レイナは、物心ついた時には既に捨て子だった。
どこかも分からない森の中に放置され、雨水や湧き水で喉を潤し、たまに見つける木の実などで空腹をごまかしていた。
ある日、森の中でウルフの群れに襲われる。死に物狂いで逃げ惑ううち、偶然その場に居合わせた冒険者に救われる。
ぼろぼろの身なりと言語が話せない様子を心配した冒険者に連れられ、近隣にあった炎武帝グレンダールの神殿へと預けられる。

その後は神殿に居候し、成人になるまで神殿の手伝いをしつつ、司祭の手によって育て上げられる(「レイナ・クルツホルン」の名をくれたのもその司祭だった)。
司祭は、グレンダール神の教えとして「生きるために工夫しなさい、考えなさい、そして努力を惜しまぬように」とレイナに説く。
その教えは、捨て子で学の無かったレイナには新鮮なもので、今後の生き方に大きな影響を与えたのだった。

ある日、成人したレイナに、司祭は「あなたはもう、一人で生きていくことができる。今後もここで過ごしてもよいし、ここを出て自分の自由のままに生きて行ってもいいのです」と告げる。

今まで漠然と「このまま神殿で生きていくのだ」と感じていたレイナは、司祭から与えられた「神殿の外で自由に生きる」という選択肢に心を惹かれ、神殿を出る決意をする。

冒険者でもよかったが、より広い世界を見たいと考えたレイナは、丈夫な鎧と盾、剣で装備を固め、未知の大地であるケルディオン大陸へと渡る。

ちなみに幼少期の経験から、成人となった今でもイヌ科の動物が苦手。