容姿・経歴・その他メモ

優しそうなタビットの老紳士。
貴族らしい優雅な立ち振舞と思慮深く穏やかな物腰により表面上は柔和な印象を与えるが、その実タビット以外の種族を見下し目的のためには手段を選ばぬ冷酷な人物。
ワロキエ家は代々、タビットが本来の神性を取り戻し正しく世界を支配することをこそ悲願としており、貴族たる地位もその野望を達成するための足がかりとして手にしたもの。
ロレンスも例外なくその野望を受け継いでおり、タビット以外の種族は人族であろうが蛮族であろうがタビットに奉仕し支配されるために存在すると本気で考えている。
地域に溶け込みながら当主としての責務をこなしてきたが、40も半ばに差し掛かろうとする今が引き際と考え息子に家督を譲り、これよりは自らの足で世界を巡りタビットによる支配を成すための礎になろうとしている。
また、自らが高尚な存在と勘違いした他種族を跪かせ屈服させることに性的な興奮を覚える。

自分たちの思想が己の立場を知らぬ他種族に受け入れられる事はないと言うことは理解しており、現在のワロキエ家は主に投資などの堅実な資金運用によってウォーターディープ内での地位を確保しつつ、有力者たちから善良な隣人として認識されるよう努めている。
いつか来る決起の日まで、黒々とした裏の顔を気取られることなく地域に深く根を張り、悲願達成のための安定した基盤を維持し続ける事が当主の務めである。
ワロキエ家に生まれたタビットはこの行動原理を幼少時代から叩き込まれており、公の場で本心を見せることは滅多に無い。深く根付いたカルト思想は内々に秘めら続ける事で、より強固な信仰へと育ってゆくのだ。
そのためワロキエ家の嫡子は強い自制心を何よりもの美徳として求められ、その気質に欠く者はどれだけ優秀であっても一族の輪から排除される。
この傾向はワロキエ家の思想に従う者たち全体に多く見られ、タビット優生思想とも言える過激な思想を掲げた団体の存在が露呈することなく地域に根付く上で重要な要素となっている。

また、人材の発掘にも力を入れており、自分たちの思想に他者を引き入れるための手法としては、目をつけた人物に対して密偵による身辺調査を行った上で善良な投資家として接触し、有益なビジネスパートナーとして関係を築き上げてから、慎重に思想の誘導を行う。
慈善事業の一環として運営している孤児院でも、見込みのありそうな子供を選別し洗脳教育を行い優秀な密偵に育てている。

とはいえロレンスは隠居した身であり、ワロキエ家の嫡子としてその悲願に殉じる事に躊躇いはないが、それはそれとして今は人生の最後に自由を謳歌する期間とも思っているため、面白そうなことには興味津々で首を突っ込みたがる。
冒険者となったのは、若い頃愛読していた小説のような心躍る冒険を夢見ての選択でもある。


現在は長男が家督を継いでいるが、そちらも厳しい教育によってワロキエ家の当主としての典型的なメンタリティを形作られており、他人との接し方や価値基準などロレンスのコピーそのもの。個人的な嗜好などの些事はロレンスも把握していない。
次男はワロキエ家を継ぐには人格的な資質に欠け、利己的かつ享楽的・刹那的な振る舞いが目立ったため勘当されており、すでに手切れ金とともに遠方へ追い出され音信不通。
三男は長男と同じようにワロキエ家の男児として期待通りのタビットに育ち、現当主である兄に何かがあったときの予備としての立場を弁えつつ、その補佐に徹する形で責務を果たしている。

悲願が達成された暁には、真の神であるタビットの適切な支配の元であらゆる人々が平等に労働者としての地位を得る。
争いも対立もない平和で調和した社会、幸福と安寧を享受する理想郷での暮らしが、真なる支配者の手によって実現するのだ。

セッション履歴

収支履歴