容姿・経歴・その他メモ

彼女は人里離れた山の中の、小さな人間の集落で生まれた。
二つの小さな角、そして透き通るように白い肌、首元の異質な痣…それを見た人間の両親はすぐに彼女を隠して育てた。
「忌み子」と呼ばれるには充分すぎる要素は、いつしか彼女の身に災いが降りかかると悟ったからだ。
両親は必死に匿いつつも、10歳を過ぎたやんちゃな少女の動きを止めることは中々難しい。
人離れしたその容姿はすぐに集落中の噂となり、それは偶然にも集落で続いていた干ばつの時期と重なった。
「雨が降らないのは、あの忌み子のせいだ！」その声はやがて轟となり、集落の人間は彼女の家ごと火をつけた。
三日月が高く昇っていた夜だ。
両親はすぐに裏口から彼女と、彼女の兄を逃した。俊足の彼女は病弱で優しい兄の手を引いていたが、兄はやがて倒れた。
人の手がそこまで来ると、兄は彼女の背中を押した。鉈や鍬で殴られようとも、兄は人間たちの足を最後まで離さなかった。
いくら俊足といえ、10歳の少女だ。やがて森の中で木の根につまづいて倒れ込む。
火の手、人の手、刃を向けた手。
悍ましいほど無数の手を見た瞬間、それはまるで蛍の光のように消え去った。
気を失うまでに見た光景は、金色の風、大きな鎌、そして月の紋章。
ー嗚呼、今宵の三日月も、とても綺麗だ。

一体どれだけその闇に放り出されていたか分からない。
気がつけばそこはクリーム色の部屋の中で、ふかふかとした白い雲の上に寝かされていた。
ついに天に召されたかと思えばそうではない。少し小太りの女性が隣でお皿を落としたところだった。
そこはドワーフ族の教会だった。どれくらいの月日眠っていたのか、話されたが全く覚えていない。
ただ彼女の中で何か、大きな大きな穴がぽっかりと口を開いていた。
そして隣の山にある人間の集落一帯が燃え尽きたという噂を耳にし、それ以降彼女の姿を見たものはいなかった。
夜になると教会の裏の墓地で、ただぼんやりと月を眺めている。
ー嗚呼そうだ。今宵の三日月も、とても綺麗だ。
溢れる涙を止めたい一心で、彼女は深い沼へと身を投げようとした。
「まあお嬢さんや。あの三日月に行ってみるのは、もう少し先にしないかい」
教会のドワーフの神父はそういった。彼女がいた墓地で、赤い目で静かに見据える黒い犬もいた。

シオン＝クレマ、17歳。
両親と兄の魂と再会すべく、輪廻と転生を司る神「アルンテミス」の元で神官戦士となる。
ブラックドッグ（墓守犬）のメイアを連れている。メイアは戦闘時の武器にも。
勝気な性格で負けず嫌い。舐められたら一発殴り返す勢い。
一度守ると決めた仲間は何があっても守り抜く。
時々少女のように無垢な笑顔を見せる。
「もう、誰かの手を、二度と離したくないから」
好きなもの：無花果を使った料理　嫌いなもの：ラムやヤギの肉料理

名前の由来
「クレマシオン」フランス語で“火葬”
「シオン」教会用語で“心の清い人”
シオンという名を両親がつけた後者の意味を、彼女はまだ知らない

※神アルンテミスについての設定は割愛

セッション履歴

収支履歴