〇疾風怒濤
ファストアクションを自力で取得した戦闘中ダメージに＋スカウトレベルを追加（物理、魔法問わず)

グリフ(ブラックダイヤのドラコ・プラチニジウム)
【レベル１３～１７】
【モンスターレベル】：１３～１７　【分類】：魔法生物
【知能】：なし　【知覚】：五感　【言語】：ー
【知名度】　：４０　　【弱点】：??　　【移動速度】：２０/４０(飛行)
【生命抵抗力】：コンジャラーレベル＋術者の生命Ｂ　【精神抵抗力】：コンジャラーレベル＋術者の精神Ｂ

【攻撃方法】：牙（胴体）
【ＨＰ】：術者の生命Ｂ×コンジャラーレベル+５０　【ＭＰ】：ー
【命中力】：コンジャラーレベル＋術者の器用Ｂ　【打撃点】：コンジャラーレベル＋術者の筋力Ｂ
【回避力】：コンジャラーレベル＋術者の敏捷Ｂ　【防護点】：コンジャラーレベル＋術者の生命Ｂ

【攻撃方法】：翼（翼）
【ＨＰ】：騎手の生命Ｂ×ライダーレベル+２０　【ＭＰ】：騎手の精神Ｂ×ライダーレベル+５
【命中力】：コンジャラーレベル＋術者の器用Ｂ　【打撃点】：コンジャラーレベル＋術者の筋力Ｂ
【回避力】：コンジャラーレベル＋術者の敏捷Ｂ　【防護点】：コンジャラーレベル＋術者の生命Ｂ

【特殊能力】：（◯：常動型　〆：主動作型　☆：補助動作型　レ：宣言型　▽：条件型　▼：条件選択型）

コア部位：胴体
部位数：３（胴体/翼＊2）

●全身
〇強化ゴーレム
インテンス・コントロールの効果を2倍にして受けることができます。
≪武器の達人≫を習得している場合、この効果は3倍に変更されます。

〇？？？？？
HPが0以下になった部位はクイック・リザレクションを受けることで蘇生し、HPが最大値の半分まで回復します。

☆収納
術者のMPを冒険者レベル点消費することで1日の間、手のひらサイズの彫像になります。
彫像になっている間、このゴーレムは行動できません。
この状態は補助動作でいつでも解除できます。

●胴体
☆霊の手助け
術者のMPを冒険者レベル点消費することで1Rの間、あらゆる行動判定に＋６のボーナスを得ます。
更に生命・精神抵抗に＋３のボーナスを得ます。
この能力は戦闘準備のタイミングでも使用可能です。

〆霊言魔束眼
ゴーレムを能力強化のアンプとして用いる。
術者は冒険者レベル点だけ術者自身のMPを消費することで1Rの間、命中判定の達成値を＋「知力B/2」します。
この効果は2回まで重複させることができます。
この効果を使用するには、Sランク以上の任意の武器習熟が必要です。

☆常勝思考の魔力
機動力にものを言わせて、魔力の結晶塊を押し流す。
霊言魔束眼の効果を受けている術者のMPを冒険者レベル点消費することで1Rの間、
術者は主動作の近接攻撃に「穢れ点＊（敏捷B）」点の追加ダメージを得ます。
この効果は、術者が禍津・罪打ちを宣言している場合のみ有効です。
この効果は2回まで重複させることができます。
この効果を使用するには、Sランク以上の任意の武器習熟が必要です。

〇霊呪縛陣
バインドオペレーションを行使する際、消費するMPを2倍にすることができます。
そうした場合、対象が受けるダメージをバインドオペレーションが持続する間だけ、10点増加します。
この効果は3回まで重複させることができます。

○法花開目
戦闘中、【レイス・フォーム】の効果の一切を、以下の内容に書き換えます。
術者は肉体を抜け出し、レイスとして肉体を武器として操作します。
≪☆常勝思考の魔力≫の効果を受けている間、術者の行う2H武器を使用した近接攻撃のダメージを3倍にします。
この効果はバトルダンサー技能レベルが17以上かつ、≪武器の達人≫を習得している場合のみ有効です。

●翼
〇献身の手
白金の中に奇妙な揺らぎが発生する。
術者は主動作の近接攻撃に「コンジャラーレベル」点の追加ダメージを得ます。
インテンス・コントロールの効果を受けている間、この効果は2倍になります。
この効果はHPが1点以上の[部位：翼]の数だけ重複します。

〔解説〕
とある伝手で入手した特殊なゴーレム。
神聖さすら持ち合わせる白い光沢の装甲が特徴的。
時折、どこか懐かしい挙措を見せる・・・・気がする。

「ある少女を探している」と、一人流れ着いた放浪者の少年。
『ブラックダイヤ』という偽名を名乗り、自身の素性を隠している。
未だ若年であるにも関わらず、魔法戦士としての力量は既に超越級の熟達者であり、依頼に同行した者達を驚愕させる。
『喪服を着た人外』『死神』と他人に印象付ける装い、依頼遂行に対する極度にストイックな姿勢、無機質に敵を確殺しに行く姿は、強い近寄りがたさを人々に感じさせるが、裏腹に仕事の外、正しく安らげる時間において彼は、少し愚かで良く笑う、年相応の気さくな少年になる。彼を取り巻く威圧感の殆どは、自身の踏んだ場数によって積み重ねられてきたものであり、本来あるべき少年の姿を、覆い隠している。
日常、よく笑顔の中に空元気が混ざる瞬間があり、その都度、遠くの虚を見詰める。

旅の闇葬儀屋を営んでおり、訳ありで神殿に持ち込めない遺体の火葬、どうしても失うことが出来ない家族の蘇生の相談などを、時折請け負っている。その仕事自体は禁忌の所業ながらも、無縁死体のアンデッドが人に襲い掛かる事を防ぎ、心身追い詰められ切った遺族達の後追い自殺を止める。本人は自己満足などと自嘲しているが、それは『死人の為等ではなく、生きる人の為に魔法を使う』という、確かな信念の元で行っている活動に外ならない。故そこに利の追求など無く、第二の死に直結しないような遺体の蘇生は、どれだけ金を積まれようと断る。また、手の施しようがない遺体放置期間に、詐称をもって蘇生依頼を持ち込まれた場合、再発の防止として一度、依頼人の目の前でアンデッドとして蘇生させ、破壊して見せる。
一見、死者を蔑にする様振舞っている彼だが、彼の周囲でマナに変換される死霊の魂達は皆、驚く程協力的に彼へ付き従う。その事実は、常に死者達の嘆きや願いと正面から向き合い、律儀に苦悩し続け、時には聞き動いてやってしまう彼の本性を、雄弁に物語る。決して迷いの無い信念などではなく、無機質な死神の仮面の裏は、常に“救える絶望を選び続けなければならない葛藤”と、闘い続けている。
そんな自身の仕事や葛藤を、嬉々として増やす様な輩、つまり、意味無く殺戮を行う者の存在を、少年は絶対に許さない。

無数の怨霊さえ時に味方に付ける程の強大な操霊魔力と、機動戦闘に特化した熟練の戦闘スタイルは、敵にその手を打たせないまま、致命的な呪いで死へと追い込む。
その大振りな大鎌が鈍った敵を切り裂く時、正しくただ一撃の元、その敵の死を確定させる。
極端に火力と機動力に特化したこの戦術は、彼自身の肉体の虚弱性に端を発する。生まれつき貧弱な彼の肉体は、一撃の被弾さえ致命傷となり得る。故にほぼ全ての攻撃を掻い潜らねばならず、試行回数を重ねられる前に殲滅が出来なければ、彼は前に立つことが出来ない。危険に晒され続ける戦場で、文字通り死に物狂いとなり、確立した戦術である。
ここまでの事をしてでも、その魔力を生かして後ろに下がることを選ばなかった彼のスタイルは、『自分一人が前に立ってでも、その後ろに庇っておきたい誰か』の存在を彷彿とさせる。
・・・しかし、今の彼は誰の目にも、たった一人で居る様にしか見えない。

彼の本来の名、『ザラキール・Ｄ・レクイエスカス』とは、かつてアルフレイム大陸のキングスフォールにて、異例の年少さで<始まりの剣>にまで一度は上り詰めた元冒険者の名であり、また、ある事件の犯罪者の討伐排除に向かった冒険者達を妨害し、大量に殺戮した罪で現在逃亡中、行方不明の指名手配者の名でもある。ブルライトでは追っ手と刺し違えになり死亡したとの噂も流れているが、実状はこうして生き永らえ、あまり名の知れていないテラスティア大陸まで流れ着いている。
彼の庇った犯罪者とは、ある少女に<魔神の種>を植え付けた罪で指名手配となった魔神使いである。事態が発覚し、解呪が行われた被害者の少女は、本心からその魔神使いを擁護し、共に逃亡した。そもそも少女は、強力な魔神に閉じられた魔域からの脱出を試み、同行していた先輩の魔神使いの力となる為、自らその身を差し出したのだ。魔神使いは、同行する仲間達を護りたかっただけだった。
全ての事情を恐らくは知っていたであろう彼が、どちらを護ろうとしていたかと言えば、それは・・・

まだ若年である彼はしかし、冒険者業を既に５年、魔法使いの歴に関しては１０年と積んだ、人間としては正真正銘、熟達した魔法戦士である。この若さは一重、彼の経歴に起因する。

彼は、信じる神を持とうとしない。
その不信仰たる姿勢はしかし、嫌悪から来るものではなく、神への敬意から端を発している。『この家業はそもそも神に背き続ける行為であり、それを承知で生きて行く以上、神に祈ることは許されない。その祈祷自体が、神への冒涜に外ならない。』と、幼少より教え込まれた彼は、日に日に親の仕事が禁忌の所業であると理解して行き、その教えに納得をした。

『今を生きる人の為に、魔法を使え。失いたくなければ死なせるな。それが出来ない操霊術士に残るのは、死神の汚名だけなのだから。』
父は少年に、戒めを残した。

現在彼が営んでいる葬儀屋業は、家業を継いだものであり、その軸となっている今の信念は、幼少の折に父から言い聞かされたものだった。少年は『神を冒涜する家の呪われた子』として、里から迫害を受け続けたが、親は寧ろ、子の受けた呪いが自らに起因したものという自覚を持っており、精一杯に少年を愛した。それを受けた少年は、人を救い続ける父の背中を見、わずか６歳で魔導書を手に取る。

“一人前”になる為少年が取り組んだものは、『勉強』などと生易しい物ではなく、『修行』という言葉ですら温い、まさしく『苦行』と呼べるものだった。ただの魔法使いでは、アンデッドを生み出してしまった際に、攻撃を躱すことすらままならない為、必修として戦士の訓練も受けた。夕暮れ時、傷だらけの痣だらけのまま戻った身体で、夜更けまで魔導書の熟読。叩き込む当の父は、教えるからには真剣にと訓練したが、少年自身が家業を継ぐこと自体には反対しており、家の手伝いもあくまで、操霊魔法の使い方を戒める目的でやらせていたものであったため、厳しい訓練の暇、諦めを諭すことが幾度と無くあった。里の人々は、『やはり呪いの子も、邪悪な魔法を身に付け始めた』等と、自身の子供たちに石を投げさせた。いつかその力が整った時、多くの人を助ける力になると自身に言い聞かせた所で、『お前は要らない。その力は必要ない。』と、一番助けになりたい相手に言われ続けた事は、幾度と無く少年の心を抉った。

そんな彼の日々を支えたのは、当時魔法使いの家同士で付き合いがあった、近所住まいの少女だった。その幼馴染み自身に大きな自覚があった訳では無いが、彼女は冒険の物語、新しいものを好み、時折秘密で少年を呼び出しては、目新しい魔法に目を輝かせた。陽気で活気があり、妖精魔法を親に習っているとのことで、里の子供達の人気者だった彼女は、少年を時折遊びの輪へ混ぜた事も在った。『いつか、一緒に冒険へ。』という誘いと共に、努力を何度も肯定してくれた少女に、少年は憧れ、力を貰い続けた。

しかし、少女と共に冒険者になる事は、叶わなかった。
“仕事を全うした事で”父がハイレブナントに殺され、１年足らずが経過した後、里の守護者を失った里には、大量の蛮族が押し寄せた。
少年が一人で夕方まで山に修行へ出かけていたその日、里は丸ごと火の海と化し、住んでいた人々の殆どは、皆殺しにされた。少年の母親でさえそれは例外ではなく、戻ったその身で探し当てた唯一の生存者は、小さな蛮族に群がられ、精神を破壊し尽くされ声を失い、何も身に付けず横たわった、幼馴染みの少女ただ一人だった。自身で打倒せる雑魚共を薙ぎ払い、上着を羽織らせた彼女を連れ、少年は暗闇の中を逃げ出した。身寄りを他に全て亡くし、からがら街にたどり着いた少年は、少女を養って行く為に、１１歳で独り、冒険者となった。

種族としての迫害が少ない事に驚きながら、少年は毎日をがむしゃらに、片端から依頼を受け続けた。大金を稼ぐために高額な依頼を受けては、危険に見舞われ、依頼に騙され、“戒め”を破り人を殺すこともあった。傷だらけの身体を引きずり、手土産と聞かせられる土産話を抱え、少女が閉じ籠る部屋へと帰る。全ては、彼女の笑顔を取り戻す為、声、彼女の魔法を取り戻す為、いつか共に冒険に出る事を夢見て、他の全てを取りこぼし、最後に残った命だけは護り抜く、その為に。幼い少年は目まぐるしく成長し、２年の月日で<始まりの剣>級までに匹敵する単身での実力と、評価を身に付けた。その間、残酷なまでに積み重ねられた汚れ仕事主体の経験と、少女に近づく障害を刈り続けた日々は、少年の大切にしていた理想、正義を、破壊し尽くした。傷の痛みと、死人の悪夢に魘されながら、それでも少女の目の前では、笑顔の仮面を被り続けた。

その２年間という時間で、少女の精神に負った傷は、一生残る筈だったものを急激に回復した。ようやく取り戻した声によって、少女は少年に、礼と、“別れ”を告げた。毎日持ち帰られる新しい傷、日に日にクマを濃くし、光を無くして行く少年の目、夜垂れ流されるうわ言と涙、それらと引き換えに送られ続けた、良い食事、高価過ぎる品、病的な顔に貼り付けられる、日に日に上達していく笑顔、その全てに、耐える事が出来なかった。全てが自分の為に少年が“捨てた結果”の産物である事実に、苦しみ続けて来た。
極めつけは、ある日蛮族に誘拐された彼女を少年が探し出し、その隠れ家で育っていたウィークリングの子供たちを、顔色一つ変えずに殺しつくした事だった。
少女は少年を“自身から救う為”、懸命に気の遠くなる意識改革を繰り返し、奇跡を起こした。少年にもう一度、自分の魔法で本当に救いたかった人々を、もう一度思い出させるため、一人立ち去る決断をした。かくして少年の手元には父親の予言通り、自身が死神に成った事実だけが残った。

１年、目的も無く仕事だけを続けていた少年は、新米冒険者として一人立ちした少女の様子が気になり、顔を見に向かった。

久しぶりに出会った彼女は、魔神の苗床となっていた。

最優先で解呪者を探しに駆けずり回った後、魔神使いを殺しに向かおうとした所を少女に止められ、事情を聞いた所、『脅威度を見誤り閉じ込められた魔域で、同行していた先輩冒険者の魔神使いに苗床を使用させることで、辛くも生きて帰って来ることが出来た。パーティー全員を生きて帰すための行動であり、苗床と成るのは自分から名乗り出た。』との事情を聞き、踏みとどまる。既に少年が神官探しで触れ回ったおかげで、魔神使いの指名手配が始まってしまっており、彼女は魔神使いと共に逃げる為、行動する決意を固めていた。

少年は、嵐の様に襲い掛かる追手冒険者達の大群と、一人刺し違えた。

以前仲間だった冒険者に、瀕死のところを助け出され、一命を取り留めた。こうして自身も指名手配犯となった少年はアルフレイムを脱出、放浪者として転々としながら、伝を伝ってテラスティアまで、数年を費やし流れ着く。全てを無くした自分に、今出来る事をする為に。行方を見失った彼女が、無事に平穏を手に入れられたのかを、確かめる為に。死神は彷徨い続ける。

偽名の由来は、妖精使いを目指した少女へかつて自身が送った宝石の名を、そのまま彼女が偽名に使ってくれた為。また、いつか魔法を見せた幼年期、少年の魔力光を見た少女が、『ダイヤの様な銀色の光』と形容した為。