4-6、有名人の友達がいた
4-4、大切な約束をしている
2-3、旅をしたとこがない
4-4、冒険に出た理由：なりゆき

街の一般の家族からナイトメアが産まれ、
角が小さいおかげで、母親は未だ生きているが。
両親はナイトメアが生まれたことを認めなかった。
産まれた際に孤児院に送られた。
孤児になったナイトメアは自分の両親の顔さえ見たことがなかった。
そのため、両親から離れた苦しみも特に感じなかった。

孤児院で育てられたが、ナイトメアが原因で他の子供にいじめられていた。
その時、孤児院にもう一人のナイトメア、２歳年上の女の子がいて、何故かその子はいじめられてなかった。
女の子は明るく、ナイトメアにいながら頑張って友達を作ろうとしていた。
次第に女の子をいじめる人がいなくなり、逆に孤児院の人気者になった。
「私はエレーナ、ナイトメアだ！」エレーナと名乗った女の子は、エゴーに声をかけた。
「ナイトメア同士で、私の友達になってくれない？」と、初めての優しい声に眩しさすら感じた。
当時８歳のエゴーは、初めて心を開いた。
エレーナと友達になったエゴーも段々といじめられることがなくなった。


エゴーが１２歳になったその日、エレーナが企画した誕生日のサプライズ計画。
エゴーが買い出しから戻る前に、孤児院を飾ってパーティをする予定だった。
そのはずだった。

買い出しから戻ったエゴー、目にするのは
孤児院を破壊し尽くした黒い球体、奈落の魔域（シャロウアビス）だった。
エゴーは何も考えず、アビスに飛び込んだ。
その中には大量の子供、シスターの死体が転がっていた。
唯一立っているのはエレーナだけだったが、それも既にエレーナじゃなくなっていた。
アビスを作り出した魔神はアビスの核を彼女の心臓に埋め込んだ。
エレーナを操って他の人達を殺し、彼女の絶望、想像の力でアビスを更に拡大しようとした。

無謀にアビスに入ったエゴーは操られたエレーナに追われ、
殺されかけた時、エレーナは最後の自我を振り絞り、エゴーに話しかけた。
「このままじゃ、街全体が吸い込まれてしまう...」
「私を殺せば、アビスも消える...お願い」
その言葉を聞いたエゴー、覚悟を決めた。
エレーナの自我で隙を作った瞬間に、エゴーは彼女にトドメを刺した。
「エゴー、誕生日おめでとう」それはエレーナの最期の言葉だった。
自分の初めての友人は、自分の手で殺した。
初めて悲しみを感じ、初めて涙を零した。

エレーナを殺し、アビスの核を破壊した後、
「自分の友人すら殺せるのか、１２歳の子供とは思えないな」
「でもそのおかげで、私はようやくこの封印から出られるのだ！」破壊したアビスの核から声が聞こえた。
「私はエデ、魔神なのだ！」扉の小魔（ゲートインプ）が目の前に現れた、何故かエレーナの容姿と少し似ていた。
「このアビスを作った魔神は他にいる、本体はここにいない。たぶん遠いところから操っている。もう気配がない。」
ゲートインプはエゴ―を見つめ、少し笑った。
「あなたの友人を操っていた魔人を追いたいのなら、私と契約すれば良いのだ。」
ゲートインプは問いかけた。

「うん、契約しよう」エゴーの言葉に迷いはなかった。
「ハッハハ、君やっぱり面白いな、魔神の言葉を信じるのか！」
「気に入った、今日からあなたは私のマスターだ！」
エゴーの腕に魔神の刻印が光る、そして外の世界に繋ぐ扉が現れた。

一方、街中に出現したアビスの外に見ている野次馬がいる。
エゴーは核を破壊したおかげで、アビスは消え去り、被害は孤児院だけに留まった。
孤児院の全てを飲み込んだアビスから脱出したのはたった一人、
エゴー、そして横に付いている魔神（ゲートインプ）。
その状況を見て、「アビスを呼び起こす存在」と呼ばれ、悪人とされていた。
エゴーはその後、すぐに自分を育てた街を出た。

それから、ずっと１人旅をしている。
アビスを作る魔神を追い、倒すために戦闘能力を鍛えている。
傭兵、盗賊などの仕事で自力で生きている。
そして意識か無意識か、他人と距離を取るようになった。

尖った話し方は相変わらないが、人の名前はちゃんと覚えている。
無意識に他人を尊重している。

いくつかの冒険を重ね、その度に段々冒険の危険度が増している。
自分１人じゃ太刀打ちできない相手が多いことに気づいた。
そして何故か、放浪しているのに同じメンバーで仕事することが多い。
もしかしたら心の底で、いつもいるメンバーを受け入れ始めているかもしれない。