『恥ずかしい癖を持っている』
『血縁者と死別したことがある』
『自分にそっくりな人物を知っている』
冒険理由表
『故郷を滅ぼされたので』

中性的な外見。緑の長い髪を後ろに流している。
首元と肩、腕、耳、瞳に機械的特徴があり、薄青い半透明のパーツで覆われている。
男性型は大柄、女性型は小柄の多いルーンフォークにおいては珍しく、中背と言える体格をしている。たぶん170cmいかないくらい？
性別としては両性。普段の言動や自認は男性寄り。

ディガット山脈の近くにあったルーンフォークの集落（スツァルカ村）で生まれた。
外見が瓜二つの姉がいた。対となるジェネレータに、同じ時・同じ素材を入れて造られた双子のような存在である。
二人が産まれて４年、教育訓練期間が終わりに近付いた頃、故郷は何者かに襲われた。それが蛮族だったのか、それとも違う何かだったのか彼にはわからない。
わかっているのは、優秀で勇敢だった姉は侵略者と戦い死んでしまったということ。そして、彼は１人で生き残ったということ。
冒険者に救われた彼は、冒険者となることを決意した。
救われた恩義に報いる為、生き残った責任を果たす為、故郷が滅ぼされた原因を探す為、彼は今日も旅を続ける。

基本的に穏やかな性格で人族（蛮族以外のあらゆる種族）の良き隣人であろうとする。
冒険者としてのスタンスは「人助けを優先」。これは自身が故郷の滅亡後に冒険者に助けられた為。
性格的に戦闘に不向きなことを自覚しており、戦闘時は彼にとっての勇敢な者の象徴→姉の性格や口調を再現し自分を奮い立たせて戦う。
※意図して演じているだけで、二重人格では無い。パーティメンバーには二重人格だと思われている可能性もある。
普段の一人称は私。戦闘時の一人称はアタシ。口調も荒くなる。
愛用の弓にこっそり姉の名前を付けている（ゼルヴォナ・ベスティア）

■クエストブック内
フェーリン・グラセス　←　故郷滅亡後、フェーリンの親に助けられ、冒険者としての色々を教わった。フェーリンをお嬢様と呼んで慕っている。初めて会ったのは10年くらい前。フェーリンを中心に出来たチーム故に、チームの決定はリーダーの決定を尊重したいと考えている。

プラシオ・ライト　←　お嬢様を守る頼もしい仲間。敵の最前線にその身を晒す強さに憧れている。魔導機文明について話をよくする。仲良し。ウィマに当たりがキツいのはフェーリンを思うあまりだし、ウィマも気にしてなさそうだから良いかな〜と思っている。

ウィマ　←　同じ依頼を受け、同じ仕事をした仲。敵の先手を取ったり罠を解いたりと、頼れる優秀な仲間だと思っている。過去に共感を抱いている。

強化内容　C値-1
カース　　「脆弱な」受ける魔法ダメージが1増加する。

「脆弱！！　それで終わりかジェロォナ！」
　脆弱。
　最近思い出した、姉の口癖だ。
　戦闘訓練において、姉のゼルヴォナに勝てたことは一度も無かった。射撃、近接戦闘、練技の基礎。その全てで、ゼルヴォナは村一番の成績を残した。
　同型機は基本的に同じスペックで産まれてくる。ならば平凡な成績しか残せない私と、姉の違いはなんだろう。
　性格。
　生き方だ。
　どのように考えて、何のために生きるのか。
　閉じたまぶたの裏に、いつかの過去が映る。
「終わりです。降参ですよ、ゼルヴォナ」
「張り合いが無ぇ！　それでもアタシの弟か？」
　この頃から、既に予感はあった。私は戦闘に向いていない。
　特に覚えの悪い近接戦闘は諦めて、錬金術と、自然界の知恵。そして、獣を追い払えるくらいの射撃。私がするのは、そんな生き方なのだ。そう感じていた。
「その考えが脆弱っつってんだ！　そのざまで蛮族と戦闘になってみろ。死んじまうぞ」
「……そうかもしれませんね」
　射抜くような視線と、ゼルヴォナの死を思い出す。そうだ、私は見ていた。多勢に囲まれ、それでもなお最期まで抗った姉の姿を。
「なら、戦って死んだアタシは脆弱だったか？」
　瞬間、過去が現在に置き換わる。
　過去の会話を逸脱し、私の中で空想のゼルヴォナは話し続ける。
「脆弱なのはお前だジェロォナ。戦うことも、救うこともせず、ただ立ち竦んで生き残っただけのお前だ」
「……ゼルヴォナ、たしかに私は脆弱でした。戦う決意も無く、何も出来ないまま、気付けば故郷は壊滅していた。その記憶すら、いまだ直視できずにいます。すべて覚えているはずなのに、思い出したくない。あなたの死に際の光景も。敵が何だったのかさえも」
「はッ！　呆れるほどの脆弱だな！」
「それでも、私は力を付けなければ」
　目を開く。姉の姿は無い。眼の前にあるのは、弓だ。アビスの魔力が滲む、赤い弓。ーーーーあるいはこの感傷は、アビスの魔力のせいだったのかもしれない。……それでも、
「過去は、まだ脆弱なままでも良いのです。今この時、皆さんを守るため。クエストブックの期待に応えるため。今は、戦うことから、目を逸らさない」
　ーーーーそれが、今の私の生き方。
　ならば私にも出来るはずだ。
　同型機は基本的に同じスペックで産まれる。ならば、姉のように。最期まで誰よりも強く、あれるはずだ。
　揺れた心のまま強がるように握りしめた弓は。ひどく手に馴染んだが、心の揺れを治めてはくれなかった。