【経歴】

　力を絶対とする蛮族社会に産まれ、その身体は脆弱だった。醜く小さな翼と、弱く歪んだ精神性。それは蛮族社会に於いて、圧倒的弱者だった。だから、豪雨の戦いの最中に棄てられ、置き去りにされた。その結果、それが死んでも生き残っていても、両親は何も感じなかっただろう。幼くして雨後の戦場に一人となったそれは、一人の人族に拾われた。

　それの醜悪な翼に触れ、その幼子を拾った彼女は、人間の冒険者だった。彼女はその劣等種にフルシダと名付け、守り育てた。親のように案じ、友のように遊び、敵のように競う。その関係性は、フルシダには筆舌に尽くしがたい、今までに経験したことのないものだった。そして、自らが他者に愛情を抱く事も、初めての事だった。

　しかし、彼女の肉体は病に侵されていた。フルシダに隠しながらも、彼女の肉体は朽ち果てていき、いずれ指先すら動かせぬほど弱ってしまった。その病は誰も治すことが出来なかった。そのために、彼女は諦め、気まぐれで戦場に捨てられたウィークリングを拾ったのだろう。彼女は、その生涯の最後にフルシダへ言葉を告げ、闘病の果てにこの世を去った。

　フルシダは現在、彼女の意志を継ぐために冒険者となった。最終的な目的は何も決めていないが、なぜ彼女が人を助け、自分を拾ったのか、それが知りたい。そのためには、彼女と同じことをすれば分かるかもしれないと思い、人助けを積極的に行っている。

【性格】

　活発で明瞭。明るく振る舞い、軽率な行動を取る。何に対しても真摯でなく、親切心や同情は感じていなくとも、人助けはする。

暴力（肯定）／理不尽（否定）
故あるならば恨みつらみは許される。正当な理由があれば暴力は看過される。大切なのは、その動機である。ただし、理不尽に事を起こすことは決してあってはならない。選択の余地を与えず、無理矢理に己の欲望に従わせるなど、人の所業ではない。

矜持：願いを断らない
自分の中の決め事で、これを破ってしまえばきっと蛮族と同類だ。

執着：逃げない
　理不尽と戦う方法は、正面から向き合う事だ。堂々と、虎視耽々と見つけ合い、正面からその問題と向き合って解決することが大切だ。

　フルシダの本名は「ダン」である。この名前は両親が付けたものでも、群れの蛮族が付けたものでもない。漠然と、呼ぶ際に不便だったため、「不用品」の意味が込められた単語で呼ばれていただけである。「イーヴストン」の苗字は、拾われた人族のもので、彼女の死後に名乗り始めた。

　フルシダを拾った彼女は、フルシダよりも年上だった。彼女と同等でように見て欲しかったので、フルシダは少し年齢を偽り、成人していると騙った。その真偽を彼女が見破っていたかは不明だが、フルシダは嘘をついたことを、少し後悔している。フルシダの実年齢は16歳である。

　彼女が患った病とは、冒険の過程で感染したものであり、過去もこの病によって大勢が病死したと伝わっている。魔動機文明時代には治療法が確立していたものの、現在ではその治療法は廃れ、不治病と化しているため、その病の被害者は少なくない。

　この依頼は、期間が１日なのに報酬は1,000Gも貰えた！でも変な奴も遺跡で見つかって、そいつの処理に困っているらしい。しかもその遺跡が悪い奴を封印してたみたいで、その封印の蓋の役割をその変な奴が担っていたんだって。めんどくせ～…。もうなんか知らないよ、俺は人助けがしたいんだ。なんで寝てるやつを崩壊しそうな遺跡から連れ出したら、もっと悪い奴が出てきちゃうのさ。

　昔の人も、あんな人間に蓋を担わせるなんて馬鹿だな～。やるせない理由があったんだろうけど、それでも俺からしたら理不尽だと思うな。変な奴だけど、物を考えるし、食事もする。それならきっと、感情や思考もある。封印に協力するよりも、もっと楽しみたいことがたくさんある筈だろうに、それを我慢して眠りに就くなんて、なんか、可愛そうだよ。昔は、誰もシンシアを助けようとしなかったのかな。

【センズ】

　別に好きでも、嫌いでもないやつ。暗い奴で、なんかずっとムッとしてる。どうせ盾役くらいしか出来ないんだから、見え張って賢そうに振る舞わなければいいのに。てかスプリガン？って初めて見たな～。変身するとあんなにデカくなるのか！俺とどっちが強いだろう…。

【ミユレア】

　な～んか、あんまり張り合ってこないやつ。ずっと意見の中間にいて、常に真面目な奴。探索とかが得意らしいけど、軽戦士として前にもでる。俺と同じような戦い方をするけど、盾を主体に避ける感じじゃなくて、剣を急所に当てることを重視してるらしい。戦ってみたいな！

【ネリア・ローレン】

　いっちばん嫌いな奴！うざい！キモイ！うるさい！馬鹿！ドンより馬鹿！普段は俯いてうじうじしてるくせに、弱い奴を見付けるとそれに付け入って優しさを押し付ける。俺は本当の優しさが、受容者と給与者の両者によるものだって知っている。それなのにコイツは、馬鹿みたいに「私は優しいですよ～」って無害な顔しながら、拒否できない親切を無理矢理与えてる。大っ嫌いだ。てか俺のが年上だし！何が弟だよ！ほんっとに気持ち悪い！

【サラニア】

　２番目に嫌いな奴。なんか突っかかってくる奴。小さいくせに、態度はデカい奴。てか俺妖精も嫌いだし！コバエみたいにまとわりついて、穢れが嫌いだか何だか知らないけど、俺を蛮族だからと偏見を垂れるウジ野郎ども。カーニバラスメリアだからって妖精を食べないように気を付けろよ！ば～か！