SW2.0ラクシアゴッドブック初出の種族です、見た目はほぼまったく人間と同様ですが、その実は神の使命によって受肉した「石像」です。受肉している為、石のような質感はありません。外見と性別は元の石像のものに依存しており、それらによって「第一の剣」「第二の剣」「第三の剣」のセンティアンかに分類されます。神の使命を遂行する為に活動するセンティアンですが、その目撃例は極端に少なく、また人間と同様の見た目をしている為、遭遇するのはとても稀です。
世界の知識や常識は受肉した瞬間から成人した人間種と同等程度のものを持ち合わせていますが、少し古臭い言い方や知識を持っているそうです。

ラクシアゴッドブック18ページ参照
出目3-2「自分一人では使命を遂行できないと考えている」
出目6-4「人間関係は好ましいor煩わしいと考えている」
出目6-1「過去に受肉し、彫像に戻ったことがある」

ソード・ワールド2.0シナリオ集「挑戦！魔剣が呼ぶ迷宮」で登場したザルツ地方(テラスティア大陸の北部)で信仰されていた第一の剣の神の一人です。
騎士神ザイアの手によって神格を得た小神で、魔法文明時代終焉期の蛮族との戦いで「三本の魔剣」を振るい活躍した青年の英雄"魔剣使いのヒューレ"が神格を得た後の姿です。
英雄として人々を蛮族の手から救い続けてきた彼ですが、魔動機文明時代の黎明期、忽然とその姿を消します。蛮族の侵攻から街を守るために戦い、戦死したとされるのが通説ですが、策略によって封印されてしまった、蛮族の軍隊と相打ちになったなど諸説あります。
また【ガン】の普及によって【剣】が戦場において重要視されなくなり、それによって信仰が激減したとされる説もあるそうです。
信者のほとんどは戦士であり、研鑽や武術の道を究めるために各地を放浪するものが多いため、神殿がほぼ見かけられない原因のひとつとなっています。

リーシャ・ザオランは第一の剣ルミエルに列挙する剣神ヒューレを讃えるために彫刻された女性戦士の彫像から受肉したセンティアンである。
彼女は過去に1度、受肉したことがある。その時の記憶も保持している。しかし、石像に戻ったのは使命を完遂したからではない、「失敗」したからである。

今から300年前の古代魔動機文明時代・まさに大破局によって人族が蛮族に完膚なきまでに蹂躙されていた暗黒の時代、彼女はその時代に1度目の受肉を果たす。剣神ヒューレの力によって受肉した彼女は、人族国家に襲い掛かる蛮族の大軍を、人族の軍勢と協力しこれを倒す使命を帯びる。ヒューレ自身から与えられた12本の魔剣、「神の鍵」と呼ばれるそれらを用いて百戦錬磨のごとく彼女は戦い続けた。
戦争の終盤、状況は劣勢から好転し、彼女の命を懸けた尽力によって、その当時同盟を結んでいた人族国家は蛮族を打倒するが出来た。
しかし、物語は残酷である。
12本の魔剣、「神の鍵」の力を目にした人族たちは、その力の魅力に溺れるとともに、強大な力を持つ彼女を危険視し、裏切ったのだ。
リーシャは最後まで訴え続けた、私は敵ではないと、しかし人々が彼女の言葉に耳を貸すことはなかった。彼女は自身が救い、しかし襲い掛かる人々に決して刃を向けることはなく、魔剣をすべて明け渡し、その美しき髪の一本までもがずたずたに引き裂かれるまで叫び続けた。

「なぜ」と。

時が流れ現代、彼女は二度目の受肉を果たす。二度目の使命の内容は「12本の魔剣、神の鍵の回収」であった。
彼女は真っ先に、当時自身が救った人族国家を訪れる、しかしその国は遥か昔に滅んでいた、リーシャから神の鍵を奪ったが、それを使いこなせることなどできず、再び攻勢を開始した蛮族になすすべもなく滅ぼされていたのだ。
救った人々の国は今は亡く、神の鍵の行方もすべて不明、リーシャはあまりの虚しさに嘆き続けた。
2度目の受肉から、50年が経っていた。神の鍵は一本も回収することが出来ていなかった、行方すらつかめていなかった。最近では敬愛する剣神ヒューレからの呼び声も、わずかでしか聞けなくなっていた。
絶望に打ちひしがれている彼女にある噂が流れる、大英雄の冒険者たちが、滅亡した国を再興したと。
彼女はその希望溢れる話を聞き、大英雄たちが誕生した「駆け抜ける駿馬亭」へと、気づけば足を運んでいたのだった。

裏切られた時の恐怖、はたまた周りが先倒れていく切なさからか、極力他人との交流を避けている。二度目の受肉の最初の10年は神の鍵の行方探索に尽力していたが、心身ともに疲れはて、長い時間を山奥で孤独に過ごしていた過去がある。
かなり真面目で努力家であり、信頼した相手には自身の出来得る限りの奉仕を行う絵にかいたような聖人君子。
他者との付き合い方を、裏切りに遭って以来悩み続けている。自身の力だけでは神の鍵を回収することは不可能だと思っている為、助力してくれる理解あるパートナーを探しているが、そういった相手には巡り合えていない。

神をかたどった彫像や彫刻は筋骨隆々であったり、豊満な姿で在ったりするが彼女の姿は割と「控えめ」であり、スレンダーな自身の身体にコンプレックスを持つ。
聖印は自身の両腕の甲から二の腕まで長く刻まれており、下腹部のところにも聖印は刻まれている。トライバルタトゥーのような見た目で、それらに幾重にもある剣の紋様が印象的である。