助けを求められれば助け、日夜、人のために戦う正義の妖精使い…と自称するアルヴの少女。
　一人で解決できる範囲であれば、猫探しからお使いまで、様々な人助けをしている。
　そして報酬を求めず、「いつか、あたしが困った時に助けてよ！」と去るのだとか。
　
　そして同時に、誰かに助けを求める事をためらわない。
　「助けるのも助けられるのも、気軽にたくさんするほど、楽しく生きられるんだよー。」
　
　それだけ聞けば、随分と格好良い存在に聞こえるが、
　どちらかというと、助けられるより助ける方が多い…とは、彼女を知る者の言。
　助けになろうと首を突っ込んでは、周りでじたばたして終わる事も数多。
　その人らによれば、彼女は…嵐、子犬、マスコット。
　
　冒険者になったのも、人助けをしたいから、という部分が大きいようだが、
　冒険者としての活動においては、絶対に安請け合いしない、タダ働きしないように！
　と、きつく言い聞かされている。さもありなん。

　とある孤児院で拾われて育った。
　アルヴである事は隠して生活するように言われているが、
　気にしているのかいないのか、何かと能天気で危なっかしい。
　
　フードのある服を普段着にして、目元を隠す事だけは、きちんと行っている。
　肌の色については、対外的には「病弱で」と言い張っている。信じられているかはともかく。
　
　自分の種族や境遇をひっくるめても、「拾ってもらえたから幸せ」と捉える程度にはポジティブ。
　拾われる以前の事は、幼すぎて覚えていない。

　明るく社交的で、基本的に誰に対しても分け隔てなく接する。
　そして能天気で楽天的、少々おつむが弱い。
　人を疑う事を知らないわけではないが、疑っても結果わからない、といった具合。
　
　人の役に立ちたい、という思いだけは、人一倍強い。
　いつかはアルヴの事を皆に知ってもらって、堂々と人助けをしたい、と語る。
　が、正体を隠すのが面倒くさいだけじゃ？と聞かれると、帰ってくるのはごまかし笑いである。

　三度の飯より酒が好き！
　とは言っても、美味い酒を求めるでもなく、ひたすらに安く薄い酒ばかりを好む。
　自分で酒の種を使う場合も、二倍の水に一粒を入れる。そんな安酒飲み。
　味でなく雰囲気を楽しんでいる、との見方もある。
　薄い酒を選ばずとも、相当量を飲める酒豪。
　
　綺麗な宝石が好き。
　妖精と一緒に、楽しそうに宝石を眺めている姿は、成人しているとは思えない程に幼く見える。

　基本的に、事情を知る人・孤児院出身の人間に頼り切っている。
　そして、そういったもの相手の場合、悪戯でも仕掛けるように、「もーらいっ」と吸い取っていく。
　およそおやつ感覚である。
　
　酒を飲みすぎると人に絡み始め、ついでとばかりに吸精していく厄介な性質持ち。
　そのため、事情をよく知る者がいない状況では、酒を飲む事を禁止されている。

　育ての親の二つ名、「壊拳」に倣い、「壊賢」を自称する。
　最初は自称でも、言い続ければ本当になる！と信じて。

　変わり者は惹かれ合う、とはよく言ったものか。
　とある闇の妖精に好かれた彼女は、労せず妖精使いに成った。
　彼女が「助けを求める」力を得たのは、偶然か運命か。
　
　なお、元々はソーサラーになる道を希望していたが、
　ちょっとした根回しと、誇張された多大なるドジの噂により、弟子入りする前段階で断られたらしい。
　
　とはいえ、魔法を使うことを夢見ていただけであり、妖精使いでもおおむね満足している。

　頭はよろしくないが、興味のある事について学ぶ意欲だけは、たっぷりとある。
　知りたい事にだけは、目の色を変えて取り組む姿勢を、
　「まるで専門分野の学者だな」と皮肉混じりに称されたのが始まり…かもしれない。
　なお当然、興味のない事に関しては、学ぶ意欲はまったく無い。

　幼い彼女には、それが魔法のように見えたのだろうか。
　星占い、花占い、タロット占い、占いと付けば何でも求め、遊び倒してきた。
　その結果、種々様々な占いを行える程度になった。
　なお、だいたい外れるらしい。

　最低でも、一日一杯は飲まないと、やってられないよねー。
　もちろん、出先でも飲むよ！そのためのコレよ、必需品ってね。