容姿・経歴・その他メモ

金と保身を第一に考える無頼者。
彼が信じるのはどのような場面でも絶対に自分を裏切らないもの、即ち金であり、彼が嫌悪するのは絶対に裏切られると分かっているもの、即ち他者からの善意である。


彼はかつてごく一般的な普通の生活を送っていた。
ごく一般的なタビットの一家に長男として生まれ、ごく一般的に育ち、ごく一般的に家族を蛮族に殺された。
幸いにも彼と彼の弟だけはその惨劇から生き延びることができたが、彼にとっての地獄はそこから始まった。

親の庇護を失った幼いタビットが自分たちだけの力で生きていくには悪事に手を染める他なかった。
最初は盗みから始まり、慣れを経てそれは強奪に変わり、現在は殺しにまで至った。
殺しに至るまでの過程において、何度か彼の境遇に同情し善意から力を貸そうとした人族も幾人かいたが、彼の過去の犯罪行為を知るや否や、皆彼から離れていった。
中には民兵団や騎士団に彼の情報を流し、彼を投獄するように動いた者もいた。
そんな時、彼は決まって裏社会で築いた人脈と蓄えてきた金を使い難を逃れた。
報復として、彼の情報を売った善人は皆殺しにした。

そういったことを数度繰り返した結果、彼の価値観は完全に定まる。
「他人は裏切る、金は裏切らない」「他者への善意など、その全てが偽善である」「偽善に染まるくらいなら醜悪に染まったほうがまだマシだ」。

とある赤子を弟の手から救って以降、彼は偽善を成したことがない。
彼は今後、自分が偽善を成すことはもうないだろうと考える。

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