容姿・経歴・その他メモ

【経歴表】
■規律に厳しい環境で育った
■同じ夢を何度も見ている
■空腹のあまり失神したことがある
【冒険に出た理由】
■他に生き方がなくて


イレブン。継ぎ接ぎだらけの皮膚は、蔑ろに作られた証。
11番目の、いらない子。


イレブンの世界は、暗く狭く煩い、炭鉱の中がすべてだった。命じられるまま、鉱石を掘り、運び、最低限の食事と睡眠で生きる。娯楽もなく、ただただ繰り返す日々。
だがそれを不幸だと思ったことはない。限られた仲間とだけ少しだけのコミュニケーションをとり、労働の後の鉄臭い水で喉を潤し、疲労が慢性的に蓄積した身体をボロボロのござに横たえ泥のように眠る。それだけでも、イレブンにたしかな喜びがあった。


それが終わりを告げたのは、ただ不運だったと言う他ない。イレブンらが採掘していた鉱道が、崩落した。
自分にとっての世界が、自分を飲み込む。その恐怖は計り知れない。パニックになって半狂乱になっていたイレブン、気が付いた時には狭い空洞でただ一人、暗闇の中で目を覚ました。
上下左右の感覚すら奪われたような、完全な闇。世界が壊れて、世界との境界線を失って、自分さえも確かめられない。自分が出す声だけが、知ったものだったから声が枯れても泣き叫び続けた。


そうして、どのくらいの時が経ったかもわからないままにイレブンは救出された。生還したのはイレブンただひとりだった。
身よりがなく、行く場所のないイレブンの扱いに困ったのだろう。イレブンは人から人へたらいまわしにされ、やがてどこまでも空が広がる世界に放り投げられた。


その日暮らしの仕事を乞い、細々と生き始めたイレブン。だが毎晩毎晩、夢に苛まれる。仲間が闇に飲み込まれて、自分も逃げられず飲み込まれて、そして閉じ込められる。
同じ仕事が長く続かない。苦しくなったイレブンは、やがて生き場所より死に場所を求めるようになった。
その日その日を、命懸けで生きる仕事。ひとつひとつの仕事を、短いスパンでこなせる仕事。
イレブンはなけなしの金を使って準備を整え、冒険者ギルドの門を潜るのだった。

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