容姿・経歴・その他メモ

【経歴表】
役に立たない知識を持っている
近所では1番の物知りだった
引きこもっていたことがある

【冒険に出た理由】
故郷を滅ぼされたので

マカジャハット王国の片隅にある村に住まう画家の両親の元で生まれ育った。
両親共々、名の売れた画家であったため、家の隣に小さなアトリエを与えられるなど、何不自由なく、ラルスも幼少時代から絵に打ち込むことができた。
他人よりは明らかに才もあったが、圧倒的な両親の才能と周りからの期待に押し潰され、アトリエに籠って出て来なくなった。

引きこもり生活が半月ほど経った頃、ラルスのアトリエに来訪者が現れる。
それは、グラスランナーの少年…いや、正確には、少年に見間違える容貌の青年だった。
兎も角、その来訪者は、突然現れては、アトリエの前で歌を歌い始めたのだ。
彼の歌は、世界の広さを歌ったものだった。
村の…自宅とアトリエ近辺しか世界を知らないラルスにとって、扉越しに聞こえるその歌はとても興味深いものであった。
歌が終わる頃、アトリエの扉を開けると、青年は律儀に一礼しニコリと微笑む。
手持ちの金（といっても小銭程度だが）を渡そうとするラルスに対し、彼は「キミの絵が欲しい」と言った。
「自分の絵にはいくらの価値もない」と断ろうとするが、「それを決めるのはキミじゃない」として譲らず、それならと彼をアトリエに入れ、1番気に入った物を選んでもらった。
彼はラルスの描いた蝶の絵を選んだ。

それからというもの、彼は頻繁にラルスのアトリエを訪れては、歌を歌い、ラルスの絵を貰って行った。
彼は植物や動物の絵が好きなようで、ラルスは自然と画題を求めては外に出るようになった。
外に出て、絵を描いていると、今まであまり縁のなかった村の子供たちとも話をするようになった。
村の子供たちは、ラルスに絵の教えを乞い、代わりに「川に見たこともない魚がいた」「今、森の影に鹿が来ている」などの情報をくれた。

アトリエからすっかり自然の絵がなくなる頃、グラスランナーの青年はいつものように歌を歌った後、「次に会うのはキミの絵に高値が付くようになってからかな」と笑って、最近描き上げた野ウサギの絵を持って行った。
それから、彼はさっぱり来なくなってしまったが、ラルスは寂しくなかった。
次に会う日を夢見て、邁進していた。

成人したラルスは、自分の腕試しも兼ねて、絵を売るための行商に出ていた。
持っていった絵が売れて、ホクホクと帰ると、村は蛮族に荒され、見る影もなく…自宅が…アトリエが…友の家が……村が…全てがなくなっていた。
荒れ果てた村中を走り回ったラルスだったが、ついに人1人…いや、その死体すらも見付けることは出来なかった。

旅の荷物と、行商で得た金を握り締め、ラルスは村を町を転々とした。
金が底を尽きる頃、ラルスが辿り着いたのは、魔動死骸区だった。
着いた途端、残り少ない金は盗賊に奪われた。
絵しかやって来なかったラルスは、当然、身を守る術も持ち合わせておらず、良いように弄ばれ、気付けばスラム街で生活するようになっていた。

それでも、持ち前の観察眼と努力で、生き抜く術を身につけていく。
仕掛けられた罠を見破り、相手の隙をついて、金品を盗む…。
ワザと相手を挑発して、注意を引くなどという芸当が出来るようになった頃には、その日暮らしの生活をすっかり脱していた。

ある日、魔動死骸区にグラスランナーの少女が連れて来られた。
どうやら、近くをうろついていた所を捕らえられ、賭博の景品にされてしまったようだ。
少女は震えた声で、懸命に歌を歌っていた。
その歌を聞いて、ラルスは幼き頃に出会った彼を思い出す。
気付いた時には体が動いていた。
相手を挑発し、かわし、盗む…対象が少女になったとて、ラルスには造作もないことだった。

少女を連れて、ラルスは魔動死骸区から出ていくことにした。
コロロポッカから来たという少女を森に送った後、マカジャハットに戻り、居を構え、ジニアスタ闘技場に出入りするようになる。

履歴

【カラーコード】
#556b2f

セッション履歴

収支履歴