アルフレイム大陸ブルライト地方の、ハーヴェス王国近辺のとあるジェネレーター付近に作られたルーンフォークの集落出身。
赤い髪が特徴的な兄であるグルーアが、ある時ふらりといなくなってしまう。
周りの誰かが「グルーアは、冒険者となるべく集落から旅立って行った」と言った言葉を、幼いシズニィは信じることにした。
そんな兄に憧れ、その背中を追うべく、８歳の頃に自身も集落を出奔。
しかしまあ、若い子供の思い付きの行動が上手く運ぶわけもなく、案の定魔物に襲われて絶体絶命の危機に陥る。
そんなところを通りすがりの冒険者に救われ、その後暫くの間、自身を救ってくれた冒険者(男)の下で暮らしていた。

彼曰く、シズニィには「戦士としての才覚がある」らしく、彼の好意により戦士として鍛えてもらうことができた。
その過程で、彼から召異魔法についても教わり、訓練の末に習得に成功している。
……もっとも、彼の私生活があまりにズボラ過ぎて、日常的なお世話能力の方がメキメキ伸びていった気がしなくもないが。

そんな彼とは半年ほど師弟として一緒に生活していたが、その後、シズニィは独立し、師匠である彼とは別れて生活をし始めた。
また、シズニィが充分な実力を付けたのを確認した彼は、シズニィを自身の属するギルドへと誘ったのだった。
一応、同じギルドで活動する冒険者同士に間柄が変わってからも、交友関係はしっかりと続いており、定期的に顔を合わせていた。
だが、現在は諸事情あってシズニィがクレメリア大陸に、彼はアルフレイム大陸に居るため、ここ１年ほどは顔を合わせることはできていない。
独立からそろそろ１年半が過ぎようとしている今、シズニィはクレメリア大陸の「出会いと別れを繰り返す地」クレイマリーポートで、ギルド「オリビアの岩礁」にメイドとして勤めつつ、同時に冒険者としての活動を行っている。

シズニィがクレメリア大陸に渡航することになったのは、第一話開始直前から数えておよそ１年前のことだ。
当時、シズニィはアルフレイム大陸ブルライト地方のハーヴェス王国のとある小規模な冒険者ギルドに所属していた。
彼は冒険者仲間の友達には恵まれていたが……残念ながら、良き上司には恵まれていなかったようだ。
ある時、ギルドが経営不振に陥り、功績を焦ったクソ上司により「クレメリア大陸への遠征計画」が立案される。
その遠征部隊のメンバーにシズニィは指名され、拒否権も友に別れを告げる暇も与えられず、無理やり大陸間を行き来する船に乗せられてしまう。
そして、なされるがままクレイマリーポートまでやって来たシズニィに待っていたのは、望んでもいないクソ上司どもの世話と、交渉時の護衛役、そして得意でもなんでもない内務の対応の数々だった。
シズニィが望む「戦士として冒険に出ること」も、「アルフレイム大陸に戻って友と再会すること」も禁じられ、シズニィの心は徐々に蝕まれていった。

……シズニィはこの時の苦痛を未だに払拭しきれておらず、これが原因で酒に酔うたびに誰かに絡み酒をし、溜め込んだ鬱憤を只管ぶちまけ続けてしまうようになった。
しかも質が悪いことに、酔いが醒めたシズニィは、酒に酔っている間の記憶は一切残っていない。
……いや、それとも本当は覚えているのに忘れたふりをしているのかもしれないが。

兎にも角にも、シズニィにとって「自分の戦士としての側面を評価されないこと」と、「行動の自由を与えられず、行動を束縛され続けること」は、心に深い傷を残したトラウマに等しいものとなっている。

そうして不満と鬱屈を貯め続けること早半年、遂にシズニィ山は大噴火した。
あのクソ上司を除かねばならないと決意を固めたシズニィは、ひょんなことから「オリビアの岩礁」のギルドマスター・ノワレと出会う。
当時、シズニィが所属していたギルドは、冒険中の大失敗で遠征計画が頓挫一歩手前まで追い込まれており、挙句既得権益である土着のギルドとも抗争を繰り広げていた。控えめに言ってどう見ても詰んでいる。
ここぞとばかりに、シズニィは自身の持ちうる「所属ギルドの情報」を、洗い浚い全てノワレに差出した。
同時に、自身もギルドから離反すると宣言し、ノワレに保護してくださいと頭を下げたのだった。
……この密告が功を奏してか、シズニィの古巣のギルドはクレメリア大陸を放逐され、アルフレイム大陸へと撤退せざるを得なくなった。
同時に、シズニィは置き去りにされてしまったが、ノワレに掛け合ってなんとか条件付きで「オリビアの岩礁」への移籍を認めてもらったのだった。

シズニィに提示された条件は２つ。
１つ目は「元のギルド同様、メイド業務もある程度請け負う事」であり、２つ目は「ギルド移籍の手続きを終え、古巣のクソ上司派閥の残党どもへの対応に一区切りが付くまでは、冒険者としての業務は割り振らないこと」だった。
シズニィはこの二つの条件を快諾。ある程度の期限が過ぎれば、あれだけ願っても手の届かなかった「一人の戦士として、クレメリア大陸を冒険する」という渇望が叶うのだから。
そして、シズニィは１つ質問をする。

「定期的に、アルフレイムに里帰りをしても構いませんか？」

……現在のシズニィは、ギルドマスター・ノワレの下で元気にメイドとして働いている。
その笑顔には、半年前までの苦汁や憔悴は見受けられず、心より今を生きるこの瞬間を楽しんでいることが伝わって来るだろう。
であるならば、この懇願が許されたかどうかなど、語るまでもないだろう。

アイテム収支とファンブルの履歴

共に旅した仲間

カリン

旅を続けるヴァグランツの女性。人間の斥候剣士。
かなりシビア目な性格の印象で、ツンツンした反応が目立つが、時折かわいい顔を見せる人。
彼女はこの依頼の後、すぐに旅立って行ったが……シズニィは己の信条通りに、それを笑顔で見送った。

クリオ

身長180cmほどだが、シズニィよりも年下の２歳な同族(ルーンフォーク)の女性。
腕利きのガンナーで、敵を次々射貫いていくチームの主砲担当。
過不足なく必要なことを端的に述べる振舞いは、如何にも同族らしい印象。可愛い顔をする場面も是非見てみたい。
この話の後、シズニィの下で「家事」や「人間らしい生活」について学び始めた。

アルバート・フォン・ヴァイスハイト・フェアヴォーテネ

クリオ以上の長身特徴的なエルフの男性。
キルヒア神官らしい「知の探究者」だが、確かな我の強さが目立つ人物でもある。

普段の振る舞いはどう足掻いても変人()ということもあり、自身の肘や箒の柄で彼をどつく場面もしばしば。
既にシズニィの中では、「彼はそういう人物だ」という認識が固まっており、彼への対応はかなり雑になっている。
ある意味、一番シズニィが遠慮も容赦もせずに本音をぶつけ合える相手でもあるが……。
娘たちへのセクハラは許しません！！

その他の人物

ギルドマスター・ノワレ

クレメリア大陸はクレイマリーポートに存在する冒険者ギルド「オリビアの岩礁」のギルドマスター。
戦士として武装した姿のシズニィに対し「皿洗うよりは似合っている」と、的確に喜ぶ言葉をかけてくれる人物でもある。
当然、シズニィからの信頼は厚い。

オルディン

魔動機文明時代のクレメリア大陸で活躍した偉人であり、後述するワルハラの生みの親。
しかし、当時のクレメリア帝国の暴君ロキス帝の下で、ルーンフォークの兵器運用計画「ワルキューレ・プロジェクト」に加担していた人物でもあり、決して良い評判だけの人物ではなかった。
加えて、今回の遺跡調査により、シズニィたちはその実態を知ることとなった。

ワルハラ

探索した遺跡で発見された、戦闘用ルーンフォークの女性。
クリオとはまた体格が違うが、シズニィよりは大きく胸は豊満な様子。
生まれたてのルーンフォークであり、現在シズニィの下で戦闘・家事・生活・一般常識等、諸々の教育を受けている。
……ひとまず、今の安定した状況にシズニィは強く安堵しているようだ。

アイテム収支とファンブルの履歴

共に旅した仲間

ギャリー・ユーコーク

ティエンスの射手の男性。
格好良くて頼れる落ち着いたお兄ちゃんみたいな人という印象。

アクア・ルマリー

アルヴの魔導師(真語軸)の女性。
アルフレイム大陸のユーシズからやって来た観光客で、元気な娘という印象。
その一方でユーシズの学府の所属であり、咄嗟の機転も利く様子から、賢い人物という印象もある。

メール・ルバサジェ

タビットの魔導師(操霊軸)の女性。
臆病な子という印象。
戦闘では、ルマリーとメール、彼女たちの作ったゴーレムに大きく助けられた。

リスト・ブリュージン

グラスランナーの吟遊詩人の女性。
グラスランナーらしい無邪気な人という印象。
ただ、無邪気さは感じつつも、好奇心に突っ走る場面は無かったので、かなり落ち着いた人なのかも？

アルバート・フォン・ヴァイスハイト・フェアヴォーテネ

前回の冒険以降腐れ縁が続いているエルフの神官。
彼を相手に絡み酒をする機会が最近増えている。
……ワルハラたちに見せられない顔を気兼ねなく晒せる数少ない相手だが、普段の扱いは雑。

その他の人物

なんか色々いたけど書いてる暇がない。

アイテム収支とファンブルの履歴

共に旅した仲間

ギャリー・ユーコーク

前の依頼でも一緒に戦った、ティエンスの射手のお兄ちゃん。石柱。

サイコロ・パイセン

今回が初対面の、人間のヴァグランツの戦士のお兄ちゃん。自称肉柱。

オーキス・コンバティール

今回が初対面……ではなく、前回の魔域で何故かジョッキーをしていたグラスランナーのお姉ちゃん。胸柱。

ベルガー

今回が初対面の、シャドウの神官のお兄ちゃん。骨柱。

アクア・ルマリー

前回の奈落でも共闘したアルヴの魔導師のお姉ちゃん。あむあむ柱。

簡潔な冒険内容

６人で奈落の攻略に向かった……それ以上の記憶はショタ柱シズニィには残っていない。
死んではいないようだが……気にするな、と言うことなので、忘れた記憶を思い出そうとする必要もないだろう。

アイテム収支とファンブルの履歴

共に旅した仲間

ワルハラ

第一話で巡り合った目覚めたての戦闘型ルーンフォークの女の子。
クリオとまとめて世話を焼いている愛娘。多分兄がこの光景を見たら石化する。

ヌル

放浪者をしているウィークリング・バジリスクのお兄ちゃん。剣とガンを巧みに持ち替えて戦う。

シュニール

何故か山で遭難していたお兄ちゃん。果敢に前線に飛び込むタイプの銃手。

シダー・ポーレン

先輩冒険者であるメリアの魔術師のお兄ちゃん。同僚の一人からお噂はかねがね。

ミラージュ・シエル・タービュランス

アルフレイム大陸からやって来たエルフの妖精使いのお姉ちゃん。

ルーメン・ノクス

魔神使いなパイカ種のタビットのお姉ちゃん。

簡潔な冒険内容

クレメリア大陸のエンバーウッド地方に、ワルハラと一緒に遠征し、キノコ狩りをする。
色々とあったが、大量の松茸と舞茸を収穫することに成功。シズニィはそれを２本ずつ持ち帰った。

アイテム収支とファンブルの履歴

共に旅した仲間

トコロ

グラスランナー・クリメノスの天地使いにして軽戦士なお兄ちゃん。

スイレン

人間の斥候にして軽戦士なお兄ちゃん。

シルベリア・ガルッツァ

ウィークリング・バジリスクの魔神使いにして神官なお姉ちゃん。

その他の人物

バーテン

過去にギルドの酒場でもてなしたことがある、ウィークリング・ミノタウロスの男性。
クレイマリーポートに相席バー「OnTheRock」のマスターをしている人物。

簡潔な冒険内容

バーテンさんから依頼を受け、エンバーウッドで天然ものの蜂蜜集めに出発。
目的地で、蜂蜜を狙うマーダーホーネットと交戦し、無事に勝利。
５人は充分な蜂蜜を回収して、クレイマリーポートへと帰還した。

アイテム収支とファンブルの履歴

その他の人物

ノワレ

冒険者ギルド「オリビアの岩礁」のギルドマスターである、オリーブのメリアの女性。
シズニィを過去に救った命の恩人であり、忠誠を捧げると決めたご主人様。

ワルハラ

過去の冒険でシズニィたちが発見し、今は共に「オリビアの岩礁」で看板を務める戦闘用ルーンフォークの女性。
彼女の生い立ちを知る者として、彼女の歩みをしっかりと見届けようと決めている。
ノワレと並び、シズニィが死ぬわけにはいかない大きな理由となっている。

キツネヅカ・イナリ

謎の空間の主らしき、黒い髪と狐面が特徴的な女性。本を読むのが好きなようだ。
魔術師であるらしく、シズニィたちが知る魔術体系とは、また異なる魔法を扱うと言っていたが……？

グルーア

幼少期に故郷から突然姿を消した、兄のように慕っていたルーンフォーク。
エンディング中に予期せぬ再会を果たし、感極まって抱き着いた。

簡潔な冒険内容

ある朝、シズニィは何時ものように起床し、休日を楽しむべくギルドの１階へと降りて来た。
しかし、何故か誰もシズニィには気付かない……。
そして、声を掛けられて気付いたノワレですら「おや、あんた誰だい？新人の冒険者かい？」と返してくる始末。
あまりの状況に茫然自失となり、街に飛び出すシズニィ。
孤独の闇に絶望していると、気が付けば白い空間に迷い込んでいた。
空間の主である「キツネヅカ・イナリ」の助言の下、己の記憶を取り戻すために６つの部屋を巡ることとなった。
……途中、今回の黒幕らしき、影のような謎の怪物に襲われるも、イナリの助けを受け、何とか生還。
無事に記憶を取り戻すことに成功した。
まあ、怪物との戦いの後遺症で、２週間は安静に過ごさねばならなかったが……。

幕間

ギルドの中で、幼少期に生き別れた兄機「グルーア」と再会する。
大好きだった兄とまた一緒に暮らせる、その事実だけでも、シズニィの心には充分過ぎる喜びだった。

アイテム収支とファンブルの履歴

共に旅した仲間

ノーメン・ネスキオー

アルフレイム大陸から渡航してきた男性。ぱっと見は人間っぽいが……？
またクレメリア大陸に来ていたアクア・ルマリーさんを探して、エルメールまでやって来たらしい。

ブリサ・エスメラルダ

アステリア神官のエルフの女性。

その他の人物

リン

シャルロッテお姉ちゃんからよく話を聞く、ナイトメアの少年。
以前共闘したヌルお兄ちゃんと一緒に、あちこちを放浪する生活をしているようだが……？

老いたグラスバジリスク

訪れた遺跡で邂逅した、グラスバジリスクの老人。
一度交戦したのち、力を認めてくれたのか、片目と血液を差し出してくれた。
その後の会話の内容も、さながら若い世代の芽吹きを喜ぶ好々爺そのもの。

……間違いなく、シズニィにとって、彼は「バルバロス」と呼ぶべき存在だった。
シズニィも、歳を取った時には、このバジリスクのように振る舞える日が来るだろうか？

ヌル

リンの悪戯に驚いて石化の視線を暴発させ、手足が完全に石化してしまったウィークリング・バジリスクのお兄ちゃん。
過去に一度、シズニィとは共闘したことがある。

簡潔な冒険内容

ノワレさんからお使いを頼まれ、冷凍海産物を求めて真冬のエルメールまで遠征していたシズニィ。
そんなエルメールで、見知った少年とこれまた見知ったユーシズに居る筈の少女がうろうろしているのを目撃する。
リンは、自分の悪戯の結果石化し始めてしまったヌルを治すために、キュアストーンポーションを作ろうとしているらしい。
シズニィは、居合わせたノーメン、ブリサの二人と一緒に、彼に力を貸すことにした。

必要な材料はあらかた集め終え、最後に残ったのは「バジリスクの血液と眼球」だった。
リンに案内され、「バジリスクが居るかもしれない遺跡」に足を運ぶと、そこには年老いたグラスバジリスクが居た。
一行は、戦いを通して彼に実力を認めてもらい、目当ての材料を得つつ、彼と言葉を交わした。
彼の偉大な老バジリスクの言葉は、深く胸に刻み込むべきだろう。

……そんなこんなで、石化を治す薬の素材は集まった。
無事にヌルの石化は解除され、事態は解決した。

幕間

その後、シズニィはお使いの目的である冷凍海産物探しを再開する。
エルメール名産の「冷凍海産物」でも、特に質の良いものを選び、ポケットマネーで買い揃えた後、クレイマリーポートに帰還。
……その後、ノワレさんから「此処で買える範囲で良いって言った筈だ」と説教されたが、心に悔いは無かった。

アイテム収支とファンブルの履歴

共に旅した仲間

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その他の人物

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簡潔な冒険内容

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幕間

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