王宮の調薬師

蛮族と人族の争いに有効的な解決策はなく、情勢の変化は乏しい。
120年後、世界の調和など夢のまた夢、悠久の時を生きた果て、王宮禁書庫で調薬するのが一日の大半を占める、自他楽な蛇。
その姿は常に研究に没頭しているためか髪は乱れ、服装も実用性重視なのかだらしない。
顔には深い思索のしわが刻まれているが、この閉所だと落ち着くのか心なしか穏やかな表情をしている。

自堕落で自己満足を重視し、内向的で社交的な場には滅多に現れず、引きこもりがちだが
生きた長さと薬の研究に取り組む姿勢だけは優れた調薬師そのものである。

禁書庫で数々の古い錬金術書や魔法書に囲まれながら、新しい薬の開発や既存の薬の改良に情熱を傾け
強力な効能を持つ薬の創造に成功している一方、危険な実験にも手を出しており、団員や周囲からは懸念の目で見られている。
加えて、不死者の研究にも手を出しており秘術"不死の軍団"や死の秘密を解き明かそうともしているとか…

蝋燭は身を減らして人を照らす

ラージャハより北、砂漠を少し越えた先にある領地イシュメアは、王家によって統治されてきた
しかし、ある日、領主とその家族が呪術によって全員床に臥せてしまう。
この事件は王都まで伝わり、領主の座を巡って王室内で争いが勃発、ラージャハの伝統によれば皇族の血を引く者のみが次代の領主を継承することができる。
事と次第によって領主継承の順位が変動するこの出来事は王室内での不和を残しかねないものとなる。

事態を受け、古来より王家に仕えるウルスラが役目を果たすべく選ばれる。

託された使命は二つ

一つ目は避けられない呪い月煌呪(げっこうじゅ)の解呪方法を探す。
二つ目は万病に効くとされる幻の霊草、真魂草(エーテルリーフ)の採取。

過去の古文書や伝承を頼りに、自他楽な蛇は旅に出る。
悠久の時に巡らなかった大地を踏みしめながら、まだ見ぬ様々な風貌や才能を持つ人族と出会うために…。

第二の剣イグニス陣営として

解放の剣イグニスによって神の座へと昇った古代神ダルクレムを始めとする神々、そしてダルクレムが生み出した眷属である蛮族。蛮族は自身たちのことを「バルバロス」と呼称する。
人族から見た場合は不倶戴天の敵であり、第二の剣陣営の神々の教えは人族社会において犯罪や非道徳的な行いを善しとするものが大半であるため、この陣営の神々は人族からは邪神という扱いになる。
戦神ダルクレムから始まったこの勢力の基本的な方向性は弱肉強食であり、力ある者が正義であり、弱者は強者によって消費されるのが当然の世界である。
蛮族の大半は人族を食料や奴隷としか思っておらず、好戦的で残虐。神話の時代から世界の覇権をかけて戦い続けている。
蛮族はダルクレムが魂を意図的に”穢れ”させたことで生み出した種族であり、度合いは異なれど皆魂が”穢れ”ている。
強大な力を持つ蛮族ほど”穢れ”の度合いは大きい。

ウルスラはザムサスカ地方南東の穏やかな山脈で生まれる。
種族はバジリスクでありながら、古代神ダルクレムの影響は少なく。
潜在的な”穢れ”は通常の支配者階級より減少していた、これが何を意味するかわからないが、少なくとも他の蛮族と比べ独自の価値観に目覚め、支配者階級として統率もしないため蛮族の中では変わり者として生きていた。
享楽的でやりたいことのみに邁進する性格は変わり者のバジリスクらしいと言えるかもしれない。

独自の信仰と道徳観

人族と敵対していない一部の蛮族は、自らの神々や歴史的な経緯から独自の信仰や道徳観を持っていることが理由にある。
古代神ダルクレムやその眷属たちの教えよりも、自然や地の神々への信仰を重んじているため、自然界の循環や共生の重要性を認識し、人族との対立ではなく共存を望んでいる。
この独自の信仰に基づき、蛮族全体に広めるための宗教的な指導者を持っていたり、大地や森、川などの自然の恩恵に感謝し、それらを大切にする生活を重視している。
戦争や略奪を忌避し、平和を重んじることも彼らの道徳観の一環である。
また、彼らは人族との交流を通じて、互いの文化や価値観を理解し合う努力もしている。
特に人族の中にも、独自の信仰に共感する者や平和的な関係を築きたいと考える者が存在するため、交流が深まることで敵対関係の回避に繋がっている。

これにより、ウルスラと一部の蛮族は人族との敵対をしない自律的なコミュニティ、”コンソラータ”を形成し、共存共栄の可能性を追求している。

砂鷲団へ

50年後…ある日、人族との間に大きな争いが起こることを知った”コンソラータ”は、自らの信念に基づき、戦闘を回避しようと行動する。
しかし、蛮族への怒りはそう簡単に収まるものではない、人族と蛮族の間に立ち、自らの瞳石を抉り降伏することで戦闘行為を中断しようとする。
その異様な光景が偶然にも加勢に来ていたラージャハ皇族の目に留まる。
皇族は蛮族の行動に深い感銘を受け、その平和を重んじる心情と勇気があると共感する。

即座に行動を起こした皇族は、お互いを危険から救うために人族との戦闘を制止するよう命じる。
皇族の指示により、戦いの音が消え、人族は戦闘を停止する。
ウルスラは無事に助け出され、安全な場所で治療を受ける。
勇気と平和を重んじる姿勢に触れた皇族は、彼女を称え、彼女の信念を実現しやすい環境の提供、砂鷲団への勧誘をし、ウルスラもその申し出に応じるのであった。

月煌呪/げっこうじゅ

体は月の光のような輝きに包まれ、徐々に生命力が奪われる。
夜が進むにつれ、その姿は次第に薄くなり、最終的には消えてしまうという恐ろしい呪い。

幻の霊草-真魂草/エーテルリーフ

主な自生場所

蒼月の谷 - 蒼月の谷は、月の光が特に輝く場所として知られている。
この地域は奇妙な岩層と清らかな氷の滝があり、霊草が生えている可能性がある。
綺麗な自然の近くにあるとされ見つけるのは非常に困難とされている。

魔祖の森 - 魔祖の森は魔法の力が満ちている地域で、空気中には幻想的な輝きが漂っている。
森の奥深くには神秘的な植物が茂り、その中に幻の霊草が存在するかもしれない。
ただし、森は迷路のように入り組んでおり、不思議な生き物や魔法の罠に注意が必要。

夢幻の島 - 夢幻の島は霧に包まれた神秘的な場所で、幸せな夢や悪夢が現実のように感じられることで知られている。
この島には幻の霊草が群生しているかもしれない。
しかし、島の中には迷い込んだ者を引き留める力があり、現実と幻想の線引きが困難な場所とされている。

邪視と瞳石

体内に瞳石を持ち、視線に呪いの力を込めます。
＜魔法の発動体＞の必要なしに真語魔法、操霊魔法を行使できます。
また、「邪視一覧」(BB→339頁)から「石化の邪眼」のBランクを得ます。邪視は補助動作で1ラウンドに1回だけ使用できます。

「石化の邪視/冒険者レベル+精神力ボーナス/精神抵抗力/消滅」
Bランク:「射程:10m」「形状:起点指定」で、「対象:1体」に「石化進行(器用度、敏捷度-6)」の効果を与えます。
呪い属性として扱います。完全に石化した対象からは、戦利品を得ることはできません。

猛毒の血液

体内の血液が毒性をもち、傷つけた相手を冒します。
近接攻撃で物理ダメージを受けると、ダメージを与えた対象は自身の手番の終了時に「1d」点の毒属性の魔法ダメージを受けます。

魔物化

瞳石の力を解放し、主動作で魔物形態に変身します。
変身後は知力が12点減少します(最低1)。また部位数が「3」となり、「[部位:頭部(コア部位)][部位:胴体][部位:邪眼]」の部位を持つキャラクターになります。一度変身すると1時間は人間形態に戻れません。
変身するとHP、MPは最大値まで回復します。その他、効果時間のある有利な効果、不利な効果などの変身前の状況は、そのまま引き継ぎます。

種族特徴の強化

6レベル:[魔物化]を行った際、[部位:頭部]は変身前の状況を引き継ぐか、すべての効果を失わせるかを選ぶことができるようになります。さらに魔物形態時には、すべての部位は毒属性の効果でHP、MPが減少せず、不利な効果を受けなくなります。
9レベル:[猛毒の血液]で与えるダメージが「2d」点になります。
11レベル:[魔物化]を補助動作で行えるようになります。

弱点(戦闘時、弱点隠蔽判定失敗で適用)

基準値：冒険者レベル+知力ボーナス
水･氷属性ダメージ+3点

名前：ウルスラ
種族：バジリスク　性別：不明　年齢：170歳
―――――習得技能―――――
コンジャラー：7 セージ：5 ドルイド：1
アルケミスト：1 エンハンサー：1
ジオマンサー：1
―――――自動習得の戦闘特技―――――
鋭い目
―――――選択習得の戦闘特技―――――
(才)魔法拡大/数
ターゲティング 魔法収束 魔法制御
武器習熟A/スタッフ
―――――魔法技能―――――
操霊魔法 森羅魔法 相域
―――――その他/補正効果など―――――
種族特徴/[邪視と瞳石][猛毒の血液]
練技/▶▶△【アンチボディ】
マナチャージクリスタル
初心のジオグラフ/天2地2人2
魔晶石(8)1,(2)1,(1)1
魔香草×2,魔香草(変異),ぬいぐるみ×2