ある日、私はランドール地方でできた魔域を討伐するためにイレイナさんとベルさんの３人で討伐しにいった。
話を聴くにイレイナさんとベルさんの出会いの場所が呑み込まれたとのこと。
思い出の場所が呑み込まれるのは嫌だろうなとは思ったから私も向かった。
ただこの魔域、かなり異色で。
まずおかしかったのはイレイナさんの様子だった。
ポッドを見てからずっと何か考え込んでいるようで。
心配そうに見ても大丈夫だとは言ってはいたけどベルさんの声掛けに反応が遅れていて。
きっと何かあるんだろうと思っていた。
そうなると次に気になったのが魔域にある部屋だった。
ひどく懐かしい研究所、味気のない部屋、かといえば明るく本棚等色々ある寝室、そして静かな町並み。
それらには影がいて。その影には妙に見覚えがあって。
そうして歩いていく内に閉じられたはずの記憶が呼び覚まされていっていく。

そうだ。前世のわたしはこの研究室で生まれ、あの部屋で勉強して、攫われたときに逃げたときにわずかながら幸せな生活を過ごして、愛を求めるだけの怪物になって。討たれたんだ。

ただ愛を求めて壊しまくるだけの怪物が嫌になって私は自らの死を望んだのだけれども。
そんな過去の私とイレイナさん…先生の会話に対して一緒にいたベルさんはひどく否定的だった。
「バカみたい。一緒に生きればいいのに、他の何を犠牲にしてでも」
ああそうか、そういう考え方もあったんだ。
私もあの時点では先生にはあまり怖いって気持ちはなかったから…そうしても良かったんだ。
あのときの私は、マイクや静香さんを殺したくなくて、殺しちゃったらそんな自分に耐えられなくなる気がして。
そんな気持ちの方が強かったから。あんな選択をした。
ただ、その時の先生の声を聞いて。否定されたときのイレイナさんの表情を見て。
私はただただ胸が痛くて仕方なかった。

町並みを過ぎてあの裏路地についたところでイレイナさんの様子がさらにおかしくなった。
色が少しずつ薄くなって、まるであの時妖魔化していったような感じに身体がおかしくなってて。
イレイナさんは言ってた。魔域は人の心を映すもの。そして魔域は心から魔域へ浸食する事もあるということ。
助けるには手遅れになる前に魔域を破壊する必要があるとも。

大丈夫。今度はあの本能には呑み込まれない。自分の意志で。戦える。
自分の力は二人と比べて頼りないかもしれない。けどやっぱり二人の力になりたい。
生きて勝つ。あの魔域を破壊して、イレイナさんとベルさんと一緒に帰る！
一緒にお買い物を楽しむんだ！

最後に待ち構えていたのはあの裏路地で戦ったマイクと静香さんの影。
そしてかつて暴れまくっていたフィロソフィアス(かつての私)。
マイクと静香さんの影は二人の力もあって倒せて。
かつての私はイレイナさんが縛り付けて何もさせずに私が引導を渡した。
ただそれだけのみならずイレイナさんの色も完全に消え失せ、暴れだしてしまう。
そんなイレイナさんを助ける方法は一刻でも早く魔域を破壊すること。
暴れるイレイナさんは不安だしイレイナさんを止めるベルさんのことは心配だけど…覚悟はとうに決まっている。
イレイナさんの扉の小魔の力を借り、アビスコアまで一直線に駆けていった。
駆けていった先にはアビスコアの他に灰を持ってただただ詠唱を唱えている影が。
確か私と先生の最期は灰になっていたことだから…
ああ、この魔女さんはこうして私と先生をこっちの世界まで送り届けてくれていたんだとわかった。
感謝の言葉をかけ、アビスコアを破壊したときに聞こえた声が。
「聴いたときは驚きましたが...まぁ選別です。その名前も貸してあげますよ。」
「それじゃあ...また来世で...」
こうしてイレイナさんは生まれたんだなとわかった。
感謝してもしきれなかった。

魔域が崩壊した後、私は二人の元に駆けていった。
あの時買い物しようと約束したことを果たすために。

イレイナ

「元の世界のお母さん。あの時はひどいお願い事をしちゃったけど今度こそ生きられるだけ一緒に生きていきたいなとも感じている。しっかり者でとても賢くて頼りになる人！」

ベルガネット

「とても強い女性。この人のおかげで昔の記憶に区切りがつけた。イレイナさんとの睦み合い方に惹かれるけど最近は挟まれることが多くなった気がする…照れるけど嬉しいな。」

ジェフレッド

「普段はいつも自信満々でえっへん！って感じがして微笑ましいなあって。でも私が怪我してると私のことをアンソニアって言い出すんだよね…困ったなぁ…」

ヒナ・ヤマジ

「私達を呼び寄せて珍しい体験をさせてくれた人。大変な目に遭ったことはあれども最後は優しく終わらせることができて良かった。また、巡り廻って会えたらいいね…」

リュエマ

「大事な友人でなおかつ放っておけない人。操霊術師としての力はかなりのものだけどゴーレムにお金をかけすぎて自分のことを後回しにしちゃうくせがある。挙句の果てにはゴーレムにご飯を食べさせて自分の分は食べないことも。私がしっかりお世話しなくちゃ…」

■カナエちゃんは思春期 Remake
条件：仲良くしているカップルを見かける
「私にもこうなる時って来るのかなぁ」

■世話好き
条件：リュエマにご飯を奢っているところに誰かに話しかけられる
「エマちゃん、放っておくわけにはいかないし…」

■そして少女は筆を取る
条件：カナエが紙と筆を取って考えているのを見つめる
「ん…ちょっとやってみたいことがあって」

■君ってなぜかわからないけど
条件：カナエがホムラと同席をしているのを見かける
「記憶が戻ったから言うけど…ホムラの姿って…」