両親と、2歳上のレイニーという姉がいる。
家族揃ってキルヒア信徒であり、父はキルヒア神殿が運営する幼い子供向け無料学術教室の教員、
母は元キルヒア神官の冒険者であり、父とは依頼を通じて出逢っている。
姉のレイニーとの関係は、幼い頃は仲の良い姉妹ではあったものの、
サニーが13、14歳に成長したあたりからはあまり良好とは言えず、最終的にはまともに話すらしていない。

サニーにとって姉レイニーは、最も愛する家族であると同時に、もっとも羨み妬む存在である。
レイニーは幼い頃から両親による徹底した英才教育を施されており、その教育もあってか神殿内では優秀な生徒として見られていた。
容姿端麗、頭脳明晰、人間関係も良好であり、更には在学中に神聖魔法を行使できるようになるなどその優秀っぷりは留まるところを知らず、キルヒアの教義に沿って共に生きる上で、サニーは明確に姉との力の差を感じ始めるようになる。
自分の同世代や教師、先輩後輩問わず、神殿内で関わる人の大半がレイニーの妹という目線で見るように感じ、自己の存在が姉ありきのものと考え、日々のストレスとなっていった。
また、姉が卒業後冒険者になると申告した際、母から家宝ともとれる神剣フラドを授かったことで、明確に自分の全てを姉はかっさらっていったと感じ、決別の意思表示として実家を飛び出した。
皮肉にも飛び出した初日、キルヒアではなくミルタバルの声を聞いたことで神聖魔法を行使できるようになり、満たされない欲求と姉に奪われたものを再び追い求め、姉の呪縛に囚われつつも放浪者となる。

姉が母から譲り受けた刃を持たない剣。形状は剣だが、本質的には筒や棒に近く、鞘も存在しない。
黒い刀身に赤い模様が刻まれており、ロックブック家においてはキルヒア神への祈りの神器・家宝・御守とされている。
禍々しい見た目と裏腹に、精神面において前向きな意味が込められており、
物理的にモノを斬ることができない代わりに、本来斬れない魂・心に干渉し、
迷いや卑念を取っ払い心の浄化をもたらすとされる。
この神剣が姉レイニーに渡ったことが、ヴァグランツになる決定打となった。

ヴァグランツになったサニーが、他の放浪者と共に攻略した魔剣の迷宮にて入手した謎の魔剣。
現状はただの剣と同レベルであり、特殊な挙動は一切しない。
にも拘わらず、自らこそが神剣フラドであると申告してきている。

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