魔術研究王国(ハールーン)の中でも最先端技術を研究している星座の町(サイレックオード)に浮かぶ星、テルメアルノの出身。
仮死状態から目覚めたホルフックと悪友関係で、互いに研究に関して話を推し進める事もしばしばあった。

テルメアルノでの研究の中で有名な物の一つに、｢天候の研究｣というものがある。
浮遊するこの土地は天候の影響を受けづらく、そのせいで水の確保にやや難を要する点がある。
ベアトリス自身もこの問題を少しでも改良できればと日夜研究に勤しんでいた。
しかし、彼女は｢得た知識｣を自分の物として扱う事はできてもそれを応用して何かを産み出すと言う事があまり得意ではなかった。
教科書の内容を暗記して自身に見合ったものは身についても、発想する力が足りていなかったのだ。

先人たちと比較して自力では何も前進できていないと焦りを感じ、ある日思わずホルフックに愚痴をこぼしてしまった。
彼はその事に対して特に悪感情を抱く事などは無く、親代わりであったテルメアルノの代表者のイラ・リーヴスに相談を持ち掛けてくれた。

イラはベアトリスの苦悩を否定する事無く、しかし断言した。
──君は、確かに他の研究者より歩が遅い事に違いは無いだろう。しかし君に足りないものは｢発想力｣ではない。この星の外の知識をほとんど持たない君には｢視野｣が足りないんだ──


外の世界。
成程、確かにベアトリスは生まれてから一度も研究の星(テルメアルノ)を出たことが無かった。
親しみやすさを持ち周囲に馴染むホルフックと違い、自己の想いにただ愚直であるベアトリスは研究一辺倒で人付き合いも薄かった。
そういった、視点の違いや経験からくる発想の違い。
｢気付く｣為のきっかけを得られる環境がベアトリスには無いのだと、そうイラは語った。

彼の言葉に納得したベアトリスは、すぐさま旅の支度を整える。
イラとホルフックに相談に乗って貰った感謝を告げ、出立の挨拶代わりにこう告げたのだった。

｢ベティーは世界(ラクシア)を巡って、色んな知識を得て。戻ってきたらお前らにも教えてやるのよ。
そうすればベティーだけじゃなく、今後のお前らの活動の糧にもなるかしら。
こういうのを、うぃんうぃんの関係って言うかしら。精々楽しみに待ってるといいのよ。」

そうして彼女は世界を巡る。
一つの土地に縛られる冒険者としてではなく、自分の意思で知らない土地を回る事ができる放浪者として。

【経歴】
・ゴクモーク産の金属製品を所有している
・トリネスで航空事故を起こしたことがある
・ステアラで《永久氷片》を拾った事がある

【冒険に出た理由】
・無理やり巻き込まれて

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