ウルティカ伯爵の息子であるフランツ・ウルティカとは主人と従者の関係でありながらお互いの力を競い合う間柄だった。
フランツは時に自分の名をエーベンホルツと偽りクレイモアと共に冒険することもあった。

だからこそ彼は護る剣を振り、守るために敵を打倒すのだ。

時に感情が大きくなりやすいエーベンホルツと実直ながら意志の固いクレイモアは衝突することも多く
喧嘩のようなやり取りをしていることも多い。
だがそれはお互いに信頼があって行っていることであり、何か嫌悪のような感情があるわけではない。
口の良くないエーベンホルツと口数の少ないクレイモアは傍から見ると仲の良いようには見えないが
実のところ息の合った戦いを見せるのだ。

表には出さないがクレイモアはフランツと競いぶつかり成長する間柄を気に入っている。

ある日前触れもなくウルティカは崩壊した。
突然出現した奈落によって飲み込まれ平穏そのものだった町は瓦礫の山と化した。
その中でクレイモアはフランツに助けられた。

町と彼の命を犠牲にしつつもクレイモアは生き延びた。
彼の剣は何も守れずにその役目を終えたのだ。

神の気まぐれか、運命の悪戯か、再び目が覚めた時クレイモアが体験したそれはすでに無かったことになっていた。
だが記憶に残っていた出来事が記憶通り起こる世界を見て悟った。この町を親友を護ることこそが使命だと。
なぜ起こったかわからないそれに備え続ける。

使命のためにその身と大剣を研ぎ続けるのだ。