。
　何が起こったのか、正確には覚えていません。
　気がついたときには、私はベッドの上に寝かされていました。近くに集落があり、たまたま通りがかった人に助けられたのです。私は深手を負っており、あと少し発見が遅れていたら命はなかったであろうと言われました。同時に父の死と、どうやら私が魔物に止めを刺したらしいという事実を知らされたのです。
　私が穢れを抱えたナイトメアという身でありながら助けてもらえたのは、その集落を困らせていた魔物を退治したからだと説明されました。一方で、冒険者ギルドに所属していなかった父に蘇生のチャンスは与えられませんでした。村人たちの手によって弔われ、アンデッドにならずに済んだだけでも幸運に思わなければならなかったのです。
　村人たちは、私に弔いの費用と治療費を請求してきました。一方で魔物を退治した報酬は受け取ることが出来ませんでした。冒険者ギルドに所属しておらず、正式な依頼という手順を踏まずに勝手に行われたことだからという言い分でした。
　こうしてたった一人の肉親だった父だけでなく有り金さえも失い、私は路頭に迷うことになりました。
　これが、私が冒険者の道を志すことになったあらましです。

セッション履歴

収支履歴