そもそもの発端はどちらからだったか、外の世界に出たくなった私たちはそれぞれを誘い、そして冒険の準備を進めました。
本来なら前衛を担当している人や、それでなくとももっと人数を誘うのが良かったのですが、何分悪魔を使役する職を持っている…しかも未熟な私が誘っても集まるような人は居ず…
もし声をかけたら参加してくれる。そのような心の広い人がいたとしても私たちが声をかける前に他のパーティーを作っていますし、結局あの人と私だけで冒険に行くことになりました。

外の世界に行くと言っても成人前の学生二人、きっとすぐに帰る事になるとおもいますが
【ウサギ】として、外の景色を目に焼き付けましょう。

…それにしても
二人とも後衛って、どうすれば良いのでしょうか…?

悪い予感は当たってしまいました。
…まぁ今回の場合はなるべくしてなったものですが…
魔物が現れる、二人とも全力を出して魔物がこちらに近づく前に倒しきる。
ただそれで倒せるのは有象無象の蛮族達だけ、この戦法では距離を取って戦えば消して倒せない相手ではない敵どころか、同格以下の敵にさえ歯が立ちません。
ルチアーノさんの強みは距離を取って確実に攻撃を与える事
それを踏まえれば私が前に出て連携を取る…なんて戦法になるのは自明の理な訳で…

それに私あの人よりも身体は丈夫ですし、いざとなれば魔法を近距離でぶちかます事もできます。
使うことはないと思っていた闇魔法も、前に出ると考えるのなら役に立つ筈です。

今考えれば、これはまるでお姫様を守るナイト見たいで格好良いですね、流石私です。(守る対象があの人だということはこの際置いておきましょう)

自分の傷は単なる身体の傷ですが、他人の傷は心の傷です。
あのルチアーノさんだって居なくなれば困る人は絶対にいる筈です。
守る対象が何であれ…守り抜ければ、良いのですが。

冒険者になるための試験を受けにいってきました。
試験中は流石に日記を書く余裕が無かったので、纏めて書き連ねます。

まず最初に、冒険者試験を受けるために別のパーティと合流する事になりました。
理由は単純、私たち二人だけでは参加が出来なかったからです。
その為、同じ理由で困っている二人組と話し合い、パーティを組むことになりました。

一人は【ケイト】さん、自分が言うなと思うかもしれないが、冒険者になると言うのが不思議なくらい華奢な身体で、一息するだけで吹っ飛んでしまいそうなエルフの女性。
最初は世間を知らないお嬢様のような雰囲気を漂わせていたけれど、その印象を覆すほどの卓越した野外スキルを持っていました。
華奢な彼女も苦労しながら生きてたと思うと、庇護欲が湧いてくる気がしますが、心配は要らないようです。

その理由は彼女の従者?を名乗る男の人、【ラーク】さん
一言で言うのなら【ケイト】さんに取っての騎士、ナイトみたいなものなのでしょうか?
もしかすると本当のお姫様を守るナイトとはあの人を言うのでしょうか。
周りに対しては堅苦しいと思う人がいるのではないかと思うほど礼儀正しく、それを踏まえても尚彼女に対しては手厚く忠義を尽くしている。
正直、それは危うさに繋がるのではないかと、心配もしています。
現時点ではお二人は仲睦まじそうに見え、危険もないように思えますが…
いえ、これ以上は邪推でしょう。

これ以上はページが収まらなくなってしまいました、次は試験について書き連ねましょう。

そういえばもう一人、試験途中で仲間になった人がいました。
謎の冒険者【マリネ】(仮名)
彼女に対しては、彼女自身が記憶にない…らしいので、正直なにも書くことがありません。

今わかることは、大食らいなことや大雑把なこと、意外と悪い人ではないということでしょうか。

さて、このメンバーで行った試験、結果はどうなのかというと…
結論から言うと、第一試験でダメでした。
救助対象役の人形を確保して、助けるのが今回の目的でしたが、実際試験に何か不具合があったらしくて(まえき？って何だったのでしょう…)私たちが助けたのは他の冒険者候補の人たちでした。
ですが試験は試験、人形を一つも集められなかった私たちは失格…らしいのです。
納得は出来るものではないですが、反論などはもちろんできず。
合格しなかった私たちはそのまま学校へ帰還…するかと思っていました。
ただ別のギルドのギルド長さんに見初められたのか、そのギルドに拾われることになりました。

色々あって冒険者になりました。
…いえ、拾われたのは確かだけれども、見た感じ冒険者ギルドとは言えないほどのボロボロ具合で…
そこで働いている人も、良く言うと個性豊かな人たちばかりで…

若干拾われたのを後悔しているのが現状です。
ギルドではどんな人がいたのかは…今は書きません、まだその人の人となりをつかめていないので。

まぁでも雨風…雨は防げませんけど、防げるだけでも儲けものです。
持ち込んできた本たちは濡れないように工夫しておきましょう。

ちなみにギルドのくせして名前がなかったので、話し合った結果【現衛の狩興会】(ファントムチャーチ)になりました。
いかにも闇属性って感じで格好良いですね！
…個人的には【ウサギと愉快な仲間たち】が良かったと提案したのですが、考えてみたらウサギは私しかいませんでした。
いつかウサギの名前が全国に轟いて、タビット族ではなくウサギ族と呼ばれるようになったらまた提案してみましょう。

明日は依頼を貰ったので、若干の買い物もほどほどに(強い防具を買いました！これで私も無敵です!)今日はお休みすることにしましょう。

眠って起きたら、皆が消えていた…なんてことがないと良いなぁ。

色々と過ごして、準備も始めました。
皆を守るために装備も新調して、これで私も一人前の赤ウサギです!!
…少し、重くて話しづらいのが難点ですが…
そうそう、なにやら街に行った際に蛮族が現れているとのお話が。
人身売買をしているのだとかお宝を盗っているのだとかボロボロと出てきました。
良し!冒険者の出番だ!っと思ったのは確かですが、そこに興味本位でついてくる影が二人。

ライフさんとデッドさん、正直お二人はいたずらしかしないので余り関わりたくは無かったのですが…
何処かあった気がするんですよね、彼らと。むむむ…

まぁ、この程度の障害をこなすのも冒険者の仕事、行きましょう!

どうも、依頼をこなしてみました。
詳しいことは書くのもためらうので一言、話を通してくださいよぉ!
ライフさんとデッドさんも怖い思いをしていますし(まぁあの子たちも良いお灸をすえられたでしょうが)
ギルドマスターの適当さも少しわかりましたね…
まぁ、あの人が【まじんつかい】なのが分かったのは収穫です!
どんな魔神を使うのでしょうか…!いやぁ、デーモンルーラーの人を見るのは実は初めてなのです!

…色々と思うところもありますが、今日はこの辺で。

ギルドの改築!修繕!補強!
色々と腕がなります!狭いところに入り込むのは得意なのです。

ということで天井裏の隅っこを私の部屋にしました。
少しでも気を抜くと頭をぶつけたり落ちたりしますが、誰も入ってこれない快適空間の完成です。
途中ルチアーノさんにいたずらしたり、ラークさんの妄言を聞いたりしておりましたが、無事に修繕完了!

天井裏からの出口を【ラビット・ホール】と命名いたしましょう。
我ながら、完璧ですね!

…うかつでした。寝ているとどうしても天井裏から落ちてしまいます。
そこの部分を考えてないとは、うかつです…
何とかしないと…

さて、魔剣の眠るダンジョンに着きました。

さてと、本を読むついでに日記を現在書いています。
簡潔に書きましょうか。
魔仭がラークさんの手に渡りました。
現在、その魔仭を出している本を見ています。
これ自体は喜ばしいことですが、色々と不明点がいくつか。
この魔仭は誰が作ったものなのか
何故この力を敵が欲しているのか。
色々と本の解読をしていますが、どうやら言語体系自体が違うようです。
ふむ…燃えあがってきましたね…!