バジリスクのウィークリングとして生まれたリンダは周囲の蛮族から蔑まれ、奴隷のような扱いを受けていた。
　ある日彼らの隙をついて拠点から逃げ出すことに成功したが、自然の中で生き残る術を知らないリンダは次第に困窮していった。
　そんなリンダを救ったのは一人の人族の旅人だった。
　(野営をしているところに飢えたリンダが襲い掛かり、魔神に取り押さえられるという最悪の出会い方だったが)彼はウィークリングであるリンダにも優しく接し、暴力の代わりに暖かい食べ物と新鮮な水を振舞った。
　魔神使いの男は言った。「もし君が人族のために蛮族や魔神と戦う覚悟があるのなら、私は君の保護者として寝食を保障し、これから一人で生きていく術も教えてやることができる」と。
　少し考えた後、リンダは彼を信じその手を取ることにした。

　それから数年後、一人前の召異術師に成長したリンダは一人でハーヴェスの街を歩いていた。
　少し前まで共に旅をしていた男が突然病に倒れ、治療のための貴重な薬草が必要になったためだ。
　目的地はフレジア森林国。男に残された時間を考えると徒歩は手遅れになる可能性があり、魔動列車を利用する場合は路銀が心もとない。
　短期間で纏まった金を手に入れるなら冒険者が一番だろう。そう考えたリンダは冒険者ギルドの門を叩くことにしたのだった。

　何度か冒険をこなして順調に貯金額を増やしていたある日、真新しい依頼書が目に飛び込んできた。
　新型魔導列車の道中のトラブルシューター要員。無事にこなせば1万Gの報酬を貰える上、運賃は免除。目的地はドーデン地方、キングスフォール。
　すぐさま依頼書をひっつかみ受付に受注する旨を伝えると、荷物を纏めて宿を飛び出した。

●容姿
　小洒落た格好をした赤髪のウィークリング。綺麗好き...というよりは、蛮族と同一視されることを嫌っている。
　理性的な振る舞いを心がけ、人族の知識や流行を積極的に取り入れることで人族以上に人族らしくあろうとする彼女を一目でウィークリングだと看破できる者は多くない。
　化粧品は仲間、石鹸は友達。身だしなみ用品は旅の途中だろうと決して欠かさず、彼女の通った跡はいつも石鹸の香りがする。
　
●性格
　飄々としていてつかみどころのない性格。
　種族や職業的な事情から、信頼のおける人物と判断されない限りは自分について話す機会は少ないかもしれない。
　遠回りで煙に巻くような言い回しを好んで使うが、根っこは義理堅く仲間想い。少なくとも自分の言ったことはきちんと守る。

　ミドルネームである"ミネストローネ"はリンダの初めて食べた文明的な食事に由来する。
　「ごちゃまぜ」「具沢山」などの意味があり、(ご存じの方も多いと思うが)名前の通りトマトをベースにしたスープに米や野菜をたっぷり入れて煮込んだ料理。
　何も持たない空っぽの自分が、いつかミネストローネのような様々な彩りで満たされるように...という意味を込めている。

●その他設定　思いつき次第適当に箇条書き
　一応料理が趣味だが、ありあわせの食材を適当に調理して食えるものにすることに特化している。だいたい男飯になりがち。
　繊細な味付けを求められる料理は不得意。料理工程を王宮のシェフとかが見たら卒倒する。

　異形型(見識判定=11)、気取り屋、声を掛けられた

　寸胴鍋に押し込められている、首のないカエル人間のような姿をした可哀そうな小魔。
　性格は主人に似て皮肉屋だが、リンダは魔神に対して塩対応なので何言っても無視されることが多い。
　こいつダメだと師匠に取り入ろうとしたこともあるが、そもそもの塩対応が師匠譲りなのでやっぱり無視される。
　自分の容器に食材ぶち込んで火にかけられたり、平時は物置きにされたりと雑な扱いを受け続けているが、主人への反逆の意志はまだ消えていない。
　ほとんどの時間を鍋の中で体育座りして過ごしながら、契約の隙を突く機会を虎視眈々と狙っているのだ。

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飛空船に乗ったことがある
田舎で育った
育ての親に拾われた

病の家族、恋人を救うため