少年の記憶の始まりは肌を刺すような寒さの凍土だった。
吹き荒ぶ雪と風の中で、傍らにいたのは物言わぬ死体だった。
必死の思いで洞穴へと身を隠し、手に持っていた重い武器と壊れてしまった通話のピアスを握りしめていた。

──数日後、少年は冒険者に発見される。
身体は冷たく指先は凍傷で感覚がない。
自らを探す声は同時に命を狙う声で、身体的にも精神的にも休まることのなかった少年にとってその救助者は神様のようにも思えた。

失礼なことを沢山してしまった自覚はあった。
彼らが自分の命を狙っているのかも、と思っていたから。
一度はその手を払い除け、拒んだ。
それでも冒険者たちは手を差し伸べてくれた。
二度目は、今度こそその手を取ることが出来た。
初めて口にした助けての言葉は、酷く掠れていた。

それからしばらくの月日が流れた。
少年の体は自身が知るよりもずっとボロボロになっていて、長期的な毒抜きや治療が必要だった。
身体も酷く衰弱していた。
リハビリや教育を経て、少年はゲオルグから選択肢を与えられる。

冒険者になるか、このまま働くか。

少年は冒険者になった。
自分もいつかあの冒険者たちのように、というのは自惚れすぎだろうが。その方が都合がいいのだろうが。
生きる希望を持てたから。

□仲間と冒険に行く
□強くなって武器を装備できるようになる
□友達を作る
□趣味を見つける

身長180cm細身
左脇腹に12という刺青？がある