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ケルディオン大陸ヴァン地方について - ゆとシートⅡ for SW2.5 - ゆと工公式鯖

ケルディオン大陸ヴァン地方について

基本取引価格:非売品
知名度
1
形状
色褪せた本
カテゴリ
冒険道具類
製作時期
現在
概要
 ケルディオン大陸を旅する者へ向けて記された書物。著者はアルフレイム大陸を旅するエルフの魔術師のようだ。
効果

ケルディオン大陸とその歴史

 "帰らずの大地"ケルディオン大陸の歴史の一部などをここに記します。尤も、これはアルフレイム大陸に住まう或るエルフの魔術師が伝え聞いた物語などを本にまとめただけであり、ここに記されただけが全てではないことを前置きしておきます。

ケルディオン大陸における歴史

 大まかには、アルフレイム大陸と同じ歴史を辿っています。ただし、決定的に異なる部分がひとつあります。それは、〈大破局〉から200年後に〈深淵の災禍〉と呼ばれる魔物とその配下による侵攻が起き、大陸全土が滅亡の危機に瀕したことです。この際、各国の防戦とともに、"耀ける雷閃"と謳われた槍使いと、"月影の花園"と称された魔導師の反撃によってこの魔物は封印されたとされています。このこともあり、ケルディオンに於いては特に魔物の侵攻による被害が大きい箇所が数多見受けられ、現在は復興のさなかにあります。

〈深淵の災禍〉について

 現代から100年前にケルディオン大陸を襲った魔物です。正体はあらゆる種の怨念が集まってできたアンデッドである、〈大破局〉に際して蛮王が残した魔法生物である、はたまたいずれかの神の怒りを買った天罰であるなど様々な学説が流布しており、実態は謎に包まれています。ただひとつ確かなのは、もしこの魔物の封印が解け現代に蘇ったとき、ケルディオンは再び慟哭に呑まれるだろうということのみです。

言語について

 神紀文明語や魔法文明語、魔動機文明語といった時代特有の言語、並びにエルフ語、リカント語、汎用蛮族語などといった種族特有の言語はアルフレイム大陸と変わりませんが、〈大破局〉の際に大陸が分け隔てられてしまったために、共通の言語が独自の過程での進化を遂げ、アルフレイムで謂うところの交易共通語は使われていません。代わりに、大陸共用語なる言語が生み出され、広く話されています。

技能などの発展について

 細かいところでアルフレイムとの差異はあるかもしれませんが、特別な変化をした技能や戦闘特技、流派などは存在しません。魔法体系等にもさしたる変化はないものとされています(つまり、ケルディオンにおける新たな冒険者技能や戦闘特技、流派などは存在しません)。ただし、逆に言えばこれは、アルフレイムに於いて一般的な技能や戦闘特技、流派などについては、ケルディオンでも問題なく習得ができることを意味しています。

信仰について

 アルフレイム大陸で信仰されているものと概ね同じ神が信仰されています。また、神々それぞれの影響圏がアルフレイムのそれより広く、小神であっても大陸全土でその恩寵を受けることが可能でしょう。

ケルディオン大陸における生態系

 基本的にはアルフレイム大陸と変わりません。ただし、魔動機に関する技術が他より発達した地域があるほか、アルフレイムに於いて未発見の生物も多数存在することでしょう。

守りの剣、剣の欠片について

 ケルディオン大陸においても、〈守りの剣〉と〈剣の欠片〉は存在しており、アルフレイムのそれと同じように用いられています。

他大陸とのアクセスについて

 基本的に、他大陸と行き来をすることはできません。時折、海難事故に遭ったものが漂着したり、一部種族が泳いで渡ってくるなどといった珍事が起きたりしますが、アルフレイムやテラスティアとの交流などはなく、一度他大陸から来てしまったら最後、もう戻ることはできないと謂われています。アルフレイム大陸に繋がるテレポーターがどこかにあると噂されていますが、確かめた者はいません。(⇒『Ⅱ』312頁)

主要人物
"耀ける雷閃"(種族不明/男性?/年齢不明)


 100年前の災厄からケルディオン大陸を救ったとされる英雄です。戦いに際しては、その二つ名の通り、雷を呼ぶ魔槍を用いて天を裂いたとされています。〈深淵の災禍〉封印以降の消息は絶たれており、その後を知る者はいません。

"月影の花園"(種族不明/女性?/年齢不明)


 "耀ける雷閃"と共にケルディオンを救ったとされる魔導師です。戦いに際しては、極彩色の魔法を操り月夜を照らしたとされています。〈深淵の災禍〉を封印する過程で敢えなく戦死したと伝えられています。

ヴァン地方について

 大陸中部から北部にかけて領域が広く、旅人からは四季を楽しめると人気です。東西南北に大きな国がひとつ位置するほか、中央部には広大な平原が存在しています。〈深淵の災禍〉の影響を最も深く受けた地域でもあるため、廃墟となった街や城なども見受けられます。

冒険者ギルドについて

 アルフレイム大陸のそれよりも"国家が運営している"という側面が強く、国や時期によって内容に差異がありますが、冒険者を志す者の実力を測るため冒険者選定試験が行われています。これに合格した者のみが冒険者となるのです。それ以外は、アルフレイム大陸に存在するものと大差ありません。冒険者の不文律もやはり同じようなものが存在しており、破ったものは不利益を被るケースがほとんどです。

放浪者(ヴァグランツ)について

 アルフレイムと同じように存在します。ただし、自身の実力を知る意味で最適であるため、冒険者選定試験を受けるものがほとんどのようです。

"花と森の都"森林王国フォーレ

 ヴァン地方南部に位置する、名の通り美しい花々と木々に囲まれた華やかな街並みを有する王国です。人口は10万人ほど。王族はメリアで、貴族はほとんどがエルフですが、王の性格故に例外も多く在り、すべての国民がその生まれを問われずして高い地位を得ることが可能です。それゆえ、数多の種族(特にナイトメアやウィークリング、時に魔剣を失くしたドレイクなども)が己の生き方を探しに集まっており、結果として多種多様な文化が共存しています。
 国柄として、ヴァン地方全体で見ても特に冒険者によって国内外の治安が守られている面が強く、彼らは市民たちから憧れの存在として見られている節があります。それ故か、先にも挙がったナイトメアなども(穢れへの忌避はやはり存在しますが)冒険者として非常に信頼のおける人物であるとされるケースが多く、比較的受け入れられています。

主要人物
"森を彩る花弁"ラヴェンダー・フォーレ=ブルーメンブラット(メリア/女性/48歳)

「国の未来を思えば、実力ある者を手元に置くのは当然でしょう?」
 現在フォーレを治めている女王です。実力主義な一面があり、有用だと見るやナイトメアやウィークリングであっても気にせず登用します。場合によっては魔剣を失くしたドレイクすらも入城させるため、彼女の失墜を目論む他の王族などからは「気が触れている」などと陰口を叩かれることもありますが、本人はさして気にしていない模様です。

"冷徹なる太陽"ラヴィーネ・シュネーレーゲン(人間?/女性/年齢不詳)

「私は私の信ずるところを貫くまでだ」
 〈深淵の災禍〉より復興中の現在、迫りくる魔物たちを退け民を鼓舞する第一人者です。普段は鉄面皮のように冷徹だと噂されることがありますが、戦いにおいては他の兵や冒険者を導く光のような存在となるため、"冷徹なる太陽"との異名が付きました。時折、地方北部に位置する祖国に思いを馳せてか物憂げな表情を浮かべる場面が目撃されています。その戦闘能力はすさまじく、身の丈ほどもある武器を軽々と振り回すこともあれば、国一番の戦士ですら重みに耐えられなかった鎧や盾を身に着けて戦場を舞ったとも謂われ、時に人間であるかすら疑われます。
 特に彼女を象徴しているのが、魔動砲剣(ガンブレード)と呼ばれる、ガンと剣を一体化させたような形状を持つ特殊な武器です。引き金を引くことで弾丸が発射され、刀身を強く叩くことで振動を生み威力の増大を図った武器ですが、その扱いの難しさゆえに、一般的ではありません。これを難なく扱ってみせることから、フォーレでは、"魔動砲剣(ガンブレード)の騎士"との異名で呼ばれることがあります。

名所など
はじまりの森

 フォーレ周辺を取り囲む樹海の呼び名です。もともとフォーレは、〈大破局〉から逃げてきた民たちが、この森に咲いていた一輪の不凋花に救いを見出したことから始まったとされています。不凋花は当時の難民のひとりだった青年に力を与え、それがのちに国王となって今に至る……との言い伝えですが、真相は定かではありません。
 現在、この森はフォーレから旅立つ冒険者たちにとって力試しに最適であるとされており、生態系は多種多様です。ただし、その全容は明らかになっておらず、外界への道は整備されているものの決して安全ではないため、深くまで迷い込めば生還は困難だとされています。

"恵風に愛された平原"ヴィント=エルバ共和連邦

 6の自治国家から選出された6人の議員で構成される連邦で、人口は7万人ほどです。ただし、実質的には、彼らを取りまとめるひとりの議長がリーダーとなっています。このあたりは、規模に差はあれどアルフレイム大陸のミラージ共和連邦(⇒『Ⅱ』317頁)と似通っているといえるでしょう。種族の分布は均整がとれており、どの種族も比較的よく見かけられます。
 ヴァン地方東部の草原に位置していることもあり風がよく通ることから、この連邦においては「善いことも悪いことも風が運んでくる」という考えが浸透しています。このため、「すべては風の導き」との解釈によって("悪いこと"に該当するので差別がないわけではないですが)ナイトメアやその他穢れを持つものに対しては比較的寛容です。

主要人物
"聖風の主"ナルキソス・ヴェント(リルドラケン/男性/47歳)

「この国に善き風を。僕はそのために生きましょう」
 ヴィント=エルバにより善い風を、と奮闘している若き議長です。遥かケルディオンの地にいながらにしてフルシルの加護を受けており、"聖風の主"との名で知られています。外見が竜そのものであることから威圧的な人物に見られがちですが、実際は温厚な性格をしており、街で子どもたちとじゃれている姿がよく目撃されています。

名所など
"黄金の原野"エルバ平原

 街の周辺に広がる緑豊かな平原です。早朝と黄昏時に一面が黄金色に染まることで有名である他、牧草地としての側面を持つためグラスランナーを多く見かけることでしょう。生態系も比較的安全で、低級妖魔や狼などが生息しているほか、稀にドラゴンの赤子などが迷い込む程度の危険度です。

"現代を生きる魔導"ウェネーフィカ魔皇国

 ヴァン地方西部に位置しており、君主制で治められている国で、人口は10万人ほどです。他国(特に新興国家であるフォルティスなど)からはあまり信じられていませんが、魔法文明時代から存続し続けてきた歴史を持ち、そのためか"栄華の魔皇"と呼ばれる統治者は代々圧倒的な魔力を保有しています。
 国柄として、古典的な考え方が深く根付いており、そのためナイトメアやウィークリングの存在に否定的です。また、魔動機術に関しても若干の差別が存在し、「本来の魔法には劣る」だとか、「魔動機術は魔法ではない」だとかと見下す者が多い傾向にあります(もちろん、魔動機術の存在を肯定する国民や官僚も少なくないですが)。ルーンフォークについては、ジェネレーターの数が少ないだけで、基本的には人族として迎え入れられています。

主要人物
"栄華の魔皇"サフィール・ウェネーフィクス(エルフ/女性/257歳)

「魔法文明こそが現代に栄華をもたらすのです」
 200年ほど前からこの国を統治している女王です。魔導師であると謂われ、真語・操霊・深智魔法を自在に使いこなすほか、強力な魔道具をいくつか保有しています。〈深淵の災禍〉の襲撃に於いては、魔法の才能を存分に活かして国を守り切っており、当時の記録には「星を喚び災禍を退けた」と伝えられています。
 魔動機術に関しては、国民たちの間ではどうにも好かれていませんが、便利であることには変わりがないと肯定的です。しかしながら、「最後に頼れるのは魔法文明である」との考えが根底にあるため、フォルティスと少々折り合いが悪いことで有名です。

名所など
星の遺跡

 〈深淵の災禍〉による侵攻に際してサフィールが放った星を喚ぶ魔法(メテオ・ストライク)が生み出した巨大なクレーターと、その中心に露出した魔法文明時代の遺跡をこう呼びます。内部からは魔法生物やアンデッドなど、魔法文明の遺産が定期的に現れてはウェネーフィカを襲撃しており、国は冒険者を使うことでこれらに対処しています。最奥には〈深淵の災禍〉の残滓が鎮座しているなどといった噂もありますが、真相は定かではありません。

"永遠を護る魔動"フォルティス魔動帝国

 ヴァン地方北部の雪国に位置しています。人口は約4万人です。〈大破局〉及び〈深淵の災禍〉の侵攻を受け北端からの攻勢に備えて建てられた砦であり、同時に帝国です。特筆すべきは、50年の歴史しか持たない新興国家でありながら、建国に魔動機師が多く関わったため、ラクシア全土でも類を見ないほど魔動機術が発展している点です。魔動機文明が滅びた今なお新型の魔動機が生産されているほか、魔動機術を利用した新型の武器が開発され続けているなどと噂されており、果てはルーンフォークの技術を応用して人体の一部を魔動機に換える技術が確立しているとさえ謂われています。
 国柄として、そもそも蛮族などからの防衛を目的とした都市であるために、実力主義による一面が非常に大きい国であるといえます。基本的には、誰であっても種族や身分を問わず対等に扱われます。ただし、ウィークリングは蛮族たちのスパイではないかと疑われがちであるため肩身が狭い思いをすることでしょう。

主要人物
"未来の護り手"クローネ・トレランシア(護衛型ルーンフォーク/男性/27歳)

「蛮族たちの好きにはさせません。魔動の力を見せて差し上げましょう」
 短命であった先代皇帝に代わり国を治めている若き帝です。嘗ては先代の側近であったのですが、他に適任者がいないため2代目の皇帝となりました。人体を魔動機に作り換える技術の確立にも関与したとされています。

"万年雪の魔女"ネーヴェ・スタラッティーテ(スノウエルフ/女性/159歳)

「私の手で、少しでも多くが幸せになるのなら」
 フォルティスの外れに住まうスノウエルフです。一説には、"耀ける雷閃"の母だとも謂われています。〈深淵の災禍〉について何かを知っているような素振りを見せることがありますが、多くを語ろうとはしません。"万年雪の魔女"の名が示す通り、ひとたび戦いとなれば剣の加護や得手とする妖精魔法を駆使して敵を追い詰めるとされています。
 普段は、身寄りのない子供などを集めて孤児院を経営しており、街中から慕われています。この孤児院は、子供の中に冒険者となる者も多く、それゆえ国からの支援を受けています。

名所など
ネーヴェ孤児院

 フォルティスの外れに位置する孤児院です。身寄りのない子供が数多く暮らしており、街中で親しまれています。ここから冒険者を目指す者も少なくないため、国からの支援を受けてもいます。ここ数年で言えば、ラヴィーネという少女が冒険者となってフォーレで活躍をしており、ネーヴェはじめ孤児院の者たちは誇りに思っているようです。

永遠の雪原

 フォルティスより北部に広がる白銀の雪原です。極寒の地ですが、環境に適応した動植物が数多存在するほか、南下してくる蛮族たちと遭遇する可能性も高い危険な場所です。また、どこかに〈深淵の災禍〉の影響を受けた魔物が棲息しているとの噂もあり、旅人はあまり近づきません。

"月影なき虚城"旧王国ノイモーント

 嘗ては"月影照る王城"の二つ名で呼ばれている人間の王国でした。ヴァン地方中央部に位置しており、大陸で最も栄えた王国と噂されるほどの栄華を誇っていたほか、大陸全土で見ても指折りの軍事力を有していた国家として有名です。尤も、現代に知られている"月影なき虚城"の名の通り、今となっては〈深淵の災禍〉によって栄光の一切を喪った廃墟が残るのみとなっています。
 一説には、ここが"月影の花園"なる魔導師の出身地だったとも謂われていますが、当時を生き残り現代を生きる者の数が圧倒的に少ないため、真相を知る者はもはやほんのひと握りでしょう。

名所など
ノイモーント城

 〈深淵の災禍〉に際して、死闘の果てに敗北を喫してしまったノイモーント軍最後の砦です。今では廃墟と化してしまっており、内部には嘗て兵士だったアンデッドが蔓延っていると噂されています。ただし、国宝などがそのままどこかに放置されている可能性が高いため、果敢に挑む遺跡荒らしが後を絶えません。

"覇者は此処に在り"覇王国ヴィデルゲブルト

 ヴァン地方北端に位置する、〈深淵の災禍〉を経て弱った人族の国々を狙う蛮族たちによる王国です。とはいえその規模は小さく、歴史も国家樹立から20年程度と浅いものです。指導者として君臨しているのは"覇王"を名乗るドレイクの戦士で、蛮族同士の内輪揉めをたったひとりで制したと謂われています。
 現在は〈大破局〉のようにケルディオン大陸へ宣戦布告をしようと少しずつ備え、その合間に魔動帝国へ小競り合いを仕掛けています。更に、より北に封印されている〈深淵の災禍〉の力を自分のものにできないかと画策しており、日に日に軍事力は増しています。

主要人物
"再誕する覇王"ラディウス・モーントシャイン(ドレイク/女性/年齢不明)

「我らバルバロスの世は再誕する。ヒトども、震えて待つがいい」
 〈大破局〉に際してバルバロスたちを統率した"蛮王"を継ぐことを掲げ、着々と準備を進めるドレイクです。派閥争いを生き残っただけあってその実力は相当なもので、爵位で言えばバロン級に相当するようです。魔動帝国にちょっかいをかけて資源を削らせている他、ドレイクとしては珍しく真語魔法を習得しており、【テレポート】によってヴァン地方各地に部下を送り込んでいます。ただし、真の目的はどこか別のところにあるらしく、人族への侵攻を掲げるにしては不自然に手ぬるいところがあるようです。

由来・逸話

 キャンペーンシナリオ『耀ける雷閃の軌跡』の舞台となるケルディオン大陸に関する情報を纏めています。アルフレイム大陸を旅するエルフの魔術師が書いた、という体で記述しているのは、普段の舞台がアルフレイム大陸ブルライト地方のハーヴェス王国並びにその周辺であるためで、この書物を実際にケルディオンを旅する冒険者が手にすることはないでしょう。
 主に、大陸中部に位置するヴァン地方なる場所について記述しています。それ以外の地域については、情報が少なく、本に纏めるに至りません。ただし、存在しないわけではないため、その他の地方や国家についてはいまこの頁を開いている読者に解釈を一任します。

製作者:ねこねえ