本名：スヴァンフヴィート・ヘルヴォル　svanhvít Hervor （白鳥のように白い　軍勢の守り手）

ウルシラ地方スフバール聖鉄鎖公国で代々騎士や軍師を輩出する名門ヘルヴォル家の双子の長女として生まれた。
幼少の頃より兄弟揃って英才教育を施される。兄フォルセティは騎士の道へ。しかし剣よりも弓と軍略の才能があったスヴァンフヴィートは、軍師としての道を歩み始める。

研鑽を積み、小さな部隊の参謀役に抜擢されたスヴァンフヴィートは、魔神侵攻の気配あり、との一報を受けて公国最北の街ベイセに派遣された。
そこで敵軍勢の戦力を調べる斥候部隊として出撃したのだが、小隊長の不注意から敵軍内に深入りして包囲されてしまう。
スヴァンフヴィートは小隊長に代わって部隊を率い、決死の覚悟で脱出に成功したのだが、小隊長ほか数名の部下を残して隊は壊滅してしまった。
責任を問われることを恐れた小隊長は、自身のミスをスヴァンフヴィートになすり付けることを画策した。「彼女が指示を無視して突出したために部隊が壊滅し、真っ先に逃亡した」と報告したのである。
もちろんスヴァンフヴィートはそれを否定したが、彼女を支持していた部下が皆戦死して擁護する者がいなかったこともあり、彼女の釈明は聞き届けられずに、罪を負わせられてしまう。戦時の敵前逃亡者は、最前線のダール要塞に送られる決まりである。スヴァンフヴィートは罪人としてダール要塞周辺の開拓民扱いで移送されることになってしまった。

一連の騒動の中、ヘルヴォル家は娘の無実を信じていたものの、魔神侵攻の際に取り潰されたヴェリテ家の一件を鑑みて、公国に反論することは諦め、娘を切り捨て家名を存続させることを選択した。
しかしスヴァンフヴィートの命だけは救うために、移送中の馬車を盗賊に扮した手勢の者に襲わせ、彼女が脱走するのを秘密裏に手助けする。
その混乱のさなか、スヴァンフヴィートは家が取った選択を知り、もし家に戻れば一族の名を貶めることを悟って、国を離れることを決意したのだった。

彼女は名を「ヴィー」と変え、追っ手から身を潜めながらウルシラ地方、ドーデン地方と南下し、ついにオーレルム地方に足を踏み入れる。

もう家には帰れない。帰らない。
そんな行き場をなくした者でも受け入れてくれると噂される秘密の里、隠されたオアシス(マカブ)を目指して。

一人称：私
二人称：君、貴殿、貴公、貴様
男性口調で話す

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