C-2-3 旅をしたことがない
C-3-5 決して手放せない小物がある
A-6-5 血縁者と死別したことがある
3-6 最高の冒険者になるため

物心の付いていないときに、老いた隻腕のリカントに森で拾われ育てられた。彼は稼業で左腕を失ったために冒険者を引退し、余生を森に建てた小さな小屋で過ごしていた。スーリオンは彼が度々する冒険の話に心を躍らせ、冒険者を志すようになった。スーリオンの意志を汲んで、老いた身にできる限りでスーリオンを冒険者足り得るように鍛え上げた。彼が老衰でこの世を去ったことを機に、スーリオンは冒険者への1歩を踏み出したのだ。彼がつけていた指輪を首にかけて。

スーリオンはエルフの魔術師の家庭に生まれた子である。スーリオンが森で老リカントに拾われたのは、故郷を何物かに燃やされ新たな住処を求め放浪しているさなか、魔物に馬車を襲われ両親が死亡し、崩れた馬車に取り残されていたからである。
また、スーリオンは一度死亡しているが、彼を拾った老リカントに蘇生されている。彼の左目の辺りの痣はこのときについたものである。老リカントは彼にこの傷は火傷の物だと伝えている。
スーリオンは、これらの事実を知らずに育っている。