マイクはドーデン地方でも広大な敷地面積を誇る大国、キングスレイ鉄鋼共和国の首都キングスフォールで暮らす一家の下に生まれた。
グランドターミナル駅より東部、城壁環状線の外に居を構える木こり(ランバージャック)の家系に生まれ、彼自身は父が調達してきた材木の用途を知る事が幼い頃からの趣味だった。
木こりの父、その手伝いの母、街の路地で占いを生業とする祖母。
4人での極めて平凡な一家で暮らすマイクは幸せで、将来は建築に関しての職に就きたいと考えていた。

────転機は、魔物の襲来だった。
鉄道に配置された守りの剣の力は強大で、アルフレイム大陸全体を見渡してもここまで防備が固まっている国も中々ない。
しかし、あくまで剣の力は魔物の持つ"穢れ"に適応されるもの。
マイクの住んでいた区画を襲ってきたのは"穢れ"を持たない動物達だった。
異常気象が発生し、雨季が短く冬季の長い年だった。
人工的に手入れをされたわけでもない自然の実りが少なく、凶暴化した野生動物が飢えを満たす為に人里へとやってきたのだ。
幸い、侵入してきた魔物はそう時間を置かずに駆逐されキングスフォール内での死者は0人に抑える事ができた。
………材木の切り出しに街の外に出ていた、マイクの両親を除いて。
そこから親を亡くしたマイクは生活の為に、周囲の縁を頼りながら我武者羅に働いた。
幸いにも身体を動かす仕事は自分の性にも合っていて、金銭に困窮する事は無かった。
ただ、狩りを行いに森に入った時だけは物憂げになる事があった。
あの日、両親が街の外に出ていなければ…あの年、不作が起きずに動物たちが飢えたりしなければ…
そんなIFの世界を懸想する時間が、マイクの生活ルーティンの一部に加わっていた。

そんな生活が暫く続いたある日、マイクは唯一残った肉親…祖母のバニラから｢大事な話がある｣と告げられた。
祖母は少し前から寝たきりの状態で、素人のマイクから見てもそう長くない事が見て取れた。
自分は、また家族を失うのだろうか……憂いた気持ちに沈みそうになっている所に。
【予言】が、祖母の口から出てくる。


─────北へ、向かいなさい。


突拍子もない言葉を聞かされる。
体力もなく、ゆっくりとしか喋れない祖母にどういうことか聞く。
曰く、自分には大きな運命の星が存在していて。
それを最も輝かせる見えた因子が『"雪を象徴する地"と"竜を冠する場所"』なのだそうだ。
年を取って、自分の曇った眼ではそれ以上観る事ができなかったけど。
きっとそこでなら自分の心の燻りを解消してくれる"何か"があるだろうと。
悲しい事だが、自分と祖母の離別も遠くはない。
だが、逆にそれはマイク自身がこの家に留まる必要も無くなるとの事だと。
自分が幼い頃からずっと変わらない、皺だらけの顔をくしゃくしゃにしてバニラはマイクの頭を撫でて優しく言った。
彼女の最後の遺言は、｢自由に生きろ｣だった。

それから二週間も経たずにバニラは逝去し、マイクは彼女を父母が眠る墓へと埋葬し持ち家などの財産を処分して。
身一つで鉄道に乗り込み、キングスレイ鉄鋼共和国を去った。
車輪と汽笛の音が、普段の喧噪よりも小さく…少なくなってくるのを感じながら。
マイクは、コルガナ地方へと走る鉄道に乗っていた。
……独りになった事で、空虚に感じる胸を手で抑えながら。

【趣味】

・

【好物】

・ゲオルグの淹れる珈琲

【経歴】

・奇妙な予言をされた事がある
・両親に愛されて育った
・血縁者と死別した事がある

【冒険に出た理由】

・探しているものがある

■ポーロウニアの姓

〇マイクに姓に関して何かしら質問する
｢別に由緒正しい家系って訳じゃないんだけどな…｣

■馨しき珈琲を片手に

〇ゲオルグの淹れた珈琲を飲んでいるマイクに話しかける
｢いや…マスターのこれを飲むまで珈琲って泥水みたいだと思ってて…｣

■"運命の星"

〇アオニンもしくはリヤンを目にしながら考えに耽っているマイクに声をかける
｢いや、死んだばあちゃんが言ってたんだけどさ…｣