【背景設定】
　フォルカは気が付いたらブルライト地方にあるエルフの里、ゴルテール集落で「出土」していました。そのまま成り行きで里長のゴルテール一家にお世話になりながら、フロウライト特有の飽くなき知的好奇心を以て、エルフの叡智を貪欲に学び尽くしていきまいした。そして同時にその里でよく信仰されていた「樹神ダリオン」の敬虔な信徒となり、やがて神官へと出世しました。
　やがて多くの知恵を習得したフォルカですが、エルフがアル・メナス文明時代の社会と交流を断絶していたが為に、魔動機術や賦術の知識をエルフの里で吸収することが出来ませんでした。そこで、フォルカは一旦お世話になった里に別れを告げて、自身の教養を高める為の旅に出ました。そしてそこで賦術の神秘を学び、同時に賦術を扱う者の多くが経験する破産スレスレの生活を味わいました。(本人は特に苦ではなかったと言います)
　そんな過去がある為か、フォルカは金銭にがめついマンモニストとしての性格を強めていきました。そして、自身の知的好奇心と金銭欲求を同時に満たせる冒険者に魅力を感じ、ほぼ即決でその道を歩むことにしたそうです。

　故郷を出たのは、《アル・メナス文明》の魔法体系を学ぶ為。特に魔法と科学のハイブリッドである錬金術は、私が里の皆に教えてもらった魔法観念に、絶大な衝撃を与えたわ。だから思ったの、「私も賦術を知りたい」って。でも、里の皆は賦術どころか魔動機術すらよく知らないって。だから私は、旅に出たの。知見と教養を深める旅に......そしたらお金がなくなっちゃった！錬金術のこのカードって、こんなにもお金がかかるの！？
　全く、食事の要らない身体でホント良かったわ。じゃなかったら今頃、空腹で倒れちゃってたカモ♪...それにしても、空腹って何だろう？そういえば、そこで私が困窮に喘いでいたら、冒険者ギルドの職員さんが「冒険者にならない？」って誘ってくれたのよね。話聴けば、お金も手に入るし賦術の経験も積めるし...イイこと尽くめじゃない！ってことで、めでたく私は冒険者デビューを果たしたわ！
　でもいきなりフィールド探索やダンジョン調査は危ないからって、冒険者ギルドの職員さんの計らいで模擬戦による研修を受けたの。少し緊張したけど...私と同期の人達と上手く連携も出来たし、最後に戦った教官も優しい人だったから、私としてはとても有意義な時間だったと思うわ♪よし！これからも頑張ってお金を稼ぎつつ、色んな知見を深めていくぞー♪

　よく誤解されるけど、私は貨幣神ガメル様でなく《樹神ダリオン様》の聖職者なのよ？いやまぁ...思うところはあるけど...ね？と、とにかく！ダリオン様を奉る身として私は、更に神聖魔法について研鑽を重ねる必要があるの。ってコトで、ブルライト地方随一の魔法大国であるユーシズ魔導公国に来たわ！ふふふ...目的は勿論、名門なる魔法学園！《七色のマナ》で賦術を学ぶこと！後、ついでに神聖魔法もね♪
　入学は......資金も無かったし、その時はしなかったケドね。でも、学園内部にある冒険者ギルドで滞在することは出来たからオッケー♪錬金術の歴史や理論も学べたし、神聖魔法の実践演習も出来たから満足♪それに魔法関係ないけど、軍略とか戦術指揮も何故か学べたわね。使う機会は無かったけど、いつか来るのかな？
　話が逸れちゃったわね。此処で私は一つ依頼を受けたの。確か...依頼者は《グラニ党》って言う、甘い食べ物(お菓子とかかな？)を作ったり売ったりしてる部活の部長さんだったわね。何でも、スイーツの材料を採ってきて欲しいとか何とか...？と、とりあえず、一緒に同行することになった他の冒険者さん達と一緒に、私はユーシズの森の中に入って色々探索したわね。木を登ったりとか、無限に出てくる敵を倒し続けたりとか......少し大変だったけど、お仕事終わりの達成感と部長さんがお礼に作ってくれたスイーツで、とても満足した時間を過ごせたのを今でも覚えているわ♪
　そう言えば、私ってそんなに珍しいのかしら？...見物料とか取ればもしかして、かなり儲かったり？

　ハーヴェス王国ってホントに賑わってるのねぇ...これも貿易大国が所以かしら？あ、そういえばこの国でも冒険者としての依頼を受けたわね。依頼主はハーヴェス王国でも名のある商家の人間で、あの時の私は一攫千金の予感がして堪らなかったわ。そしたら予感通り！報酬金をいっぱい貰っちゃった♪わーい！ふふふ♪まさかお手紙を届けるだけでこんなにも...ふふ♪
　お手紙と言えばその依頼人だけど、人間のおばあちゃんだったのよね。それで古い友人に届けてって言われて、そのご友人さんに届けにいったのだけど...何て言うか、種族と寿命の差を思い知らされたわね。でも、例え過ぎる時間が残酷であっても、友愛とか恋慕とか...そういう《人の想い》ってのは不滅なんだなって。少なくとも私は、そう感じたわ。あーあ、私にもいつか誰かに恋する日が来るのかしら？ほら、私って結構カワイイじゃない？だから色んな人に声かけられちゃうのよね～。
　それにしても、私ってホントに珍しい種族みたいね。まさか鉱山で働くドワーフの人に、あんなに驚かれるとは思わないじゃない？あれ？もしかして、私に声をかけてくるのって...珍しいから？

　これはその.....とても大変だったわね。私も長いこと冒険者として活動し続けてきたのだけど、遺跡調査ってのをそういえばしてなかったの。だから、その場の勢いとノリで遺跡調査依頼を受けちゃったのよね。そしたらまぁ...えへへ♪
　で、でも！お宝はいっぱい見つけたから、かなり懐も温まったし？一緒に行ってくれた仲間のおかげで、あの動く魔剣もなんとか倒せたっぽいし？一件落着！...よね？

　ユージス魔導公国にある魔法学園《七色のマナ》で過ごして三年。黄色リボンになった私を待ち受けていたのは、神も恐れる貧乏生活だったのだ～！...そんなこと言ってる場合じゃないわね。まぁ確かに購買部を退部して最初はヤババな生活だったけど、なんかあった《虹色華劇団》に所属したら、これはもう儲けること儲けること...ふふふ。それにお金だけじゃなくて、メンバーとの友情って言うの？絆って言うの？そんな温かな感情を味わうことが出来たのが最大の収入と言えるわね。それに皆と温泉に入れたのも良かったわねぇ...一人、な～んか怪しい子がいたけど、気のせいだったみたいね。
　さて、そんな虹色華劇団だけど♪その名前の通り、お芝居をするのが主な活動ね。今回は《魔法少女》がメインテーマだったから、皆《変身リボン》で魔法少女に変身！ってね♪大まかなストーリーはあったけど、即興劇も求められるから大変！でもその分、リアリティが出るって言うじゃない？だからかしら、最終的には大成功で大盛況だったのよ♪分かるわ、私も舞台端でメンバーの名演技を見て思わずうるってきちゃったもの。...私の長い人生のというページに、こんな充実した日々が綴られていくことに、私は感謝と喜びの気持ちでいっぱいね。...ふふ、冬期休暇になったら故郷の皆にも教えてあげなくちゃね♪