リカント(=以下:LC)の種族研究-01
肉体の構成要素は他の種族と大きく変わらない。
これはIの胸部及び腹部切開時における
直接的な観察によって確認できている。
獣変貌時(=以下:B)における声の変化は言語野に影響を与えないが、Iの喉頭部の切開により、声帯の形状に変化を確認することができた。
Bの言語はシンプルだが、他種族とのコミュニケーションにおいて多くの齟齬を生じる。
Bは呪文の詠唱が出来ないため、
頭では理解していても魔法の行使は出来ない。
これがLC内における魔法使いの絶対数が少ない事の原因のひとつである。
Bは筋肉量が増加する傾向にある。
老若男女を問わず筋肉の密度が上昇することを確認できた。
また、高い練度で鍛え上げられたLCの戦士を解剖したところ、筋肉の強度や量はそのままに、収縮する力がさらに増していることが確認できた。
端的に言えば、肉体の跳躍力を上げることができるというものであり、戦場においては高い機動力を利用した陣地展開を期待できる。

操-第七階位魔法による蘇生研究
【被験体】A【種族】リカント【年齢】8【性別】男
【死因】馬車に轢かれたことによる即死
【肉体の損傷】
　頭蓋骨複雑骨折、脳挫傷のよる前頭葉欠損
【結果】エラー

【被験体】B【種族】リカント【年齢】124【性別】女
【死因】疫病による衰弱死
【肉体の損傷】目立つ外傷はなし
【結果】クリア
【備考】肉体の傷が蘇生の条件に大きく影響する

【被験体】C【種族】人間【年齢】47【性別】女
【死因】失血死
【肉体の損傷】腹部と両脚の欠損
【結果】クリア
【備考】欠損部分(足)は回復せず。同日内にCは死亡。
　　　　死因は喉頭部圧迫による自殺。
　　　　以後蘇生を試みるも蘇生せず。

【被験体】D【種族】ナイトメア【年齢】不明【性別】男
【死因】心臓が破壊されたことによる即死
【肉体の損傷】胸部の他に多くの傷を確認。
【結果】クリア
【備考】消化器官などの損傷では蘇生可能。
　　　　別の死因の被験体を蒐集する

【被験体】E【種族】エルフ【年齢】89【性別】女
【死因】胸部から臀部までの欠損による即死
【結果】エラー
【備考】Cとの大きな違いは脊髄部分が損傷していたかどうかであった。
　　　　以降条件に付け加え確認する

【被験体】F【種族】ドワーフ【年齢】104【性別】男
【死因】失血死
【肉体の損傷】戦闘による激しい肉体の損傷。
【結果】エラー
【備考】死亡後、日数が経ち過ぎた死体はレヴナント化する。
　　　　死亡からおよそ10日を超えたあたりから注意が必要である。

【被験体】G【種族】リカント【年齢】52【性別】男
【死因】中毒死
【肉体の損傷】弛緩性の毒による中毒死のため、
頸部ないし肉体の大きな損傷は見受けられない。
蘇生前にGの顔を刀剣で傷つけておく。
【結果】クリア
【備考】Aと異なる点は脳の損傷と見受けられる。

【被験体】H【種族】リカント【年齢】52【性別】男
【死因】ショック死
【肉体の損傷】脳挫傷による即死
Hの肉体は頭部を中心に著しく損傷している。
脳の損傷を確認
【結果】エラー
【備考】脳の損傷は蘇生に影響があることは確定的である

【被験体】I【種族】リカント【年齢】48【性別】女
【死因】溺死
【肉体の損傷】水を張った容器にIの身体を全て沈め窒息させたため損傷はなし。
【結果】クリア
【備考】蘇生はこれまでに研究で得た資金を利用して、同じ研究者に依頼。
肉体の内部に多くの水分が含まれていたため、蘇生時の処置に注意が必要。
酸素不足による脳死については、直接的な損傷でなければ蘇生は可能であると考察。

人族のアンデッド化、
肉体の変化については別途研究を進める。