容姿・経歴・その他メモ

100年近く人間の村で生活しているエルフ


「よかった… 私たちがここを通らねばいくらエルフといえど溺れ死んでいたかもしれん。」

河に流されていたエルフの赤子を拾った夫婦は、その赤子を『彼らの子』として育てることにした。
赤子は自身が死に掛けていた事などつゆ知らずにすくすくと育っていき、村一番の腕白坊主となる。

腕白坊主は冒険譚が好きで、山や川などに冒険に行くことが好きだった。
しかし、冒険者になろうなどとは一つも思わなかった。

腕白坊主の父は商人だ、大きい商会などではなく村に拠点を置き近くの町へ村の特産品を売り、村へ薬や衣類などの日用品を持ち帰る。時には村人から頼まれた薬草などを取りに山にも行く等、御用聞きというより万事屋のような仕事も行っている。

そんな父に腕白坊主は憧れていた、生活は裕福という程ではなかったが村人達からの信頼や感謝を受ける姿を見る事が、腕白坊主にとって何より誇らしかった。

やがて『腕白坊主』は父の仕事を継ぎ、村人たちから「カルドアの」と呼ばれるようになった。
それから50年程経った頃、父がこの世を去った。
今まで人間として育てられた彼にとって初めて自分が「エルフ」であることを実感した出来事だった。
しばらくして母も天寿を全うした時、『腕白坊主』は自身の残された物などもう無いのでないかと絶望した。
失うことへの悲しみや、孤独の日々への恐怖を感じたまま母の亡骸を抱え家を出ると、彼の恐怖はまやかしだと確信する。

外には、母との別れをともに悲しみ、彼を『エンドルフ』と呼び村の大切な商人として支えてくれる村人たちがいた。

それからしばらくして、彼が村の最年長となり村人たちの相談役となったりもしたが、弟子が付き村の商人として育てたところで彼は暇になった。
そんな中、商品に紛れた児童向けの英雄譚を見てふと思い立つ

「冒険者になってみましょうか」

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