容姿・経歴・その他メモ

経歴A：裏切られたことがある
経歴B：田舎で育った
経歴C：卵を温めたことがある
冒険に出た理由：身分を隠すため

とある辺境の村で生まれ育った。アルヴという生まれに起因してか幼いころより、周囲の庇護を受けることができず小間使いのような仕事をこなし小遣いを貰いなんとかその日暮らしで生きていた。
村を取り囲む森に隠れ潜むように住んでいたが、ある日行商人を名乗る男に出会う。行商人は村で相手にしてもらえないと嘆きつつ、無駄足になってたまるかと世間知らずの青年に目を付けた。そして、とある珍品を勧めたのだ。
「お目が高い！　これなるはあの強力な幻獣グリフォン……の中でもさらにレア。王種と呼ばれる個体の卵さ！」

にっかりと笑いながら差し出された白い小さな卵。それまで碌に人間扱いされて来なかった青年にとっては、行商人の軽妙におだてるような言葉と合わさりどこまでも甘美で、極上の夢であるかに思われたのだ。
――値段は張ったが貯金も備蓄も使い果たせば何とかぎりぎり手は届く。強力な幻獣さえ手に入れてしまえばこの劣悪な環境からも逃れられる！

そんな希望を胸にまんまと卵を手に入れてしまった青年は、数週間に渡る孵化作業の果て、大きな衝撃を受けた。
――なんか、小さくね？
ふわふわの羽毛を震わせ己を親と見定め健気について回る掌大の小さな生き物。そう、青年が全財産と引き換えに手にしたのは、ただのヒヨコだった。

しかし青年は諦めなかった。これはあくまでグリフォンの幼体であり、育て上げればいずれ立派なグリフォンの王になるに違いないと。
しかし、成長の途中で村人に見つかり、危険だと処理されてしまうことがあっては堪らない。青年はヒヨコが立派に育つまで、冒険に出ることを決めた。とにかく金を稼ぎ、ヒヨコの生育環境を整え、いつか立派なグリフォンと共に村に戻ろうと誓ったのであった。

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