昔から戦いでは負けた事が無かった。まあ最強だし当然だけど。
あの頃は競い合える様な仲間がいたし、空だって何処までも自由に飛べた。
私はそういう毎日が好きだったから、長老達の言ってる事もよく分からなかった。
何故この生き方を捨てて人間に合わせないといけないのか？
理屈では分かっていても納得が出来なかった。
多くの仲間が人に姿を変えた後も、私はどうしても変わる気になれなかった。
他の奴らに生き方を合わせるなんて、自分達の世界が終わるみたいで嫌だった。

そんな事を考えている内に争いが起きた。
ちっぽけな人類ではあの者共にはとても太刀打ち出来ないだろう。
彼奴は人を守ると言っていた。退屈していたし、戦いには参加した。
まあ良い気分転換にはなったが、最後まで見届ける前に飽きてきた。
彼奴には後の事を頼まれた事もあったけど、別に私が居なくても上手くやるだろう。
どうせ皆問題が解決したらそのうちまたあの頃を恋しく思うに違いない。
私はそう思っていたから、暫く寝る事にした。皆の気が変わるその時まで。

………凄い振動で目が覚めた。
最悪の目覚めだ、一体何があったんだろう。
長いこと眠っていたからか身体が怠くて仕方がない。
いや、そもそも空気が違うのか。なんだかピリピリする。
辺りを見渡してみても知ってる奴の気配がしない。
そんなに長く寝てたんだろうか、起こしてくれても良いのに。
少し外に出て、ようやく気付いた。
そこにあったのは、何処までも広がる荒れ果てた大地だった。
生命の息吹は感じられず、空は霞み、問いかけてみても誰の返事も返ってこない。
ああ、私の知る世界はとうに死んでしまっていたのか。
悲しくはあったが、だけど捨てる気にはなれなかった。
此処は確かに私が生きた場所だから。

目覚めてから少し経ち、彼奴が言ってた事を思い出した。
なんだかこうなることが分かってた様で癪だったけど
多分今となっては私くらいしかあの約束を果たせる者は居ないのかもしれない。
…確かに、まだこの大地には必死に生きようとする者がいるみたい。
ようやく私は重い瞼を上げた。…相変わらず酷い寝起きだ。
同胞が居ないのなら、あれからいくら経ったにせよ
あの時の争いを考えるに竜に良くない印象を持つ者もいるかも知れない。
……とりあえずこの姿では良くないか。
本当に今更ではあるけど、人の姿をとってみる事にした。
寝起きだし、慣れないのもあるのか、それとも何処か間違えたのか？
何か身体が動かしにくいけど……まあ次第に慣れていくだろう。
遠くに見える爆発跡地を若干睨みながら、私は南へ一歩、今歩き出した。



-冒険に出た理由-
見聞を広めるため/人々を守るため

[種族]竜/神竜族
[年齢]推定:最低でも2000年以上
[活動時期]大陸史:前1000年頃以前～前450年頃/10年前～現在

かつて竜族が栄えていた時代に"最強"と称された竜。竜の中で一番強い心臓を持つ。
王族としての血は持っているが、竜の中で最も自由であった為王族として見られていない。

人間に姿を変える事に対しては地竜族と同じ意見であったが、地竜族はその後理性を失い人を襲う様になった。
アルビオンはというと特に変わる事無く、皆が人の姿になった為競う竜もおらず暇を持て余していた。
ナーガが人を守る事を決めた為暇潰しに協力、競う相手を求めて強い地竜を狙って戦いを挑んでいた。
結果的にかなりの人間を救う事になったが、人間を救うことに関してはあまり興味がなかった。
これは当時の人間文明が全く発達しておらず、特に興味も無かったアルビオンがそこらの生物と同じに見ていたため。
弱い生き物は強い生き物に淘汰されるのが自然界の法則なのだから。

前線に出てくる様な強い地竜も居なくなった為、飽きが来ていたアルビオンは山奥にて眠りにつく。
どうせもうすぐ戦は終わるし、そのうち皆が竜に戻る時が来れば再び竜の時代が訪れる。
それまで少し寝て、誰かが起こしに来るのでも待とう…何かあれば誰かしら起こしに来るだろう。

その後起きた事など知る由もなく、時は過ぎおよそ1100年後…
凄い衝撃で目が覚めたら以前とは様変わりした世界、同胞の気配も無く周囲も弱々しい生命の存在しか感じられない。
なんかやる気無くなった、もうちょっと寝よう…。

……生命の存在は年々減少しているのを感じる。
そういえばナーガ達に何か言われてたのを思い出した。
……仕方がない、そろそろ起きようか。
アカネイア大陸史628年、竜は再び人を守る為に飛び立った。

[穢れ1の理由]
長く寝過ぎて寝てる間にちょっと溜まった

[装備]
人の姿を取る際に爪から作った。今は本人も寝起きの為力を発揮していない。
システム上対応した装備を購入した形にしているが、基本的に自分の身体なので装備を買って付けてるわけではない。
CP中は得た金等によって装備を強化=寝起きから目覚める/鈍った身体の感を取り戻す/人の身体に慣れていってる感じ。

[食事に関して]
雑食。
魔力/生命力を接種できれば基本的には何でも良いので人が食べるものは勿論、鉱物等でも可。
ただ本人は食感や味が良いものの方が好き。
元々が竜なので消費エネルギー量も高く、食べる量は人の姿であっても常人の数倍はかかる。