解説

　大破局の際に皇国兵器を作り出した張本人であり、旧ナカツ＝クニ領に存在する様々な生体兵器、生体機関、生体制御システムの異物全てに関わっています。元々はまっとうなナカツ＝クニの兵器開発局の責任者でしたが、彼が生体兵器を作り出すきっかけとなったのは自身の娘が蛮族の攻撃によって意識不明となり、そのままでは確実に死亡してしまう状況に追い込まれたからでした。その際、彼は延命治療をしても、いずれ蛮族に国が滅ぼされた場合、娘が助からないと悟り、意識の無い娘の体はそのままに、彼女の魂だけを覚醒させ、当時ナカツ＝クニが保有していた飛空戦艦のなかで唯一健在だったニライ・カムイに彼女を組み込み、彼女を国を守るための一つの兵器として運用しました。それでたかが外れたヤルダバオートは、蛮族の侵攻で包囲され、脱出も救出も見込めなくなった地下シェルターの避難民を根こそぎ生体兵器に改造し、蛮族軍へ特攻させ、多大な被害を与えました。現在の彼は、自身の研究をさらに研ぎ澄ますため、人であることすらやめています。その思想はもはや、手段と目的が逆転してしまっているといっても過言ではないでしょう。