容姿・経歴・その他メモ

　
容姿など：
身長178cm、体重は65kgの細身。

天鵞絨(びろうど：暗い緑系)の長めの髪に、梅紫(うめむらさき：鈍い赤紫)の瞳。
物腰は丁寧だが、どこか影のある印象を与える。

賢神キルヒアの使徒として知識の蒐集、普及には真摯であり周囲からの評価も高いが、こと蛮族や魔神など人族に害を為す存在のこととなると、人が変わったように冷酷となる。
　

経歴：
商人一家の長男として生まれ、幼い頃は隊商の一員としてブルライト一帯を渡り歩く生活をしていた。
円満な家族と平穏な生活。満ち足りていた人生はある日を境に崩れ去る。

父親が若くして急な病に倒れ、この世を去った。
母親は悲しみに暮れ、甘言に誘われるまま神へと縋った。それが善き神でなく、奈落に嗤う邪神と知らず。
弟は心優しく、母を案じた。母を愛し、母を信じ、母に殉じて堕ちていった。

死と呪いと血のむせる臭い。

あわや自身も犠牲になる寸前でキルヒア教会の審問官に救助され、以降教会の預かりとなった。

それから千の朝と夜を越え、見習いとして祈る彼に神は聖言を授け使徒とした。
だが、何故家族を救ってくれなかったのかと問うても、答えはない。

やがて少年は青年となり。
育ての親も認める優れた智の伝道者たる神官となり。
人に仇為す穢れた者共を駆逐する異端審問官となり。

還らぬ問いの答えを求め、同じ神の座へ至らんと己を高めている。

子供の目線は低く、手の届く限りが世界だ。
父が居て、母が居て、弟が居て。美味しい食事、温かい寝床。
満ち足りていて、幸せで、それが全てだった。

だが、本当の世界はその外側にどこまでも広がっている。
目の届かない、手の届かない遥か遠くから忍び寄り、気づいた時には飲み込まれている。

父が死んだ。何の仕組みも無い、偶然の不幸な事故。
母が病んだ。夫の喪失を埋めようともがいた末に、悪意に踏みにじられて。
弟は捧げられた。絶望からの救済のためだと大人達は言った。奈落の底で嗤うものどもの死臭と、弟の最期の視線が脳裏に焼き付けられた。

………
………………

可哀そうに。白い人は言った。
食べるようにと出されたスープを野犬のように貪りすすった。酷くしょっぱかったことは覚えている。
自分はこれから教会に引き取られるらしい。
そこで何をするのだろう。神に仕える？ 神を称える？　何もしてくれなかった神を？

陽が昇り朝が来る。暮れれば夜が来る。何もなくても腹は空き、食べればまた明日が来る。

気が付けば父よりも歳を経た。母よりも智慧を得た。ただ、弟にだけはいつまでも、届くことはない。


私は今日も祈る。迷える人々を諭す。幼い者達を育み。
ーーーそして、闇へと潜り、闇を屠る。神の望むままに。

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