容姿・経歴・その他メモ

ディーテ・エトナ
名前の由来：魚座の神話から、愛の女神アフロディーテの名前をもじった。妹のエルスは、性の神エロスをもじったもの。エトナはイタリアに実在する火山で、怪物テュポーンを封じた伝説がある。

　長命種のメリア。白いバラが咲く一族に生まれた。本来なら冒険者にならずに家業の庭師を継いで一生を終えるはずだったが、彼女が庭師として修業をするため家を離れている間に、故郷は蛮族の襲撃を受けて壊滅してしまった。知らせを受けて戻ってきた彼女が見たものは焼き尽くされ、灰と化した故郷。その中から彼女の家だった場所に向かうと、まだ土に植える前の種が一つだけ残っていた。本来なら、彼女の妹か弟となるはずだった種。その種を抱きしめると、彼女は復讐を誓った。

　彼女は冒険者の世界に足を踏み入れた。慈愛と復讐の女神ミリッツァを信仰し、プリーストとして魔法を振るい、メリアとしては恵まれた体格（身長160センチのメリアの女性が重そうな片手剣と片手盾を持っている時点でお察しだろう）で剣を振るい、彼女は多くの蛮族を屠ってきた。

　気が付くと、彼女の体から生えたバラはいつからか蛮族の返り血で赤く染まっていた。

　ある日、彼女がふっと気を抜いたその隙に、彼女をねたんだ冒険者の一団が種を盗み出した。すぐに気が付いた彼女は冒険者たちを追いかけ、種を奪い返そうとした。彼らが「バラが咲くメリアは見目麗しいものが多いから、貴族などに売り渡せばいい金になる」「だから俺たちが蛮族どもを焚き付けてお前の村を襲撃させた」「すぐにでも種を回収したかったが、一番上玉な種はお前がずっと持ち続けていた」と言い放った時、彼女は怒りのあまり我を失った。……気が付くと、彼女の足元には冒険者たちの躯が転がっていたという。種は無事だったが、彼女は「仲間だと思っていたものたちを手にかけてしまった。ギルドにばれたらランクをはく奪されてしまう」と恐慌状態に陥り、種を抱えてがむしゃらに逃げ出した。

　気が付くと、彼女は隠れ里にいた。エルフのアーチャー夫婦、レプラカーンのドルイドとバードの夫婦、先だった愛しい人族の墓を護るソレイユのバトルダンサーの女性。彼らは血に濡れた彼女を受け入れてくれた。人族の人生は短いから、彼らがあなたの行いを知ることなく、忘れてしまうまで、ここにいたらいい、と。

　現在彼女は、容姿を変えて、隠れ里で唯一の身内である種から生まれた妹・エルスを育てるため、そして蛮族の中にいるであろう自分の敵を討つため、戦い続けている。

　

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