容姿・経歴・その他メモ

履歴

魔法を使ってただただ楽な生活をしたいだけ＿＿と周りには口にしているが、その実、好きな事が自由に出来て安眠ができるような、平凡で穏やかな暮らしをしたいだけの、書生じみた服装の青年。年齢は100歳を超えたあたりで数える事を辞めたらしい。

裕福な家庭に生まれたものの、幼いある日に突如として大病を患う。周りに訊いても原因を詳しくは教えてはもらえなかったが(現時点でも知らない)、それは高レベルの神聖魔法を使わないと治らないような病気だったらしく、そんな自分を大魔法で治してくれた魔術師に憧れ、彼の許を訪れては魔法に関するあらゆる事を学ぶ日々を送っていた。
そんな中、自分の知る世界だけでは魔法に対する知識欲が満たせなくなって来たのもあり…師匠でもある魔術師は「まだ早い」と若干渋っていたようだけれど、まだ見ぬ外の世界で新しい知識を、魔法を識(し)ると言う目的の為に冒険者となった。

冒険者らしからぬ格好(※現実世界で言う所の着物)なので(種族は分からんが良いとこの坊ちゃんなんだろうな)と言う視線を向けられていたりはするかもしれない。そうでなくとも世間知らずな所は間々あり、大体の比較対象は魔術師なので価値観はそこそこズレている。
魔術師に憧れている故に色々と真似っ子をしていて、着物に関しても彼の普段着がそれだっただけである。何処で入手したものなのかは知らない。

種族的な意味で妖精神アステリアを信仰している傍ら、同じくらい賢神キルヒアの事も信仰している。

病気にかかっていたのは5歳～25歳の頃の話で、その期間はほぼ寝たきり、調子が良く起き上がれても実家の敷地からは出してもらえなかった故に、学生時代をほぼ棒に振ったばかりか卒業式や成人式等の式典は同級生たちと一緒ではなく、自室で1人きりで行われていた。
幸い友人や同級生など周囲との交友関係には恵まれていたので、寂しい思いをする事も病人と差別される事も、勉学に追い付けないと言う事態に見舞われる事もなかったものの、他者と比べると「想い出」と呼ばれる類はそう多くなく、時折取り残されているような心地になる事はあるらしい。
＿＿まぁそれも、魔術師との出逢いによって健康を取り戻してからは今までを巻き返してやる、と言わんばかりの勢いでエルフ生を謳歌した事によりほぼ上書きされては居るので、状況としてはトントンである。

アスを治した魔術師は一般的な人族であり、今アスと仲良くしている魔術師は彼の孫だか曾孫にあたるのだが＿＿不思議と代々、最初の魔術師に風貌がそっくりである事からして「もしかして魂が転生とかしてたりするのかな」とかファンタジーな考えをしたりしていた。
それを魔術師自身に訊いても何度も笑顔ではぐらかされているので(明確な答えを頑なに言わない為)、いつかその存在を超えた時に自身を蝕んでいた病気の真相と共に聞き出してやる、と言うよく分からない闘志を密かに燃やしている。
多分そんな大層なことではなく、ただ偶然に容貌が似通っているだけだとは思うが。

基本的には実家住まいで、しかし使用人達に頼りすぎることも無く、自炊もそこそこ行っている。
使用人達もアスが料理を趣味のひとつとしている事を知っているので、よっぽど危険なことでもない限りはルームシェアをしている者たちのような、自分の事は自分でやる、と言う風習を尊重して見守るに留めている。
端的に言えば実家で一人暮らし風の生活をしている、ようなものなのだろうか。

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