【念動術源流・魔刻の手】
(ラクシア全土)- 入門条件
- 50名誉点
念動力を技術として体系化することを最初に試みたのは、ケルディオン大陸のある地方に存在した、〈トークス=アーネン〉という魔法研究組織(現代で言う魔術師ギルド)だったという説が有力視されています。
時期は魔動機文明勃興より数百年前。魔法文明亡きあとの魔術師たちの懸念事項の一つは、拠点が魔神や蛮族、盗賊といった外敵から襲われたとき、如何にして攻撃から身を守りながら魔法を行使して敵を撃退するか、ということでした。硬い鎧を着れば動きまで硬くなり、魔法文字を宙に書くことは難しく、魔法を満足に使えません。〈トークス=アーネン〉の魔術師たちは、神紀文明からしばしば偶発的に見られた「手を触れず、魔法も使わずに物を動かす力」を解明することで、自由に動かせない手を使わずに魔法文字を書くことを思いつきました。魔術師たちは、人族より前から念動力を使用して生活していた蛮族や幻獣、謎の原理で浮遊するアンデッドや魔法生物、魔法を使えない代わりに〈マナの手〉を持つ人族、といった存在を対象に、さまざまな実験を行いました。言わずもがな、それらの実験の中には現代から見れば非人道的なものもあったようです。
やがて〈トークス=アーネン〉は、現代にも伝わる念動力の源流となる魔法【ルーンハンド】を作りました。魔法文字を書くための手を発現させるこの魔法は、使い勝手がいいとは言い難いものの、魔法使いが鎧を着込まなければならない時代には合致していたと言え、数百年を掛けてラクシア中の魔術師に広がりました。その後、各地の魔法使いによって【ルーンハンド】を元に〈念手〉という技法が開発され、さらに〈念手〉によって魔法を行使する《念刻》が開発されますが、その頃ラクシアの歴史は魔動機文明黎明期に入り、念動力は戦闘技術としていっときは注目を集めたものの、いずれ多くの魔法とともに見向きもされなくなり、【ルーンハンド】に連なる技術もまた廃れていってしまいました。〈トークス=アーネン〉も魔動機文明初期には解散し、現在では世界各地の魔術師ギルドに点々と当時の資料が残っているばかりとなっています。その技を学びたければ、魔術師ギルドとのコネクションを持ち、現代でも念動力を探究する稀有な魔法使いを探し出さなければならないでしょう。
(⇒サイキック技能)
流派装備
秘伝
《念刻》
- 必要名誉点
- 30
- タイプ
- 独自宣言型
- 前提
- 《念動力成長Ⅰ》
- 限定条件
- なし
- 使用
- 真語魔法、操霊魔法、深智魔法
- 適用
- 1回の魔法行使
- リスク
- なし
- 概要
- 〈念手〉で真語魔法、操霊魔法、深智魔法を行使するときに宣言、〈念手〉の数ぶんペナルティ修正を軽減
- 効果
〈念手〉で魔法文字を書くことに集中し、精度を高めます。複数の〈念手〉で補助することによって、魔法をさらにブーストすることも可能です。
〈念手〉に持った〈魔法の発動体〉を使用して、真語魔法、操霊魔法、深智魔法を行使するときに宣言できます。宣言すると、2本以上の〈念手〉で魔法を行使することができ、魔法行使時に使用した〈念手〉の数と同じだけ、〈念手〉でこれらの魔法の魔法行使判定を行う際のペナルティ修正(通常時は-4)を軽減します。このとき、魔法行使に使用する〈念手〉全てに「用法:1H」の〈魔法の発動体〉を持っていなければいけません。
秘伝魔法
真語魔法、操霊魔法、深智魔法が1つずつ伝わっています。
- 5
- ≫【真語魔法:エレクトロキネティック・ハンド】
- 必要名誉点
- 30
- 消費
- MP5
- 対象
- 術者
- 射程/
形状 - 術者/
―
- 時間
- 10秒(1ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 概要
- 威力0の魔法ダメージを与える念動武器〈念雷〉を〈念手〉に装備する
- 効果
術者は青白く光る稲妻〈念雷〉を操れるようになります。
効果時間中、術者は〈念手〉の1つに念動武器〈念雷〉を装備します。この武器は、〈念動〉Bランクで「用法:1H」、必要筋力10、威力0、C値⑩です。また、〈念雷〉による攻撃は雷属性、与えるダメージは魔法ダメージ、「抵抗:精神抵抗力/半減」となります。〈念雷〉による攻撃を行ったとき、その手番の最後に受けるバックラッシュによる確定ダメージが「2」点増加します。
〈念雷〉は光源となり、半径10mを照らします。また、〈念雷〉は手放すと霧消します。
この魔法は、1つの手番に1度しか使用できません。真、第五階位の動。電撃、魔手⸺念雷
ヴェス、フィブ・ア・ザル。エルタリア・ケリマジア⸺ケリヴロト
- 5
- ≫【操霊魔法:グリフォキネティック・ハンド】
- 必要名誉点
- 30
- 消費
- MP10
- 対象
- 術者
- 射程/
形状 - 術者/
―
- 時間
- 3分(18ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 概要
- 自身のすべての〈念手〉に〈魔刻の手〉と同等の効果を与える
- 効果
効果時間中、術者が発現させている〈念手〉は、すべて常に「用法:1H」の〈魔法の発動体〉を持っているものとして扱います。効果時間中に〈念手〉で武器やアイテムを持つことも可能です。また、この魔法によってバックラッシュによる確定ダメージが増加することもありません。
操、第五階位の動。魔文、魔手⸺刻手
ザス、フィブ・ア・ザル。リュヴェルバ・ケリマジア⸺ケリグリフォ
- 9
- ≫【深智魔法:ルーンハンド】
- 必要名誉点
- 50
- 消費
- MP10
- 対象
- 術者
- 射程/
形状 - 術者/
―
- 時間
- 3分(18ラウンド)
- 抵抗
- 任意
- 概要
- 〈魔刻の手〉を1本発現させる
- 効果
術者は青白い煙のようなものでできた浮遊する手、〈魔刻の手〉を1つ発現させます。この手は常に「用法:1H」の〈魔法の発動体〉を持っている追加の手として扱います。〈魔刻の手〉で真語魔法、操霊魔法、真語魔法を行使する際、鎧の制限を受けませんが、魔法行使判定には-4のペナルティ修正を受けます。〈魔刻の手〉は、魔法行使以外に使用することはできません。
この魔法は3回まで累積し、術者は3本まで〈魔刻の手〉を発現させられます。また、効果時間中、術者はこの流派の秘伝《念刻》を習得します。術者がサイキック技能を習得している必要はありません。効果時間中に《念刻》を宣言する際は、効果中の〈念手〉を〈魔刻の手〉と読み替えてください。
この魔法の効果時間中に〈念手〉を発現させることは出来ず、〈念手〉発現中にこの魔法を行使することもできません。
この魔法は、1つの手番に1度しか使用できません。深、第九階位の動。魔文、刻印、遠隔⸺魔手
ダヴ、ノヴィエ・ア・ザル。リュヴェルバ・ソー・モートゥス⸺ケリマジア